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2007 World Championships Blog

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Welcome to New York City! The crack reporting squad of Josh Bennett, Bill Stark, Tim Willoughby, and Craig Gibson are combing the halls of the Javits Center for all the inside information as we close out the 2007 Pro Tour season. Who will be Player of the Year? What Standard and Legacy decks are at the top of the standings? What are the top draft cards in Lorwyn? All these questions and much more will be answered this weekend.



TABLE OF CONTENTS


  • 10:01 p.m. – 日本勢総括: 予選ラウンドを終えて
    by Keita Mori
  • 9:19 p.m. – Round 16: 森 勝洋(大阪) vs. Jim Herold(ドイツ)
    by Daisuke Kawasaki
  • 9:11 p.m. – Round 16: 三原 槙仁(千葉) vs. 大塚 高太郎(三原)
    by Keita Mori
  • 7:06 p.m. – Round 15: 2人の天才
    by Daisuke Kawasaki
  • 5:45 p.m. – Round 14: Gabriel Nassif(フランス) vs. Patrick Chapin(アメリカ)
    by Keita Mori
  • 4:44 p.m. – Round 13: 三田村 和弥(千葉) vs. Guillaume Wafo-tapa(フランス)
    by Daisuke Kawasaki
  • 3:33 p.m. – Round 12: 金子 真実(埼玉) vs. 三田村 和弥(千葉)
    by Daisuke Kawasaki
  • 3:45 p.m. – 日本勢総括: ドラフトを終えてレガシーへ
    by Keita Mori
  • 2:22 p.m. – Round 11: Darwin Kastle(アメリカ) vs. Robert Dougherty(アメリカ)
    by Daisuke Kawasaki
  • 1:19 p.m. – Round 10: 三田村 和弥(千葉) vs. Patrick Chapin(アメリカ)
    by By Keita Mori
  • 11:11 a.m. - Round 9: 三原 槙仁(千葉) vs. Mike Hron(アメリカ)
    by Daisuke Kawasaki
  • 10:01 a.m. - 2nd Draft: Drafting with National Champion
    by Daisuke Kawasaki

  • Thursday Blog Archive
    by Keita Mori and Daisuke Kawasaki


  • BLOG

     
  • Friday, December 7: 10:01 a.m. – 2nd Draft: Drafting with National Champion
    by Daisuke Kawasaki


  • 北山 雅也はMike Hronと隣り合って座った
    昨日の観戦記事でも触れたが、やはり冬のニューヨークは非常に寒い。特に、会場に向かう朝方など、空気が冷え切っており、まだ寝ぼけ気味の頭を一気に目覚めさせてくれる。

    寒い空気といえば北山 雅也(神奈川)、というわけではないが、現状6-2という好成績を収めている我らが日本チャンピオンのドラフトを追いかけてみよう。

    初日を、4位という好位置で折り返した日本代表チーム。首位のスイスとは10点の差があるが、今年から代表が4人に増え、1ラウンドで最大12点差まで詰め寄れる為、まだまだ射程圏内である。そんな快進撃の原動力となっているのが、北山なのである。

    そこで、北山にセカンドドラフトへの意気込みをきいてみた。

    北山 「三原さんとMike Hron(アメリカ)と同じ卓なので、がんばりたいですね 」

    北山は、上が世界王者の三原 槙仁(千葉)、そして、下がPTジュネーブ王者Mike Hronという見事にプロツアーチャンピオンに挟まれた形になったのだ。

    とはいえ、北山にとって、Hronは盟友大澤 拓也(神奈川)の仇といってもいい相手。ここはなんとしてもHronに勝利して神奈川勢の、いやチーム蓬の強さを見せつけて起きたいところ。

    大澤に、対Hronの戦略をきいてみた。

    大澤 「スピリン(絆魂能力を付与するエンチャントの俗称)をカットすることと、畏怖で殴らないことですね。」

    予想通りなんの役にも立たないコメントだったが、そんな話はさておいて、北山だけではなく、Hronのピックも追いかけてみることにしよう。

    ■1st Pack

    1st pack 北山 雅也 Mike Hron
    1 Nath of the Gilt-Leaf Flamekin Spitfire
    2 Shapesharer Marsh Flitter
    3 Epic Proportions Smokebraider
    4 Woodland Changeling Gilt-Leaf Ambush
    5 Peppersmoke Lignify
    6 Bog-Strider Ash Gilt-Leaf Ambush
    7 Auntie's Hovel Moonglove Winnower
    8 Kithkin Daggerdare Hurly-Burly

