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ステージ2第3回戦:勝って、次へ
フィリピン vs. フィンランド

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 ワールド・マジック・カップ決勝ラウンドへの段取りは、いくつかの「喰うか喰われるか」という戦いと、そしてタイ・ブレークによる魅力的なシナリオを生み出した。フィンランドとフィリピンの戦いはまさに「喰うか消化されるか」だったのかもしれない(そんな言葉はないけれど)。

 筋書きはこうだ。いまだにグループの内3チームがトップ8の目を残している。フィンランドは18ポイントでグループ1位だが、フィリピンとクロアチアがどちらも9ポイントを有していた――勝利がひとりではトップで終えることにならない(マッチの勝利は、チームの勝利になってこそ9ポイントの価値があるのだ)。クロアチアはこのグループでトップのシードで、フィリピンが後に続いているので、つまりフィンランドがここで負けると、クロアチアがトップ8を勝ち取り、フィンランドを締め出すことになるかもしれないのだ。

 両チームとも、試合の前にチームメイト同士で拳を合わせた。勝って、次へ行く心構えはできた。どちらのチームも文句のつけようがないものだった。だから先に進み、この重要な試合をそれぞれ追っていくことにしよう。


懸かるものは同じ。フィンランドにとってもフィリピンにとっても、勝って、次へ行くことだ。

スタンダード ゲーム1

 フィンランドのエートゥ・ペルットゥラ/ Etu Perttulaとフィリピンのアンドリュー・カンティリャーナ/ Andrew Cantillanaの対決は、この週末、スタンダードで非常によく見られたものだった。恐怖の《秘密を掘り下げる者》同型対決である。

 両プレイヤーとも《秘密を掘り下げる者》と《はらわた撃ち》と《修復の天使》を延々と交換し続け、ときにダメージをひねり出し、ときにファイレクシア・マナで自分のライフを削った。

 やがて、カンティリャーナがより多く《修復の天使》のアクションを取り、フィンランド側のライフを残り2まで減らした。だが《蒸気の絡みつき》とスピリット・トークンのおかげでペルットゥラはゲームへと這い戻った。渾身の《聖トラフトの霊》が、ゲームの初めに自ら削ったライフを渾身のダメージで賄った。

 しかし追加の《修復の天使》と《秘密を掘り下げる者》が裏返る幸運が、カンティリャーナに制空権を握る9点のパワーを与え、彼をゲームに戻し、ペルットゥラを追い詰めるに至った。

ゲーム2

 ゲーム1で見られた削り合いとは異なり、2セット目に波乱は起きなかった。カンティリャーナが2体の《秘密を掘り下げる者》を早いターンで裏返す一方、ペルットゥラは1体でもなかなか裏返らない。さらにカンティリャーナの毎ターンの引きがペルットゥラを単純に上回っていた。ペルットゥラは実に3度にわたって《思案》し、毎回3枚の土地を見たのだった。

 こうして、フィリピンが素早くゲームを決め、トップ8の座を確保する道の半分を行った。


フィリピンのアンドリュー・カンティリャーナ(右)がチームにトップ8を狙える道を素早く開いた。

ブロック構築 ゲーム1

 早いターンでの《オリヴィア・ヴォルダーレン》でスタートを切ったフィリピンのザックス・オザキ/ Zax Ozakiだったが、《月の賢者タミヨウ》がそれをしっかりと封じた。そのタミヨウを《士気溢れる徴集兵》が1ターン奪い、3枚のカードを引いて、フィンランド・チームのキャプテン、マックス・ショブロン/ Max Sjoblomのライフを8まで減らした。だが、それでは青赤白奇跡を使うプレイヤーにゲームを落とさせるには足りなかった。

 《月の賢者タミヨウ》を取り戻すと、ショブロンも3枚引き、《終末》を引き込んで盤面をまっさらにした。オザキは《情け知らずのガラク》と《国境地帯のレインジャー》で再び盤面を埋めるも、対峙する危険なプレインズウォーカーたちがいないなら、《轟く激震》が盤面からクリーチャーを払い続ける。

 まもなくして、オザキは少しマナ・フラッド気味であることを知り、奇跡でない《天使への願い》がショブロンをこのゲームの運転席に座らせるのを通した。その後、ショブロンのカード・アドバンテージとフラッシュバック呪文がゲームを完全にコントロールし、数ターン後に4/4の飛行持ちが勝負を決めた。

