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~強迫するのも楽じゃない~ 第三回:トーメントプレリリースとか


Tuesday, February 5, 2002
 

■トーメントお披露目

いつの時代でも、あたらしいカードセットが出る時というのは楽しみなもんだよな。
初めて見るカードで殴り、殴られる。PTQ のような大会とはまた一味違った、別の楽しみが出来るトーナメント、それがプレリリーストーナメントだ。

今のようにネットが発達した世の中になると、事前情報、いわゆるスポイラーリストなんて物は、発売一月前くらいからかなりの精度のモノがだれでも見つけられるようになっているが、俺が初めて出場したミラージュプレリリースの頃なんか、スポイラーすら存在してたかどうか怪しかったしな。

# 余談だがこの時の一回戦の相手が、お互い面識がなかった真木孝一郎だったり。
# クサレ縁もここまでくれば立派なもんだ。

ま、個人的にはこういうリストを見ないで本番に臨んだ方が楽しいとは思うのだが、そこにカードリストがあったら見ずには居れないのもまたデュエリストの性。昔のようなドキドキ感は少し薄れてきてしまっているのかもしれない。

近年は、紹介記事の執筆とかのせいで事前に正式リストを見せられる事が多くなってしまい、プレリリースに出場することは少なくなっちまった(それでも今回のトーメントに関しては、リストを見ないよう多少抵抗したのだが)。
ちょっと寂しいような気もするが、仕方のないことなのかなぁ。

そんな訳で、今回のプレリリースには出られなかった。つまり、ネタは無い!
…ま、ここで終わったら編集長に殺されかねないので(結構マジ)今回は、

■大「Bad Play of the Week」祭り

ということに致したく存じ候。
SBJ へのメールにも要望が多いらしいので、まあいいかな、と。


「さすがにゴッド。超ゴッド。」
1.土地事故?

今回のトップバッターは、「Rookie 様」こと森カツヒロ。

DCI トーナメントセンターでいつもの様にマネドラ中のカツヒロ君。正式発売日前にフライング販売されていたトーメント入りの新レギュレーションで、まだみんな慣れていないご様子。
そんな中、いつもの様に「超ゴッド!」な赤緑デッキを組んだカツヒロ君、意気揚々とマッチに臨みます。

対戦相手は GP 静岡チャンピオン、山田屋耕平。相手にとって不足はありません。 初手にはランドが《山/ Mountain》しかないものの、これをキープ。ところが、ドローすれどもすれども《森/Forest》を引きません。…カツヒロ君大ピンチ!

ところが、さすがカツヒロ君です。慌てず騒がず、相手の戦線が伸びきったところを見計らって《壊滅的な夢/Devastating Dreams》! 場は一掃されて、あとは手札に残った緑のクリーチャーを出すために、《森/Forest》を引けばカツヒロ君の逆転勝利は間違いありません。しかもライブラリーの残り枚数からして、残りはほとんど森ばかりのはずです。誰もがカツヒロ君の勝利を確信しました。

・・・しかし、カツヒロ君は負けてしまいました。なぜなら・・・彼のデッキは 33 枚だったのです。そう、彼はデッキに《森/Forest》を 7 枚入れるのを忘れていたのでした・・・。そりゃ引けるわきゃあ無いな・・・。

森勝洋「でも、そのあとちゃんと勝ったからいいじゃん。超ゴッド!」

…おいおい、そういう問題か?

2.勝ってたハズなのに・・・

それは PT 大阪予選の 7 回戦目の事だ。

PTQ に出場するのは実に数年ぶりという大田あきらは、Wild Zombie を操り Best 8 進出まで後一歩のところまでこぎつけていた。そう、ここで勝利すれば次戦を ID する事によって決勝進出確定なのだ。

対戦相手は、オリジナルの赤黒 Beat Down で勝ち上がってきた安藤玲二。決勝進出への条件は安藤も一緒。二人は旧知の間柄だが、まさに真剣勝負そのものだ。

一本目はコンボが炸裂した大田が安藤を圧殺。二人はサイドボーディングを行い、二本目に臨んだ。
ところが、先手の安藤が一ターン目に《次元の狭間/Planar Void》をキャスト。Wild Zombie の大田には非常につらい状況だ。
しかし大田の初手には《吸血の教示者/Vampiric Tutor》があった。こいつでアレを壊せるカード、そう《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》を引いてくればいいのだ!