    北山 「出来ればキスキンやりたいんですけどね...最近は何回やっても緑になっちゃうんですよ、なぜか」

    と、ドラフト前に語った北山。その悪い予感が当たったのか否か、ファーストピックは《光り葉のナース》。そのほかの選択肢もHronがピックしている《湿地の飛び回り》ぐらいしか目立ったパワーカードはなく、渋々のピックといった所か。

    北山 「2手目で《姿分け》とったときは、青緑タッチ黒っていう形も考えてたんですけど、3手目で《勇壮な体形》が流れてきたので、これは緑をやれるっていうサインかなって思いましたね」

    その後、パック全体で緑のカードがあまりでないという展開であり、赤タッチも考えて《婆のあばら家》をピックしたぐらいという、かなり厳しいスタートとなった。

    一方のHron。

    Hron 「赤黒は一番好きな色の組み合わせだし、エレメンタルは狙って作れればかなり強いので、初手から赤単気味のエレメンタルでいこうかなと決めたね。エレメンタルは中盤以降でパーツ集められるから安定してる。タッチカラーはこの時点では《湿地の飛び回り》がとれたので、黒の予定だったね」

    という一貫した方針を持っていたHronは、3手目で迷わず《煙束ね》をピック。北山と黒がかぶってしまっている事が気になるものの、さらに上の三原までみても赤は完全にスルーされている形だけに、立ち上がりは上々か。

    ■2nd Pack

    2nd 北山 雅也 Mike Hron
    1 Lys Alana Huntmaster Austere Command
    2 Moonglove Extract Wren's Run Vanquisher
    3 Elvish Branchbender Incandescent Soulstoke
    4 Skeletal Changeling Caterwauling Boggart
    5 Lignify Windbrisk Heights
    6 Bog-Strider Ash Lowland Oaf
    7 Blind-Spot Giant Fire-Belly Changeling
    8 Doran, the Siege Tower Hurly-Burl

    ここで、北山の初手の選択肢となったのは、ピックした《リス・アラナの狩りの達人》以外は、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》と《やっかい児/Pestermite》という青いカード。

    北山 「この時点ではまだ、黒はタッチで使いたかったので、相当悩みましたね。(色拘束的に)《ジェイス・ベレレン》はともかく、《やっかい児》はタッチ青の可能性も残せたので...ただ、《リス・アラナの狩りの達人》はエルフやるときの必須パーツだったので、結局エルフを優先しましたね」

    その後も《レンの地の克服者》《エルフの枝曲げ》とエルフの頭数はそろってきたのだが、なかなか黒のカードが回ってこない。下のHronも黒をやっているのだから当然...と思いきや

    Hron 「2パック目で全く黒が回ってこなかったのはつらかったね。それなりに赤のエレメンタルはそろったんだけど、黒が《コショウ煙》くらいしか...本気で《質素な命令》入れるべきか悩んだよ」

    というように、Hronも下から全く黒が流れてこないという展開。卓全体を見渡しても黒をメインカラーにしているプレイヤーは、北山の上に位置する三原くらいであったことを考えると、卓全体が黒が少なめだったという事だったのだろうか。

    北山 「黒あんまり流してなかったんですけどねー。ただ、8手目で《包囲の搭、ドラン》拾えたのはラッキーでしたね」

    ■3rd Pack

    3rd 北山 雅也 Mike Hron
    1 Timber Protector Eyeblight's Ending
    2 Dauntless Dourbark Inner-Flame Igniter
    3 Vivid Meadow Tarfire
    4 Cloudcrown Oak Flamekin Brawler
    5 Leaf Gilder Soulbright Flamekin
    6 Moonglove Winnower Adder-Staff Boggart
    7 Oakgnarl Warrior Inner-Flame Acolyte
    8 Springleaf Drum Caterwauling Boggar

    Hronはここで待望の黒除去を手に入れる。

    Hron 「正直、《消えざる焼け刃》も欲しかったんだけど、これなら《湿地の飛び回り》も活用できるから、やっとここでタッチカラーを黒に決められたね」

    その後もエレメンタルの必須パーツは集まっていくものの、やはり全体のカードパワーが低い仕上がりだと言わざるを得ないだろう。

    Hron 「今回は失敗だったね(と《炎族の喧嘩屋》を3枚見せる)。2勝する...と言いたいところだけど、たぶん1勝2敗だろうね」

    一方の北山。

    ターニングポイントは、2手目だった。

    北山 「ここで、《霊気撃ち/Aethersnipe》が流れてきたんですよね。まだ《姿分け》もあるしタッチ青の線も考えたんですけど、結局《やっかい児》もとりませんでしたしね。あと、《包囲の搭、ドラン》をとっていたのも大きいですね。タッチするなら白だろうと」

