ptgtc13jp

プロツアー「ギルド門侵犯」トップ5カード

  • Boards
  • Print
Author Image



5位 《遥か見

 《遥か見》は、《スフィンクスの啓示》のように派手でも、《ミジウムの迫撃砲》のように破壊的でも、《オルゾフの魔除け》のように特に柔軟性があるというわけでもありません。しかしこれは、数々のデッキでつながりを保ち、このフォーマットにおける最高のシナジーを可能にする接着剤といえるものなのです。

 その筆頭は間違いなく、メリッサ・デトラ/Melissa DeToraの初のプロツアートップ8を導いた「ウルフラン・バント」デッキでしょう。これなしでは、色を散らして《ケッシグの狼の地》をプレイすることなどできなかったでしょう。そして《ケッシグの狼の地》なしでは、デトラのミッドレンジ・バントデッキが、環境にあふれるコントロールデッキに一撃を加えることができていなかったでしょう。そして、この無害に見える2マナソーサリーがもたらすマナ加速なくしては、このフォーマットにはびこる高速デッキの類とやりあうことなど不可能だったでしょう。おまけに、このマナ加速は本リストの4位に出てくるカードをただただ強いものにします(そのカードが助けを必要とすれば、ですが)。

 またこのカードは、オーウェン・ツァーテンヴァルド/Owen Turtenwaldを同様に初のトップ8に導いたジャンド・ミッドレンジデッキも可能にしました。ジャンドデッキはかなり色マナ拘束が厳しいものです。《ヴェールのリリアナ》《吸血鬼の夜鷲》のBlack ManaBlack Mana、《原初の狩人、ガラク》のGreen ManaGreen ManaGreen Mana、さらには《ミジウムの迫撃砲》のRed ManaRed ManaRed Manaまで、しかし《遥か見》はこれらを本当に同居させることができるのです。これなしでは、これらのカードが全てひとつのデッキに収まっているなんて見られなかったに違いありません。ただでさえマナに恵まれた世界において、《遥か見》は別次元のマナベースをもたらしたのです。




4位 《スフィンクスの啓示

 これまでの文章をお読みで、《スフィンクスの啓示》がリストにあることに驚かれた方がいるとしたら、少々不注意と言わざるを得ないかもしれません。《アゾリウスの魔除け》と手に手を取って、《スフィンクスの啓示》はこの青い呪文と対決するプレイヤーに壊滅的な光景を見せてきました。今週末最もプレイされたデッキ、青白赤の中で最も強力なカードであり、実際にトップ8はこのパワーで成り立つデッキで埋め尽くされたのです。

 準優勝者のヨエル・ラーション/Joel Larssonと準々決勝の対戦相手ゲリー・トンプソン/Gerry Thompsonとの戦いは《スフィンクスの啓示》をめぐってのものでしたし、ラーションとベン・スターク/Ben Starkのエスパー・コントロールによる準決勝もそうでした。エスパーデッキは、青白赤デッキ以上に《スフィンクスの啓示》に頼っており、4枚が全投入されていました。この週末にわたって、かつての開発部メンバーであるザック・ヒル/Zac Hillは繰り返し語った内容には、このカードがいかにパワフルであるか、では印刷されるには強すぎたのかどうか、という討議がありました。最終的に彼が言うところには、彼らは青白コントロールを可能にしたいと考え、このカードはそれを実現するためのひとつの方法だったとのことです。

 ミッションは達成されました。




3位 《ミジウムの迫撃砲

 《ボロスの反攻者》《踏み鳴らされる地》《聖なる鋳造所》の登場によって、それらが一緒にデッキに入り、さらに《ミジウムの迫撃砲》がきわめて魅力的になるなど、誰が想像できたでしょう? このイベントにあたり、世界がクリーチャーデッキに支配されるのは明確でした。このフォーマットがより一層クリーチャーデッキで溢れかえるにつれて、ミラーマッチでの勝利を確保する切り札が切実に必要とされてきました。《ミジウムの迫撃砲》はこの間隙を埋める最高の解答でした。盤面を一掃することができ、自分の側は全く傷つかないのです。不運にも、赤マナ3つというコストを満たすのは非常に難しく、特に多くのデッキが《魂の洞窟》頼みになっていることを考えればなおさらでした。《踏み鳴らされる地》《聖なる鋳造所》の登場により、ナヤやジャンドのようなデッキは切り札を現実のものとする大いなる助けを得たのです。