次ターン、安藤はシャドウを出してエンド。そして大田は《吸血の教示者/Vampiric Tutor》をキャスト。これで《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》を引いてきて《次元の狭間/Planar Void》を壊し、手札に 2 枚ある《隠遁ドルイド/Hermit Druid》が生き残る、もしくは《生き埋め/Buried Alive》を打てれば勝ちだ!・・・大田も含め、我々ギャラリーの誰もがそう思っていた。

・・・しかし、大田の様子がおかしい。いつまでもライブラリーをサーチしているのだ。後ろからサーチする様子を眺める俺。・・・デッキに《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》入ってないよ!?

首をかしげながらひたすら何かを探す大田・・・しかし目的の物は発見できない。

大田「っかしいなあ・・・。」

結局適当に《紅蓮地獄/Pyroclasm》を引いてくるものの、《次元の狭間/Planar Void》の前に完全に片肺飛行。結局二本目を落としてしまう。

慌ててサイドボードを確認する太田。

大田「・・・あ・・・入れ忘れてた・・・。」

そして三本目も同じように一ターン目に安藤に《次元の狭間/Planar Void》を張られるが、今回は《吸血の教示者/Vampiric Tutor》にも《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》にも出会うことなくそのままマッチを落としてしまう・・・。

二本目に《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》さえ入れておけばねえ・・・。


「オレとジョン。仲よさそうだろ?」
3.勝利への道は?

DCIJ トーナメントセンターの平日トーナメント・・・その日のレギュレーションはエクステンデッドだった。

Super Grow の練習(ちょうど PTQ 前だったしな)の為に出場していた景山太郎は、Trix を使用する佐藤進一と対戦した。
そのデュエル、景山の引きはあまり良くなく、《冬の宝珠/Winter Orb》は張ったものの普通にコンボを決められてしまった。なんとか自分のクリーチャーに《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を撃って即死は回避したものの、ライフは後 2 点しかない。メインから《変異種/Morphling》《火+氷/Fire/Ice》を投入している赤青「モリカツ型」バージョンの Trix 相手には、ほとんど勝負あったという状況だろう。繰り返すが、ジョンこと景山は残り 2 点。
その後しばらくは《冬の宝珠/Winter Orb》のおかげでまったりとした展開になったが、景山はもうドロー系のカード一枚トップデッキされても死ぬ状態だ。まさに瀕死。

そしてお互いのハンドが 3 枚で、景山のターンエンドにその事件は起きた。

景山「エンドです(あ~、死にそう)。」
佐藤「う~ん…では…エンドに《火+氷/Fire/Ice》を・・・」

景山「(しょうがない、《Force of Will》しなきゃ・・・)」
佐藤「《冬の宝珠/Winter Orb》に撃ってタップします。」

景山「は?・・・え、ええと・・・《Force of Will》でカウンターします(あ、やべ、なんで俺カウンターしてるんだろ)。」
佐藤「う~ん・・・じゃあ、それを《Force of Will》します。コストとして《変異種/Morphling》をリムーブします。」

景山「はぁ?あ、ああ…カウンターされました。タップします(う~ん、メインで何が起こるんだろう・・・)。」
佐藤「アンタップ、アップキープ、ドロー・・・エンドです。」

景山「はぁあ?」

結局、このあと《秘教の処罰者/Mystic Enforcer》を引いた景山が逆転して勝利を収めた。
で、問題なのが試合後の会話。

景山「《Force of Will》した時の手札なんだったの?」
佐藤「ああ、《Illusions of Grandeur》でした。もう一回決めようと思って・・・。」

景山「・・・あのさあ、《火+氷/Fire/Ice》でも《変異種/Morphling》でも通れば俺死んでるんだけど・・・。」
佐藤「・・・・・・・・・言われてみればそうですね・・・。」

・・・二人とも何してるの?