    《戦杖の樫/Battlewand Oak》を流して《鮮烈な草地》をピックした3手目も、やはり《包囲の搭、ドラン》の影響だという。

    北山 「正直、中盤以降でこれだけエルフとれないと、エルフやったメリットが少なすぎましたね...なんとかレアの力で勝てれば...」

    エルフとエレメンタルという、比較的マイナーな種族で、中盤以降のピックに期待をしたものの、結果としてパック運に恵まれず、そろって「ドラフトに失敗した」と語る2人。

    しかし、ドラフトだけでゲームが終わるわけではない。むしろ、実際のマッチはここから始まるのだ。

    果たして、結果はどうなるのか。

     
  • Friday, December 7: 11:11 a.m. – Round 9: 三原 槙仁(千葉) vs. Mike Hron(アメリカ)
    by Daisuke Kawasaki


  • ディフェンディングチャンピオン、三原 槙仁
    Hron:赤黒エレメンタル
    三原:白黒緑ゴブリンキスキン

    Jon Finkel(アメリカ)、Kai Budde(ドイツ)、Carlos Romao(ブラジル)、森 勝洋(大阪)と歴代の世界チャンピオンがフィーチャリングエリアに呼ばれるなか、ついにディフェンディングチャンピオンである、三原 槙仁(千葉)が、テーブルについた。

    対するは、PTジュネーブで、歴史的な《幽体の魔力/Spectral Force》アタックで戴冠したMike Hron。アメリカの外にはあまりでないというHronだが、ここニューヨークの世界選手権にはもちろん姿をあらわしている。

    「赤黒は好きだが、今回のデッキは相当な失敗作」と語るHron。はたして、シーズン2冠にむけて大きな一歩を踏み出す事ができるのか。

    さて、一方の三原。今年就職したことで練習時間が減ったのでは...とも思われたが、先日のPTヴァレンシアでも見事日曜日に進み、その実力を見せつけている。とはいえ、社会人にとって、この4日間にわたる世界選手権への出場は、相当厳しかったのではないか。

    三原 「5.5日間休日とりましたよ、この時期に。実は、今日、リリース日なので、何か問題があったら電話かかってきちゃうんですよね...」

    いわゆる0回戦を相当強引に乗り切ったらしい三原。その勢いで強引に2連覇なるか。

    Game 1

    Hronの2ターン目の《煙束ね/Smokebraider》にたいして、三原が《チューパイくすね/Squeaking Pie Sneak》をキャストするスタート。

    Hronは加速したマナで、《消えざる焼け刃/Ceaseless Searblades》をキャスト。一方の三原も畏怖でアタックをし、《幽霊の変わり身/Ghostly Changeling》で場を固める。Hronは、黒クリーチャーである《湿地の飛び回り/Marsh Flitter》をキャストし、盤面をタイに戻す。

    三原は《幽霊の変わり身》でアタックしつつ、追加の《チューパイくすね》を場に送り込み、着実にクロックを増やしていく。

    しかし、ここでHronは一気に勝負をかける。《煙束ね》のマナから《内炎の見習い/Inner-Flame Acolyte》をキャストし、3/4になった《消えざる焼け刃》とともにアタック。《内炎の見習い》をブロックした《チューパイくすね》に《コショウ煙/Peppersmoke》を使い、三原のプランを崩し、

    三原が待望の《平地》ドローからキャストした《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》も、《消えざる焼け刃》をブロックしたところで再び《コショウ煙》で対処。さらに三原のマナがない隙をついて、《幽霊の変わり身》を《タール火/Tarfire》で除去する。

    一気に場の優位を持って行かれた形の三原だが、しかし、Hronも後続を展開できない。三原が《銛撃ちの狙撃者/Harpoon Sniper》《鳥の変わり身/Avian Changeling》と展開したことで、場は膠着状態となってしまう。