 この《ミジウムの迫撃砲》物語の興味深い欠点を挙げるとすれば、それは《ボロスの反攻者》の登場です。《ボロスの反攻者》もスタンダードのクリーチャーデッキに対し強力なことから、コントロールデッキも序盤の守り、相手の攻勢に歯止めをかけるものとして使うようになりました。それにより、《至高の評決》はどうしても欲しい全体除去というわけではなくなったのです。そこで《ミジウムの迫撃砲》です。《ミジウムの迫撃砲》はコントロールデッキの欲する全てをこなしてくれます。必要な状況では、序盤の除去呪文として働きます。《聖トラフトの霊》や《ボロスの反攻者》を残しつつの全体除去としても使えます。コントロールが最も求めてやまないもの――選択肢を与えてくれるのです。




2位 《オルゾフの魔除け

 今週末に至るまで、このカードを探知機に捉えていた人はほとんど誰もいなかったでしょう。世間一般の評価は、モードのうち1つは良いものの、残る2つは状況を選びすぎる、というものでした。

 しかし状況を選ぶカードといえば、それこそがサム・ブラック/Sam Blackが醸成したTeam SCGの「貴種」デッキのトレードマークでした。《オルゾフの魔除け》のすべての部分を、誰もが考えたよりずっと巧く使っていたのです。トム・マーテル/Tom Martellはトップ8のマッチを通じて、《オルゾフの魔除け》のすべてのモードを使い、そのたびにある種の決定打となりました。

 《血の復讐》モードでは、マーテルは《火打ち蹄の猪》から《修復の天使》までありとあらゆるエース級クリーチャーを打ち倒し、彼の攻撃の道を切り開き、あるいは戦線をクリアにし続けました。

 自分用《送還》モードでは、マーテルは本大会でも一番のファインプレイを見せました。準々決勝で《スラーグ牙》と2体のビースト・トークンの攻撃に直面したとき、マーテルは《オルゾフの魔除け》を自身の《修復の天使》を戻すのに使い、それを再び唱えて自分の《士気溢れる徴集兵》を明滅し、《スラーグ牙》を奪ったのです。ここを境に、メリッサ・デトラが立ち直ることはありませんでした。

 「1マナ・リアニメイト」モードもまた多大なる仕事を果たしました。中でも特筆すべきは決勝での、マーテルが《宿命の旅人》を墓地から戻し、《ファルケンラスの貴種》を致死ダメージまで引き上げたことでしょう。

 八面六臂の大活躍で、このカードは示したのです。適切なカードが、適切なデッキに入れば、大方の予想など超えうると。




1位 《ボロスの反攻者

 この週末を控えて、《ボロスの反攻者》ほど期待を一身に背負ったギルド門侵犯のカードはなかったでしょう。このカードの情報が公開されたその瞬間から、これがきわめてカードパワーの高いものであることは実に明白でした。スタンダードにおいてクリーチャーに求められるものをすべて満たしているのです。そのサイズと能力はクリーチャーデッキを支配します。その攻撃力と影響範囲は多くのコントロールデッキにとって悪夢です。クリーチャー界のジェームズ・ボンドといえば彼のことです。

 この週末に《ボロスの反攻者》がプレイされているのを目にした後では、期待を裏切らなかったどころか、予想を凌駕していたとさえ言えるかもしれません。スタンダードの攻撃的なデッキに恩恵をもたらすであろうことは明白でしたが、コントロールデッキでもこれほどの仕事をするとは信じがたいものでした。《ボロスの反攻者》はコントロールデッキにおける、対クリーチャーデッキの序盤を戦うための《灼熱の槍》や《火柱》よりずっと良い方法をもたらしました。加えて、ほとんどのコントロールデッキは、本質的にカードアドバンテージに視点を置くものですが、《ボロスの反攻者》の誘発型能力によって得られる効果的な「2対1交換」は対戦相手にとって非常に骨の折れるものであったでしょう。

 全体を見渡すと、ここモントリオールでトップ8に入ったデッキの半数が《ボロスの反攻者》に注目したものでした。ゲリー・トンプソンの青白赤フラッシュ・デッキにも、エリック・フローリッヒ/Eric Froehlichの「齋藤Zoo」デッキにも、ヨエル・ラーションの青白赤フラッシュ・デッキにも、そしてトム・マーテルを優勝に導いた「貴種」デッキにも、その姿を見ることができます。4つの異なったデッキが、それぞれの相乗効果のために《ボロスの反攻者》を用いていました。驚くべきパワーと多芸さで、《ボロスの反攻者》は今週末の一大勢力であり、今後数ヶ月のスタンダードにおいて中心選手になることは間違いないでしょう。




(Tr. Yusuke Yoshikawa)

  • Planeswalker Points
  • Facebook Twitter
  • Gatherer: The Magic Card Database
  • Forums: Connect with the Magic Community
  • Magic Locator