という訳で、このコラムでは読者の周りの Best Play、Bad Play を募集している。
DCIJ 周辺だけでこんだけネタがあるわけで、渋谷以外でも愉快な珍事件は起こってるだろうからな。
みなさん、ふるってご投稿のほどを。

宛先: fujiken@hmx-12.net または finjuke@hotmail.com まで。

冷やかしは許可だがウイルス等は無しで。


「Magic を守ろう、PTC !!」
■Punish the Cheater (PTC) !!

SBJ を読んでいる方々には周知の事実だろうと思うが、世界的に有名な二人のプレイヤー、Ryan Fuller と Bob Maher Jr. がそれぞれ一年と半年の出場停止処分を受けた。
詳細は別記事を参照してもらうとして、これについて少し考えてみよう。

Ryan の罪状は、微罪の累積によるものである。…って微罪なのかなあ?
だけどさ、ここに挙げられた物のどれ一つ取ったって現行犯逮捕なら一発出場停止ものなんだよなあ。結局証拠不十分でペナルティが発生していなかっただけで、状況的には限りなくクロに近いと思われる。マジック競技における、現行犯逮捕の難しさがここに現れている訳だ。

逆説的に言えば、サマ師諸兄はこれだけの事、~まあ今回挙げられている例ですら氷山の一角なんだろうけど~、をしても肝心の現場が押さえられなければたいしたダメージを受けずに済むとも言えるだろう。個人的に言わせてもらえば、Ryan Fuller に関しては永久追放でもいいくらいなんだけどなぁ。Bob Maher Jr. は・・・なにやってんだか(笑)。日本でもこんな奴いたよね、昔。

それでも、不正に対しては断固たる処置を取るという最近の DCI の姿勢はとてもいい傾向だと、俺は思ってる。
聞く所によると、DCI のブラックリストに基づいた過去に遡及した調査は今後とも続いていくそうだ。アメリカのみならず、海外、もちろん日本にも適用されるそうである。今後の推移を見守りたい。

ま、そうは言ってもイカサマを巡るゴタゴタなんか起きないなら起きない方が良いわけで、やっぱイカサマの撲滅と予防が今後の課題なんだろうなあ。そういう意味では、イカサマ師が居心地悪いような環境をオレらで作っていくしかないよな。

上でも書いたけど、イカサマの摘発は現行犯が一番効果的だ。

というか、あとからじゃ証拠がないとどうしようもないからねえ。言った言わないの水掛け論で解決しなくなる、なんてのはいちいち事例を挙げるまでも無いし。

繰り返しになるが、各プレイヤーのイカサマへの意識の向上が一番必要だね。注意してれば、イカサマ師だってやりづらいだろうし。

…ま、ジャッジの人数がそれなりに増えていけば、もうちょっと変わっていくのかもしれないけどね。
それこそ、胡散臭い奴にはマンツーマンでつけれるほどに(笑)。

あと、ちょっとしたオマケがこのネタの最後についてきた。いわゆるタナボタってヤツだ。

今回、大風に吹かれたのが Fuller 率いる ABU で、思わぬ大儲けの桶屋が Panzer Hunters。そう、ABU は Masters 東京での優勝者として自動的に招待されるはずだった Masters 大阪をオジャンにしちまったワケだ。最低 20 万円からの倍々ゲームなんだけど、残念だったねえ。
まあ、格・玲二の師弟コンビは最近上り調子なんで期待したいとこだな。オレもライターとして大阪の地で応援するとしよう。

「天網恢恢、疎にして失わず」
― 老子 七十三章

ご意見その他は、fujiken@hmx-12.net、finjuke@hotmail.com まで。



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