    そして、《銛撃ちの狙撃者》のバックアップで《鳥の変わり身》がじわじわとHronのライフを攻め始める。

    起死回生の《がなりたてるボガート/Caterwauling Boggart》も、三原の防御網を崩すに至らなかった。

    三原 1-0 Hron

    Game 2

    Mike Hron
    Hronの2ターン目の《火腹の変わり身/Fire-Belly Changeling》に対して、三原も《キンズベイルの散兵/Kinsbaile Skirmisher》で対抗。さらに《キスキンの癒し手/Kithkin Healer》が場に出ることで、Hronは一気に厳しい表情に。

    《沼》を残しての《内炎の見習い》こそ、三原のライフを削れたものの、場にはさらに《丘漁りの巨人/Hillcomber Giant》が登場。Hronは、ここに《眼腐りの終焉/Eyeblight's Ending》を打たざるを得ない。

    《白熱の魂炊き/Incandescent Soulstoke》《がなりたてるボガート》とライフを削る体勢を崩さないが、しかし、フルアタック時に《がなりたてるボガート》に《名も無き転置/Nameless Inversion》を打ち込まれた事で、《白熱の魂炊き》を失ってしまう。

    再び場に《銛撃ちの狙撃者》が降臨すると、Hronは、飛行と畏怖でライフを削られるのをただ待つことしか出来なかった。

    三原 2-0 Hron

    三原がマッチに勝利すると、観戦していた三田村 和弥(千葉)が声をかける。

    三田村 「これは、三原さん電話フラグたったんじゃないですか?」

    調子がいいときこそ、緊急帰国の可能性が起こるといういわゆるマーフィーの法則だろうか?

    三原 「いや、実は、明日出発する予定でしか休日とってないんですよね...もしトップ8抜けちゃうと、また会社に電話しなきゃいけないんですよ。」

    なるほど。それは大変ですね。

    三原 「でも、ヴァレンシアの時もそうでしたし、なんか帰らなきゃいけないときこそ勝てるのかもしれませんね。そういうの、あるじゃないですか」

     
  • Friday, December 7: 1:19 p.m. – Round 10: 三田村 和弥(千葉) vs. Patrick Chapin(アメリカ)
    by Keita Mori


  • パトリック・チャピン
    パトリック・チャピン(Patrick Chapin)。ありし日のテンペスト=ブロック構築にて、シークレットテクだった《落とし格子/Portcullis》のことを触れ回ってしまって当時のトッププロたちから顰蹙をかっていた「おしゃべりチャピン」として、おそらくオールドファンにはおなじみの彼である。

    そんな昔話はともかく、今大会における彼は革新的なデッキをスタンダードシーンで開発したデザイナーとして注目されている。是非ご紹介したい。


    Dragonstorm Redux
    Patrick Chapin / Worlds 2007 Standard Deck

    最新型、秘匿バーンの《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》。

    殿堂プレイヤーであるボブ・メイヤー(Bob Maher)や「ポーカー・セレブ」デイヴ・ウィリアムズ(Dave Williams)といったアメリカの古豪たちも思わず一目惚れしてデッキリストをシェアしてもらったという逸話つきの一品である。

    基本セットの入れ替わりによって《煮えたぎる歌/Seething Song》を失ったこともあり、旧来型の《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》はすっかりなりをひそめていた。そんな中で、チャピンはローウィンで新たに加わった秘匿ランド、《背骨岩の小山/Spinerock Knoll》を活用したバーン&ストームタイプとして新たにこのコンボデッキをリメイクしてみせたのだ。ちなみに、日本の都道府県選手権でのデッキリストから着想のヒントを得たと言う噂もあるが、そのあたり真偽のほどは定かではない。

    ここまで8勝2敗と好調なチャピンの前に、プロツアー横浜2007ファイナリストの三田村 和弥(千葉)が立ちはだかる。三田村もまた、スタンダードでの5戦全勝というパフォーマンスがここまでの好調の原動力となっているひとりだ。

    チャピン (Chapin) : 緑多色エルフ&除去
    三田村 : 青白マーフォーク

    Game 1

    ところで、三田村の今回のマーフォークデッキはちょっとした構築デッキのような強さといえる出来栄えである。《狡知/Guile》が2枚、バックアップするカウンターが3枚。デッキの根幹となっているマーフォークも選りすぐりの陣容だ。