ゲーム2

 早いターンでの《ヴェールのリリアナ》が両プレイヤーの手札に影響を与えるスタートだが、ショブロンは厄介なプレインズウォーカーに対処する良い手段がなかった。リリアナに続いて《情け知らずのガラク》を戦場に繰り出し、奇跡は来ないと見て、リリアナの最終奥義を打ち込むと、ショブロンには4つの土地しか残らなかった。マナ・ソースふたつと《月の賢者タミヨウ》を生け贄に捧げて。

……しかし、となりのテーブルがゲームを終えていた……

モダン ゲーム1

 奇跡が近づきつつあるとき、フィリピンのジェラルド・カマンゴン/ Gerald Camangon(ドラン)とフィンランドのサーミ・ヘグクヴィスト/ Sami Haggkvist(青赤緑《秘密を掘り下げる者》)は血みどろの殴り合いをしていた。

 《タルモゴイフ》と《秘密を掘り下げる者》が早いターンに攻撃を始め、序盤の戦いは《秘密を掘り下げる者》が1体除去され、もう1体は変身に時間がかかったことにより、《タルモゴイフ》が制した。するとプレイヤーたちはそれぞれのデッキを代表するクリーチャーで殴りながらも、複数の除去呪文で交換を取った。しかし、ヘグクヴィストが《ヴィダルケンの枷》を通して、卓に維持すると、《タルモゴイフ》を奪ってゲームをかき乱した。

 それでも、カマンゴンは終わってはいなかった。ヘグクヴィストのライフ総量が少ないので、彼は新たにプレイされた《聖遺の騎士》や《スレイベンの守護者、サリア》から身を守るために、彼の持つアドバンテージを手放しながらも《ヴィダルケンの枷》をアンタップ状態にしておかなければならなかった。毎ターン《聖遺の騎士》を奪い、《タルモゴイフ》も通し、ヘグクヴィストはしばらく生き延びるには十分なブロッカーを備えていた。

 だが、それでは十分ではなかった。ヘグクヴィストはフェッチ・ランドでライフを2まで落とさざるを得ず、それはカマンゴンが繰り出す追加のクリーチャーがなんであれ致命的になる、ということだった。つまり、モダンもブロック構築もすべてのゲームをフィリピンから勝ち取らなければ、フィリピンがトップ8へのチケットを確実にし、フィンランドはクロアチアの結果に悶えることになるに違いない、ということだ。


マッチ・サルミ/Matti Salmiが見ている中、対戦相手と戦うサーミ・ヘグクヴィスト(左)とマックス・ショブロン(右)。

ゲーム2

 今度はヘグクヴィストと《タルモゴイフ》の時間だった……とてつもないサイズの3体が、早いターンからカマンゴンに巨大なプレッシャーを与える。

 しかし、ドランはドランがすることを為す。

 《流刑への道》と《大渦の脈動》がじわじわと未来予知の攻撃手3体を片付け、《クァーサルの群れ魔道士》と組んだ《包囲の搭、ドラン》の道を開くと、あっという間に盤面はひっくり返り、ヘグクヴィストのライフは6まで減った。

 だが、フィンランドの選手はまだ途方に暮れることはなかった。《謎めいた命令》がヘグクヴィストの寿命を1ターン延ばすと、《稲妻》を引き込んで《クァーサルの群れ魔道士》を焼いた。それこそ彼が《ヴィダルケンの枷》をトップデッキし、《包囲の搭、ドラン》を奪って相手を脅かす鍵となる流れだったのだ。

 しかし、《大渦の脈動》が容赦なく夢の終わりを告げる。ヘグクヴィストは果敢にも1度はドランを奪って攻撃を防いだが、それも叶わなくなった。次のターン、ドローは空振り。フィリピンがワールド・マジック・カップ・トップ8一番乗りを決めた瞬間だった。

 クロアチアの試合は?

 最終戦の最終ゲーム、クロアチアがブロック構築戦でのジャンド同型の勝利によってフィンランド・チームを引きずり出し、極めて狭い決勝の舞台から蹴り出した。


(Tr. Tetsuya Yabuki)

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