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ラウンド 1: 森勝洋 vs. Brian Kibler

 


Brian Kibler from United States
 「去年は見向きもされないただのパンピーだったんだよねえ。...それが、今年はいきなりだもんなぁ」

 世界選手権第 1 ラウンド。
 対戦カード(Pairing)が発表され、Mark Rosewater が彼をフューチャーマッチ(注目の対戦)エリアへと招待した。現在のマジックシーンで国際的なネームバリューをある程度認められている森にとって、これはそう特別なことではない。新人王のタイトルホルダーとして迎えた今シーズン、彼は幾度となくスポットライトの中で戦ってきたのだから。
 
 しかし、昨年の世界選手権に臨んだときの森勝洋は、まさしく無名の一アジア人だった。
 彼が現在の声望を勝ち取った「出世試合」、それこそがトロントでの 2001 年度世界選手権だったわけで、あれからの一年間という歳月を彼なりに噛みしめているのだろう。いつになく神妙な面持ちで、彼はデッキをシャッフルしはじめた。

 Kibler が《生ける願い/Living Wish》を軸に《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》や《栄光/Glory》を搭載したした緑白赤のビートダウンデッキ。森は得意の《サイカトグ/Psychatog》、もちろん仕上がりは「マジゴッド」だ。

 ちなみに、Brian Kibler はテレビマッチのコメンテーターとして、ライターとして、なによりもデッキビルダーとして超のつく有名人。カラフルなシャツにショートパンツ、そしてヘッドホンからは爆音のハードロック...という、わかりやすいキャラのたったナイスガイで、Ben Rubin との名コンビが最近では有名だろう。

Game 1

 このゲーム、森勝洋が完全にゲームのテンポを支配していたものだった。
 カードアドバンテージがモノをいう展開にまでもちこめば、このマッチアップは森勝洋のものである。

 最序盤に森がみせた「捌き方」はまさしく理想的なものだった。《藪跳ねアヌーリッド》と、《生ける願い》からの《森を護る者/Sylvan Safekeeper》を《対抗呪文/Counterspell》によって退け、《獣群の呼び声/Call of the Herd》からのトークンには《排撃/Repulse》。《野生の雑種犬/Wild Mongrel》には《魔力の乱れ/Force Spike》。かくて、序盤のライフレースで先行することを許さなかった。むしろ、2 枚の《真鍮の都/City of Brass》をプレイした Kibler のライフがジワジワと減少していくばかりだ。

 結局、ライフレースで優位に立てなかったビートダウンデッキが結果を残せるわけもなく、《激動/Upheaval》から召喚された《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》が、ゲームを決定付けそうだった。ここで Kibler もセット《森/Forest》からの《極楽鳥/Birds of Paradise》召喚からなんとか巻き返そうとしたのだが...、ここでも強烈な《魔力の乱れ》が Kibler の反撃を許さない。

 《恐ろしい死/Ghastly Demise》、《排撃》などによってブロッカーをどかせながら、静かに《使い魔》が時計の針を進めはじめたのだった。 

森 wins 1-0
 
Game 2

 やはり、緒戦の《魔力の乱れ》は印象的だったのだろう。Kibler は 1 マナ余分に残さずにはアクションを起こせなかったのだ。そして、森勝洋は教科書どおりに脅威の芽を一つ一つ摘んでいった。

 《藪跳ねアヌーリッド》を《対抗呪文》。そして、《極楽鳥》に《恐ろしい死》。さらなる《アヌーリッド》と《獣群の呼び声》は《嘘か真か/Fact or Fiction》をキャストしたいがために見送ることとなったが、森の決断は報われ、強力な 5 枚のカードの束がめくられた。2 枚の《冬眠/Hibernation》と土地、《チェイナーの布告/Chainer's Edict》と《排撃》...という2 つのパイルにその《嘘か真か》を Kibler は分け、森勝洋はノータイムで前者をハンドに加えたものだった。

 そして、続くメインステップでの攻防も印象的だ。...と言うより、ここでのやりとりが勝負の趨勢を決定付けてしまったのかもしれない。


Rookie of the Year of 2000- 2001 ,森勝洋
《嘘か真か》から手に入れた《冬眠》を、森勝洋はそのままメインステップに即キャスト。Kibler のターン終了ステップの《嘘か真か》解決からの流れるような一連の素早い動作に、Kibler も「ちょっと待ってくれよ」と発言し、しばし長考モード。結局、これにレスポンスして Kibler は《栄光》と《獣群の呼び声》をコストにした《藪跳ねアヌーリッド》の能力を起動することを選択したのだった。そう、《栄光》を墓地に送り込みつつダメージクロックを残そう...という Kibler の決断だ。しかし、森は Kibler のこの行動までが計算づくであったようで、ここでニヤリと笑みを浮かべた。

 「その起動にスタックして、《恐ろしい死/Ghastly Demise》!」

 そう、死なないはずのクリーチャーを森勝洋は除去して見せ、さらにハンドを2 枚も消費させたのである。Kibler は、顔をしかめながら「....Sure」と応じ、《アヌーリッド》を墓地においたのだった。

 ...結局、Kibler は何一ついいところを見せることもできないまま、森が召喚した《サイカトグ》によってゲームを決められてしまうこととなった。

Final Results:森勝洋 2-0



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