    2ターン目の《銀エラの達人/Silvergill Adept》のキャントリップから《深海踏みのメロウ/Deeptread Merrow》につなぐという素晴らしいスタートをきった三田村に対して、チャピンはマナトラブル。三田村の二枚のカウンターと一枚のバウンスによって、あっという間にクロック・パーミッションなビートダウンが達成されてしまったのだった。

    チャピンのドラフトデッキは緑5色、いわゆる5cGの内容となっており、マナがかみ合わない時の悲惨さもまた特筆モノなのである。

    三田村 1-0 チャピン

    Game 2

    三田村 和弥
    またしても2ターン目の《銀エラの達人/Silvergill Adept》からビートを刻みはじめる三田村。まもなく、これに《つっかかり/Lash Out》するチャピン。しかし、ここでチラリとめくれる《狡知/Guile》に苦笑。続く《休賢者/Fallowsage》にも《タール火/Tarfire》をプレイし、なんとか序盤での大幅なライフ損失を食い止めるチャピン。三田村の《深海踏みのメロウ/Deeptread Merrow》とチャピンの《森林の案内/Woodland Guidance》がにらみ合うことになる。

    しかしながら、マナベースという視点からゲームを見ていくと、順調に《狡知/Guile》にアクセスできた三田村に対して、3マナストップのチャピンは実に苦しい。それでも、なんとか《泥棒スプライト/Thieving Sprite》で三田村の手札から1枚土地を捨てさせてみたり、《眼腐りの終焉/Eyeblight's Ending》で《狡知/Guile》を除去してみたり、と必死に抵抗するチャピン。そんな中で、三田村は二匹目の《銀エラの達人/Silvergill Adept》と《銀エラの消し去り/Silvergill Douser》とを盤面に追加し、とうとうダメージレースをスタートする。

    なんとか4マナにアクセスできたチャピンは《清廉潔白な判事/Immaculate Magistrate》を召喚。これを即座に《忘却の輪/Oblivion Ring》する三田村。5マナに到達したチャピンは《雑草の絡めとり/Weed Strangle》を《銀エラの消し去り/Silvergill Douser》に。《妖精の計略/Faerie Trickery》を持っている三田村だが、これを許可。

    ここでシステムクリーチャーを殺したところで、反撃のアタック宣言を行うチャピン。しかし、三田村はここで《三つ目巨人の視線/Triclopean Sight》によるアンタップからのブロックというトリックで狙い撃ちし、さらに後続の《リス・アラナの狩りの達人/Lys Alana Huntmaster》を《妖精の計略/Faerie Trickery》でカウンター。盤面を掌握していく。

    さらに三田村は《墨深みの潜り手/Inkfathom Divers》を召喚し、ライブラリーの上に脅威を整列させ、それらを逐次展開した上で《熟考漂い/Mulldrifter》。この初手級エレメンタルによる追加の2枚ドローを前に、チャピン投了。

    投了後のチャピンはむんずと三田村のデッキを鷲摑みにする。...そして、2枚の《狡知/Guile》を確認すると、「デッキ強すぎるんだけど!」と、ただただ苦笑いしたのだった。

    三田村 2-0 チャピン

     
  • Friday, December 7: 2:22 p.m. – Round 11: Darwin Kastle(アメリカ) vs. Robert Dougherty(アメリカ)
    by Daisuke Kawasaki


  • Darwin Kastle

    Kastle:赤黒ゴブリン
    Dougherty:黒緑ゴブリンツリーフォーク

    昨日のRound 3に続いてフィーチャリングエリアに呼び出されたRobert Dougherty。本年度のZvi Mowshowits(アメリカ)も含めれば、3年連続でマジック殿堂へとプレイヤーを送り込んでいるモンスターチームYMG(Your Move Games)の総帥である。

    デックビルダーとしても類い希な才能を発揮したDougherty。そんなDoughertyにあこがれ「ドハティを目指したい」と浅原 晃(神奈川)が浅原連合の総帥を名乗ったというのは有名なエピソードだ。

    さて、昨日Doughertyと対戦したのは、昨年度殿堂のRaphael Levy(フランス)であったが、今回の対戦相手はDarwin Kastle(アメリカ)。同じく、YMGの中核メンバーであったとともに、総帥であるDoughertyより先にマジック殿堂入りを果たしている、「強かった時代のアメリカ」の象徴のようなプレイヤーである。

