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~強迫するのも楽じゃない~ 第一回:グランプリ仙台


Saturday, January 5, 2002
 


新星、荒堀和明
唐突で申し訳無いが連載コラム第一回目だ。

このコラムで何を扱うかと言うとだ、基本的にはイベントごと、例えばプロツアーや国内でのグランプリ・選手権とかがあった場合、そのイベントを「俺の主観」でちと振り返ってみようか、といった感じの話が中心になる。
また、その他なんかネタがあったらそん時も何か書くかもしれねえな。
要するに、不定期連載って感じだ。

あと、ここではデッキの細かい分析とかはほとんど無し。それは他の誰かがやってくれるだろう。なんて言うのかな、雑感? とかそんな雰囲気だと思ってもらえればいいかと。大体、「コラム」って言葉自体が曖昧だからねえ。広辞苑引いても「短評欄。囲み記事」としか載ってないし。そういった意味では「随筆」と言った方が近いかもしれないな。

で、第一回のテーマは当然「 GP 仙台」だ。

もう Web 上ではあちこちで言われているようだけど、何でこの季節に北国で GP を開催するんだろうな? GP 札幌の時も冬だったよなぁ…。まあ今回は仙台でもこの時期にしては記録的に降ってた方らしいけど、やっぱ雪のせいで会場にたどり着けなかったり遅刻寸前だったりした人もいた訳で。誰が GP スケジュール決めてるのかは知らんけど、この辺は改善を要求したいねえ。
本気で東北道郡山あたりでは、このまま温泉に行くことを検討したよ。車乗り捨てて新幹線ってのは斬新だろ ?

さて、肝心の本戦の方は、青黒 Zombie Prison デッキを操る荒堀和明が優勝した。デッキのシステム・構築理論等についてはいずれご本人から話があると思うのでそちらに任せるとして、一言感想を。
俺自身があんまり以前ほど MtG に時間をさけないと言う言い訳はあるにしろ、ネット上にあるデッキをチョチョイといじってるだけじゃあ、何回やっても優勝なんか出来ないね…ってトコか。今回の優勝デッキ、あるいはそれに匹敵するデッキを作り上げて研究してきた人たち(Wold Zombie な格とかな)の熱意・努力に対してはやっぱりかなわないな、と痛感した。
仙台を制した荒堀、及びデッキを作り上げた「八王子組(この言い方が正しいかどうかは知らないが)」には最大限の賛辞を送りたい。 …まあ、俺から褒められて嬉しいかどうかは知らないけどな。

かく言う自分は PT ジャンクで出たんだけど、まあこれが対策(メタ)されまくり。青系からは Back to Basics 、黒系からは Stench of Evil 、タッチ赤からは Ruination を打たれる始末。サイド後に Vampiric Tutor なんか打たれると生きた心地がしなかったね。付け焼刃の対策で Caves of Koilos を多めにしたりとかはしておいたんだけど…まったく根本的な解決にはなっちゃいねえ。この辺も練習量の少なさが物を言ってるね。
大体、デッキが決まったのが前々日の木曜日ってのがふざけてる。
んで、足らないカード借りまくってサイドを含めたデッキが完成したのが当日会場でデッキ登録をしている時。メインなんざあ、仙台ついた時点ではまだ 1 ポケット以上空白だったという体たらく。結局どんな小人さんが現れたか知らないが、なぜかサイドに Stupor が入っていると言う(これ自体は、対戦者からは相当嫌がられたんだけどね)不思議なデッキが完成していた…。こんなんで必死に努力していた人たちに勝とうなんて、結構身の程知らずだね、俺も(笑)。

そんなんでも、なぜか初日は 7-1( 2bye )で凌げたりするから MtG は不思議だな。
ちょっと笑ったのが、ある対戦で Duress を打ったら「あー、本当に Duress 入りのデッキなんですね~。これで Donate とかで出てたらどうしようかと思いましたよ(笑)。」なんて言われたりして。…そりゃまずいだろ(笑)。
「GAME ぎゃざ」誌で書いたあの Duress の話はあながち大げさでも無いんだよね。長い事手札破壊デッキなんかを使っていると、不確定情報、すなわち相手の手札が多けりゃ多いほどなんつーか…手が縮こまるって言うか…。

