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Round 1: 佐野文彦 vs. 和賀裕幸

森慶太

 個人的にはそれなりの数のイベントをこなしてきたものだが、不思議なことにこの佐野文彦の Duel を記事にした覚えがまるでない。本人談では「Grandprix での Feature Match は初体験だよ」とのことで、なるほど、確かに Grandprix 九州で Top 4 に入った以来は派手な活躍はないかもしれない。

 しかし、最も驚かされたのは、佐野ともあろうものが 1 bye すら持っていないという事実。「ポイント(Rating)配るの趣味なんで...」と、自虐的なジョークをよく聞かされるものだが、彼のハードラックもいよいよホンモノらしい。

 ご存知ない方のためにご紹介しておくなら、彼、佐野文彦はデッキビルダーとしてかなり名前の通った人物で、最近のものだけでも Turbo Taxi や Opt Blue といった珠玉のデッキタイプを創り出してきた(ないし、チューナップした)だけの実力者である。そんな彼が緒戦で Feature されたとあって、周囲をいわゆる日本トッププレイヤーたちがズラっと取り巻いた。正直なところ、こんな段階では滅多に拝めない光景だ。

 ...さて、そんな佐野が今回持ち込んだのは、林智加良と競作したのだという《総体の知識/Holistic Wisdom》デッキ。
 おそらく、このカードがトーナメントレベルで使用されているのを見かけたことのある方は多くはないことだろう。まあ、百聞は一見にしかずと言うし、レシピをご参考頂きたい。

Chikara-sama deck

Main Deck
Sideboard
2 Savanah
4 Tundra
3 Treetop Village
3 Tropical Island
2 Quicksand
2 Waste land
2 Plateu
2 Volcanic Island
2 Adarkar Wastes

2 Morphling
4 Counterspell
2 Gaea's Blessing
4 Force of Will
4 Sword of Plowshares
3 Brainstorm
2 Tithe 
4 Intuition
4 Disenchant
4 Accumulated Knowledge
2 Holistic Wisdom
3 Wrath of God
1 Hero's Reunion
2 Powder Keg
4 Phyrexian Furnace
4 Pyroblast
3 COP: Red
1 Holistic Wisdom
1 Heroes Reunion

Game 1

 先攻の和賀はいわゆる緑黒の《自然の秩序/Natural Order》デッキ。
 開幕ターンに森から《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》、続くターンには《樹上の村/Treetop Village》セットから《花の壁/Wall of Blossoms》、3 ターン目には《リバー・ボア/River Boa》と順調な立ち上がりを見せた。

 一方の佐野は《Tundra》《Volcanoc Island》と《不毛の大地/Waste Lands》...とただひたすらにランドを展開し続ける展開。構成上、《総体の知識/Holistic Wisdom》がその強さを発揮できるようになるまでは忍耐の時となる。カウンターと除去を駆使し、なんとか時間を稼ぎたいわけだ。

 和賀の側から見れば、おそらく佐野のデッキは流行の Walamies に見えたことだろうから、やはり、長期戦になればなるほど次軍不利となっていくという認識であっただろう。《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》、《リバー・ボア/River Boa》と基盤を整えた和賀は、ダメージクロックを拡大すべく《マスティコア/Masticore》を召喚。これは《対抗呪文/Counterspell》。それでは、と《魂売り/Spirit Monger》。佐野、これも《対抗呪文/Counterspell》。

 そろそろ攻撃要員として本領発揮かと思われた《樹上の村/Treetop Village》も佐野によって《不毛の大地/Waste Lands》されてしまい、クロックは《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》と《リバー・ボア/River Boa》による 3 点というサイズを抜け出せない。

 しかし、和賀の次なる一手に対する対抗策は佐野のハンドには無かったのだった。
《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》からもたらされた《魂売り/Spirit Monger》を前に、佐野はいつもながらの己の不運を嘆きばかりだった。《剣を鍬に/Swords to Plowshares》も、《神の怒り/Wrath of God》も、それらを導くびきだす《直観/Intuition》さえもやって来なかったのだから...

和賀 leads 1-0

Game 2

 「負け先」の佐野は、どんな気持ちで初手を見つめていたのだろうか ?
やたらと重いスペル、わずかなライブラリーサーチ、そしてマナソースは《Savannah》と《不毛の大地/Waste Lands》のみ。もちろん、《税収/Tithe》はない。初手に 1 枚光り輝く《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を信頼するしかない。

 佐野はこれをキープし、2 ターン目早々に《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》を空うち。しかし、それでも(もちろん ?) 3 枚目のランドは来ない。《リバー・ボア/River Boa》を 2 連発で和賀に展開され、佐野はこれを 2 枚の《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を連打して凌ごうとした。しかし、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》をちょうど 2 枚使い切ったタイミングで和賀はドロー《樹上の村/Treetop Village》! 
 ...やや表情をひきつらせた佐野、何とか 3 枚目のランドを引き当てたものの...
 それは《流砂/Quick Sand》という無色マナ。

 これを見るや、和賀はここぞ攻めどころとばかりに果敢にツモギリモード。
 《マスティコア/Masticore》を召喚するのだが、幸運にも佐野はこのクレイジークリーチャーをたった 2 マナの《解呪/Disenchant》というカードで対処することができたのだった。続くターン、和賀はさらに引き当てた《強迫/Duress》をプレイ。ここで佐野のハンドが:

《変異種/Morphling》
《直観/Intuition》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》3 枚目
《神の怒り/Wrath of God》
《勇士の再会/Hero's Reunion》

...という内容であることが明らかになった。

!! 《勇士の再会/Hero's Reunion》 ??