    ある程度よりもキャリアの長いプレイヤーにとっては夢のようなこの対戦。10年前であれば毎日のように行われていたであろうマッチアップが、今、現代によみがえる。

    Game 1

    後手のKastleがマリガンするスタート。だが、ファーストアクションはそのKastle。《マムシ杖のボガート/Adder-Staff Boggart》をキャストする。この激突は、《山/Mountain》対《湿地の飛び回り/Marsh Flitter》でKastleの負け。そのため、続くターンにDoughertyのキャストした《戦杖の樫/Battlewand Oak》を超えられない。

    サイズでかなわなければ数だとばかりに、Kastleは《顔投げ/Facevaulter》《炎族の火吐き/Flamekin Spitfire》を場に展開。しかし、数でもまた、先ほどめくられた《湿地の飛び回り/Marsh Flitter》によって上回れてしまう。

    それでもなんとか《炎族の火吐き》の能力でゆっくりと優位をとりにいくプランを築くが、しかし《最後のお祭り騒ぎ/Final Revels》でリセットされる。

    《骸骨の変わり身/Skeletal Changeling》をキャストした上で《泥棒スプライト/Thieving Sprite》。Doughertyの3枚の手札のうち2枚をみると《黒ポプラのシャーマン/Black Poplar Shaman》と《茨歯の魔女/Thorntooth Witch》。《茨歯の魔女》をディスカードさせて、Doughertyのターン。

    隠されていたカードは、2枚目の《湿地の飛び回り》。

    これによって、完全に制空権をとられてしまった上に、《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》によって《不屈の頑固皮/Dauntless Dourbark》が導かれると、トランプルを防ぎきれないKastleは土地を片付けた。

    Dougherty 1-0 Kastle

    Game 2

    Robert Dougherty
    サイドボード中も常に談笑をしている2人だが、Doughertyが「もう一度シャッフルをしたい」といったことで、微妙に張り詰めた空気に。Doughertyの主張が通り、双方もう一度ずつシャッフルすることとなる。

    そして、先手のKastleは...マリガン。「シャッフルしてなければマリガンじゃなかったんだよ」とDoughertyを攻めるが、後手のDoughertyがマリガンしたとたんに大きな声で笑い出す。

    Kastle 「どうやら、俺の流れのようだね。」

    またも、2ターン目に《マムシ杖のボガート/Adder-Staff Boggart》をキャストするKastle。今度の激突は勝利。そして、2体目をキャスト。ここでも勝利したKastleは3ターン目にして3/2が2体という大軍勢を手に入れる。

    Doughertyも対抗策として《ボガートの先触れ/Boggart Harbinger》から《スズメバチ騒がせ/Hornet Harasser》をサーチして対抗をはかるが、Kastleは《がなりたてるボガート/Caterwauling Boggart》で一気に勝負を決めにかかる。さらに、《巨人の先触れ/Giant Harbinger》で《名も無き転置/Nameless Inversion》をサーチし、盤石の体勢。

    Doughertyも、《スズメバチ騒がせ》を《有象無象の発射/Fodder Launch》で生け贄に捧げ、2:1交換をするが、悪あがきにすぎなかった。

    Dougherty 1-1 Kastle

    Game 3

    そして、今度はDoughertyだけがマリガン。

    相変わらずKastleのファーストアクションは《マムシ杖のボガート》。この激突には敗北し、またも3ターン目のツリーフォーク、今度は《黒ポプラのシャーマン》を超えられない。

    しかし、そんなの関係ないとばかりに《蜘蛛カツラのボガート/Spiderwig Boggart》で畏怖を与えてアタック...と思いきや《黒ポプラのシャーマン》が黒い事に気がついて、一度レッドゾーンにのばした手を引っ込める。

    手には《つっかかり/Lash Out》を握っているものの、さらに《骸骨の変わり身/Skeletal Changeling》まで現れて、Kastleは自身のミスを嘆いた様子。だが、手札に握っているのは《つっかかり》だけではなかった。

    《ボガートの汁婆/Wort, Boggart Auntie》。

    これに対処しなければならないDoughertyは、《ボガートの先触れ/Boggart Harbinger》で《有象無象の発射/Fodder Launch》をサーチ。しかし、この《ボガートの先触れ》は当然《つっかかり》で除去されてしまう。