初日が終わって思ったことは、速攻系の単色がほとんど生き残っていないって言うのが意外だったかな。
日本国内の GP だとエクステンデッドの場合、MtG のキャリアの問題でカード資産が少ない人が多いため、ある一定以上の赤単・白単が生き残ってしまい、当然サイドで対策を取っておく必要がある、っていうのが俺ら的には常識だったんだよな。前日のトライアルでは結構な人数がいたそうなんで、その傾向はまだまだ続くのかな…なんて思ってたんだけど。
ま、これを日本人のカード資産の向上と見るのか、それともトーナメントへの意識の向上と見るのかはまだわからないけど、前進はしているんだろうね、多分。

で二日目。
Mike Long 戦で適当なサイドボーディングをして負けてみたり、Trix 戦で練習不足のためボコられてみたりで早々に Best8 の目が消えちまった。ま、そんな時はいわゆるマネーフィニッシュ(賞金圏内入賞)を目指すんだけど、心は結構観戦者モードになっちゃったりしちゃうんだよね。つー訳でフィーチャーマッチ見てたんだけど、面白かったのが Round 12 の黒田正城 vs. 池田剛。俺はその回のマッチは比較的早く終わったから大体一部始終を見てたんだけど、まさにシーソーゲーム。お互い黒緑の打撃系のデッキ( Rock and his the Millions )だってのに、まあこれが決着がつかないつかない。一旦天秤が傾きかけるともう一方がすぐにトップデッキで押し戻す。膠着戦になる可能性がわかってたから、それの打開策( Rancor )まで入っていたと言うのにね。結局一本目すら終わらずに引き分けになってたけど、俺が見てた中では今大会屈指の試合だったね。ああいう緊張感あふれる試合をして、最終的に勝てたら気持ちいいんだろうなあ。

さて、決勝ラウンド。
ここで俺は今後のためにフィーチャーマッチの観戦記事(あのサイドボードにのる実況の奴ね)を書かせてもらうことになった。実はこれが初体験だったりする。いやさ、普段は藤枝とか松井とかが簡単そうに書いてるからなめてかかったんだけど…こりゃ重労働だわ。お互いのゲームの進行を把握するだけで精一杯。単語辞書も無かったせいもあるけど、結局書き終わったのが決勝戦の途中。たったあれだけの文章を書くのに一時間半だからね。情けなくなっちゃうよ(笑)。つーか推敲する暇くれよ。

そしてここでちょっと残念な事件が。
俺は準々決勝の石田格 vs. 村上裕樹(註:東北勢、昨年 GP 京都 Finalist とは別人)の試合を担当していたんだけど、事件が起こったのが二本目の開始直前。初手 7 枚を取ってお互いキープしたところでジャッジからストップがかかった。曰く、

「サイドしたカードと元のメインのカードのスリーブの背の区別がついてしまう。」

…まあそりゃさ、メインとサイドは使用頻度が違うんだからある程度はしょうがないじゃん、と思うのは俺だけかね?
いちいちメインとサイドのスリーブを取り替えてたら、進行に支障をきたすと思うんだけどなあ…。もちろん毎回変えてる人もいるし、それが出来るならそうした方がいいとは思うけどさ。
つーか。何が問題かって、試合始まる前のデッキチェックで何にも言われてないんだよね、格。後から何か言うなら、デッキチェック終わった後にでも、

「サイドとメインのスリーブの劣化の具合が違うので、サイドボーディングする時にはスリーブを交換してください。」

くらい言っておいてくれれば済む話なのに。

で、まあそこまでは百歩譲って良しとしようじゃないか。問題は、もうすでに見てキープした手札ごとリシャッフルされてしまったことだ。要するに、7 枚取る前の状態に戻されてしまったって事なんだな。