 驚きの隠せない和賀であったが、ともあれ、さらば《直観/Intuition》。

 そして、残酷にも和賀は《不毛の大地/Waste Lands》で唯一の色マナである《Savannah》をも破壊した。そこをまた、佐野がドロー《流砂/Quick Sand》...

 さらに、無色マナしか生成できない佐野に対して、ここで和賀は大金星の期待感高まる一手を。キャスト《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》! 
 これによって《マスティコア/Masticore》、《樹上の村/Treetop Village》と並んでしまったわけで、ギャラリーの幾人かは足早に立ち去っていったものだ。

 しかし、ここにきて佐野文彦は(ようやっと)連続して有効牌を引き当てはじめたのだった。

 手始めに、《不毛の大地/Waste Lands》で和賀の《樹上の村/Treetop Village》を叩き割る。それでも、さらなる《樹上の村/Treetop Village》を引き当てて展開したものの、先ほどまでの圧倒的な勢いはどうやら失ってしまったようだ。そんな矢先に佐野はピンポイントでほしかった《Tundra》、《Tropical Island》と 2 枚のデュアルランドを引き当て、頭痛の種であった《マスティコア/Masticore》を《剣を鍬に/Swords to Plowshares》で《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》の支配も及ばない世界へと葬り去った。

 さらに、《渦巻く知識/Brainstorm》、《蓄積された知識/Accumulated Knowledge》でデッキを掘り進みはじめ、《総体の知識/Holistic Wisdom》をハンドにかかえつつ状況をコントロールし始めた。

 とうとう《樹上の村/Treetop Village》で 3 点にまで、ライフを削られてしまった佐野ではあるが、ハンドには《勇士の再会/Hero's Reunion》= 7 life を抱えているわけだ。

 和賀も最後の一押しにと《リバー・ボア/River Boa》を召喚し、ここで佐野は小考。結局カウンター呪文をここでは使わずに
 通して《蓄積された知識/Accumulated Knowledge》2 枚目にかけた。そしてそれが功を奏し、...《剣を鍬に/Swords to Plowshares》をこの 2 枚の中から発見。《樹上の村/Treetop Village》に《剣を鍬に/Swords to Plowshares》、《リバー・ボア/River Boa》に《流砂/Quick Sand》とキッチリと和賀の最後の一撃をさばききった。
 ...そして、セット《樹上の村/Treetop Village》。

 この後にも和賀が《スパイクの飼育係/Spike Feeder》、《マスティコア/Masticore》と連続召喚してきたのだが、これも《勇士の再会/Hero's Resolve》でライフを回復した上で《税収/Tithe》によるライブラリ圧縮を行い、万全の《神の怒り/Wrath of God》。
 かくて、和賀の攻め手は今度こそ本当に失われてしまったのだった。

 そして、ついに 8 マナを揃えるに及んで《総体の知識/Holistic Wisdom》。
 これによって佐野は

@@@ 墓地の《蓄積された知識/Accumulated Knowledge》とハンドの不要なインスタントスペルを変換してライブラリーから新鮮なドロー 2 枚を供給し続ける @@@

 ...というエンジンを確立し、それを危なげなく《変異種/Morphling》へと繋いで見せた。

まさに、 見事な逆転劇であった。

佐野 1-1

Game 3

 和賀が先攻し、ここにきてのテイクマリガン。

 それでも、セット《沼》から《強迫/Duress》というまずまずの立ち上がりで...

《総体の知識/Holistic Wisdom》
《変異種/Morphling》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》*2

という 3 つの候補からノータイムで《総体の知識/Holistic Wisdom》ディスカードさせた。
 ...やはり、先ほどのエンジンのイメージは強烈だったらしい。

 そして、続く 2 ターン目にもセット《樹上の村/Treetop Village》から《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を《強迫/Duress》で叩き落し、さらに 3 ターン目にはサモン《スパイクの飼育係/Spike Feeder》。

 しかし、あろうことか、ここでアンタップ状態の 2 マナと《樹上の村/Treetop Village》をコントロールする佐野に対して和賀は無策のアタック宣言を敢行してしまい、ここで意味もなく《スパイクの飼育係/Spike Feeder》を「自殺」させてしまったのだった。
 そして、正直なところこれは事故気味だった(青マナがなかった)佐野にはありがたいミスだった。
 和賀はここで気を取り直して 2 体目の《スパイクの飼育係/Spike Feeder》を召喚するも、やはりツキを逃してしまったかのような雰囲気が否めない。

 そして、ここで佐野は待望の青マナ、《Volcanoc Island》をトップデッキして来るわけで、なんとなくオチが予想できてしまいそうだ。
 結局、このまま佐野は効果的にゲームを支配したのだった。

 和賀の《マスティコア/Masticore》を《解呪/Disenchant》で除去するという展開を 2 ターン連続で達成し、《自然の秩序/Natural Order》からの《新緑の魔力/Verdant Force》も即《剣を鍬に/Swords to Plowshares》してみせたのである。
 そして、佐野は『いつもとは違って』時間切れ直前には《変異種/Morphling》によってキッチリと結果をだせたのだった。

Final Result:佐野 2-1

 余談だが、《勇士の再会》は状況構築までを「忍耐の一文字に集約できるデッキタイプであるだけに侮れないものが実際ありそうだ。
 まあ、手札に腐ったらそれこそ《総体の知識/Holistic Wisdom》でライブラリー操作にでも交換すれば良いし、それこそ《総体の知識/Holistic Wisdom》で再利用してやることによってビートダウンとのマッチアップを大きく動かすこともあるかもしれない。



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