    絶体絶命のDougherty。

    そして、《黒ポプラのシャーマン》が除去されると、Doughertyは頭を抱えた。

    除去したスペルは、《名も無き転置/Nameless Inversion》。

    Dougherty 1-2 Kastle

    試合の内容に満足行かなかったのか、デックの内容をKastleに解説し始めるDougherty。そして、それにケチをつけるKastle。

    このような研鑽の日々が過去のアメリカで行われていたのだろうか。

    誰もいなくなった後のフィーチャリングエリアでいつまでも2人の声が響き渡った。

     
  • Friday, December 7: 3:45 p.m. – 日本勢総括: ドラフトを終えてレガシーへ
    by Keita Mori


  • Standings Name Pts Day 1   Day 2    
          Standard Draft 1 Draft 2 Legacy Deck Legacy Designer
    2 中野 圭貴 30 15 9 6 Two-land-belcher 森田 雅彦
    5 三田村 和弥 27 15 6 6 Mono-U BTB 三田村 和弥
    7 大塚 高太郎 27 12 6 9 Two-land-belcher 大塚 高太郎
    9 金子 真実 27 9 9 9 UGR Threshold 金子 真実
    10 森 勝洋 25 15 7 3 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    14 三原 槙仁 24 12 6 6 CAL 三原 槙仁
    53 廣澤 遊太 21 12 6 3 Cephalid Breakfast Internet Deck
    55 齋藤 友晴 21 9 9 3 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    59 津村 健志 21 9 6 6 Cephalid Breakfast Internet Deck
    62 高橋 優太 21 9 3 9 Cephalid Breakfast 高橋 優太
    63 北山 雅也 21 12 6 3 One-land-belcher 佐々木 将人
    81 小室 修 21 9 3 9 Cephalid Breakfast Internet Deck
    86 渡辺 雄也 21 6 9 6 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    91 鍛冶 友浩 21 9 6 6 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    93 森田 雅彦 21 6 6 9 Doran Internet Deck
    99 浅原 晃 21 3 9 9 One-land-belcher 佐々木 将人
    108 藤田 修 19 10 6 3 Mono-W Stacks 藤田 剛史
    111 樽 元気 19 6 9 4 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    123 有田 隆一 18 9 3 6 UGR Threshold Internet Deck
    132 中田 直樹 18 9 6 3 Goblins
    143 中村 修平 18 6 9 3 Dredge 中村 修平
    149 秋山 貴志 18 9 3 6 Mono-U BTB 三田村 和弥
    203 大礒 正嗣 15 9 6 0 Two-land-belcher 大礒 正嗣
    217 佐藤 嶺 15 9 3 3 Cephalid Breakfast Internet Deck
    244 大澤 拓也 15 6 3 6 Mono-W Stacks 藤田 剛史
    253 八十岡 翔太 15 3 9 3 UGB Threshold 八十岡 翔太
    途中棄権 小倉 陵 12 0
    途中棄権 栗原 伸豪 3 6
    途中棄権 藤田 剛史 6 3
    途中棄権 中島 主税 9 0
    途中棄権 池田 剛 3 0  

    二つのフォーマットを終えた今、日本勢各位もまさしく悲喜こもごも。むなしく散っていった途中棄権組がでてしまっている反面で、ドラフト6連勝から意気揚々とレガシーに挑むことになった金子 真実(神奈川)や浅原 晃(神奈川)の姿もある。ちなみに、金子がドラフトしたのは白青マーフォークと白緑キスキン、浅原は二回ともツリーフォークという部族アーキタイプだった。

    暫定ながら、残すところ5回戦の現時点でベスト16という素晴らしいポジションにつけているのが6名。森 勝洋(大阪)と三原 槙仁(千葉)という二人の世界王者の名前が挙がるわけだが、このあたり、やはり勝ち方を知っている強みであろうか。急浮上してきた元日本王者の大塚 高太郎(神奈川)、GPフィレンツェ王者の金子 真実(神奈川)といったあたりも要注目だ。中野 圭貴(大阪)と三田村 和弥(千葉)もスタンダード全勝のアドバンテージをしっかりといかして上位に踏みとどまっている。

    そして、予選ラウンド最終フォーマットのレガシーへ。

    いわゆる「パワーナイン」などの使えるヴィンテージほどではないものの、そのヴィンテージのカードプールにいくらかの制限を加えたという程度の、実に広大な世界がそこに広がっているのがレガシー。日本では、草の根でいくつかの大会があったり、グランプリのサイドイベントがあったりという程度のもので、ほとんど未知の世界といって過言ではないだろう。