##つまり、まあ納得いく内容だったハンドにダメだしされちまったわけだ。##

…こりゃいくらなんでも酷い。
ジャッジが見えないところでスリーブの交換をすることが出来るんだから、もう一回シャッフルする必要はどこにあったんだろう? 詳しいフロアルールは知らないけど、初手を見た以上あの裁定はどうかと思うんだけどね~。みんなはどう思う?
聞くところによると、どこぞのジャッジがしゃしゃり出て格のハンドを除いた 53 枚のメインデッキをリシャッフルしちまって状況が再構築不可能になっちまったとかいうソレっぽい話もあるが…

実際の話、格の初手には Oath of GhoulsSpike Feeder と言った Trix に良く効くカードがあっただけに悔やまれるね。それ以上に、その裁定でついた勝負の「アヤ」(デジタルな人には理解できないんだろうなあ)って奴で格の勢いは確実にそがれた感じだったしな。結局土地を二枚しか引けず、格は 0-2 で敗退。努力してきている姿を見ているだけに、個人的に非常に残念な裁定だったと思う。
今後は、こういう事が起こらないようにジャッジの方々の技術向上を切に希望する。

ま、ジャッジの方々に要望する以上、我々プレイヤーも意識を向上させていかなければならない訳で。最後にちょっと真面目な話をして第一回を終わろうと思う。

いきなりだが、皆さんは MtG を何の為にしていますか?

…色々あるだろうけど、究極的には勝ちたいよね、やっぱ。

だけどさ、「勝つ為なら何をしてもかまわない」これは何か違うとは思わない?
デッキを積み込む、カードを隠し持つ、相手をルール上の罠に嵌めてジャッジを呼ぶ…そしてジャッジに嘘を吐く。要するにイカサマさ。

当時の Magic-Square を読んだヤツなんかはご承知のとおり、GP 香港でそのサマ関係の問題で俺と因縁ができてしまったプレイヤーがいる。仮に A 氏としよう。
まあ、イチャモンをつけて自分のミスプレイを(そのミスをおかす前の段階まで)巻き戻されたっていう話だ。

で、どういう天の配剤かは知らないけど GP 仙台の最終戦、お互いマネーフィニッシュがかかったマッチでバッチリ当たっちゃうんだな、この「A 氏」と。さすが会田コンピューター。

マッチ自体はなんとか俺が 2-1 で勝利。ちなみにヤツのデッキはモリカツ式 Trix (註:メイン《変異種/Morphling》タイプの Illusion-Donate)だった。
で、当然の事ながら、この A 氏とはその事件以来まったく話もしなくなってるどころか、目すら合わしゃしない。険悪にもなろうってもんだ。
まあ、だけどずっとこのままじゃあアレだしって事で、終わった後に話をしてみましたわ、色々。

で、以下概要。

A 「僕は Duel で負けるのは嫌だ。その為にはどんな手段だって使う。でも、後々遺恨を残すのは嫌だから、行為自体については謝った。後々までひきずることはないんじゃないのか?」

… ハァ?

俺「ということは、あれだ。君は『勝つ為には手段は選ばない』って事? だけど相手には嫌われたくない、って都合のいいこと考えてるの?」

A 「…当たらずとも遠からず。」

俺「もう一回確認しよう。『勝つためには手段を選ばない』んだな?」

A 「そう取ってもらって構わないよ。」

サッカーではマリーシア(註:テクニックとしての「ずる賢さ」の意)の欠如、なんて言葉が良く使われるけど、これは俺の勝利への意識が低すぎるんだろうか?
ハングリー精神が足らないって事なのか?

いや、断じて奴が特殊であるという風に信じたいね、俺は。今後、A 氏と大会で当たってしまった人は十分注意されたい。

MtG の大会では、常にジャッジが全テーブルを見ているわけじゃあない。個々のテーブルで起こる数々の事象は、二人のプレイヤーの良識に基づいて処理されるべきであるはずだ。ところが、片方の(あるいは両方の)プレイヤーにその良識が欠如していた場合、そこで行われているのはすでに「ゲーム」では無い。醜い「泥仕合」だ。
読者諸兄には、MtG を始めた頃の、ゲームを楽しむその頃の気持ちを決して忘れないで欲しい。そうすれば、決して「A 氏」のようなプレイヤーにはならない筈だ。

楽しくやろうよ、楽しく、さ。

「己の欲せざる所、人に施すこと勿れ 」
― 論語 衛霊公



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