    そういった状況を考えると、インターネットの情報をもとにしたコピーデッキをそのまま持ち込むしかなかったプレイヤーが多かったのも致し方ないところだろう。エクステンデッドを席巻した「セファリッド・ブレックファスト」デッキのレガシー版をそのままプレイすることにしたプレイヤーや、土地を極端にしぼった超高速《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》デッキを自分なりにチューンした、といったプレイヤーが多数。

    そんな中、三原 槙仁は自分の銘の入ったアーキタイプである「CAL」をレガシー仕様にしあげており、齋藤 友晴(東京)も多数の手札破壊呪文をパッケージしたオリジナルのデッキを仕上げている。

    また、残念ながら途中棄権となってしまった殿堂プレイヤーの藤田 剛史は、白単色スタックスデッキを大澤 拓也(神奈川)と藤田 修(京都)に託している。

    はたして、栄光の決勝ラウンドには何人が勝ち残れるだろうか!?
    そして、Player of The Yearレースの行方は!?

     
  • Friday, December 7: 3:33 p.m. – Round 12: 金子 真実(埼玉) vs. 三田村 和弥(千葉)
    by Daisuke Kawasaki


  • 金子:青緑タッチ赤スレッショルド
    三田村:青単《基本に帰れ/Back to Basics

    三田村 和弥
    9勝2敗で快進撃を続ける三田村 和弥(千葉)の前に立ちはだかるのは、「四天王筆頭」こと金子 真実(埼玉)。

    金子と言えば、PTサンディエゴでのトップ4入賞に続いて、GPフィレンツェでの優勝とのりに載っているプレイヤーである。そのフィレンツェの時に使用したデックが、時のらせん限定構築の青緑《タルモゴイフ》ビートダウンであった。

    そのげんを担いでか否か、今回金子が選択したデックは、青緑スレッショルド。青の計量ドロースペルでライブラリーを掘り進みつつ、墓地を肥やして《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》や《熊人間/Werebear》といったスレッショルドのクリーチャーでビートダウンするいわゆるクロック-パーミッションだ。

    墓地対策に弱かったこのデックを、再びトーナメントレベルに押し上げたのが、くだんの《タルモゴイフ》だったというわけだ。ちなみに、さらに1色タッチするのが通例となっており、金子の場合は、火力を追加できる赤をタッチしている。

    一方の三田村の使用するデックは、青単のフルパーミッション。デュアルランドを始め特殊地形だらけのレガシーでは圧倒的な威力を発揮する《基本に帰れ/Back to Basics》と《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》の2大パワーカードを軸に、カウンターとドローという由緒正しい形のパーミッションだ。

    ちなみに、三田村のデックでは、ドローサポートとして《祖先の幻視/Ancestral Vision》が採用されている。

    ともに今期好調な2人。とはいえ、やはり歴史の浅い日本にとってレガシーは鬼門なようで、2人もあまり練習を積むことが出来なかったと語る。三田村は「はやくレガシーをくぐり抜けてスタンダードに戻りたい」という。
    栄光の日曜日にスタンダードで対戦できるのか。

    Game 1

    先手は金子。

    《汚染された三角州/Polluted Delta》から《Tropical Island》をサーチして《敏捷なマングース》という、スレッショルドらしい立ち上がり。

    一方の三田村は、《島》をセットする静かな立ち上がり。金子の2ターン目の《熊人間》は《呪文嵌め/Spell Snare》して、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》をキャストと、落ち着いた対応を見せる。

    続く《タルモゴイフ》もカウンターされ、なかなか脅威を展開出来ない金子。一方の三田村は《渦まく知識/Brainstorm》とフェッチランドで手札を充実させる。

    《留意/Mental Note》でスレッショルドを達成するものの、結局《敏捷なマングース》は《仕組まれた爆薬》の餌食となる定め。そして、《熊人間》が《Force of Will》され、金子がタップアウトした隙に三田村の必殺《基本に帰れ》。さながら三田村から金子へのメッセージのようだ。

    特殊地形しかない金子にとって致命的なこのスペル。さすがに《Force of Will》でカウンターする。三田村はこれをカウンターできない。そう、実は三田村も厳しいのだ。土地が少しとまり気味な上に、金子が三田村の想像よりも多めにクリーチャーを入れていたため、対処が追いつかない。《仕組まれた爆薬》を起動するマナが残らない。

    そして、ついに金子の《タルモゴイフ》が場に登場する。金子と言えば、樽 元気(神奈川)か《タルモゴイフ》かというくらいに相性のいいクリーチャーである。三田村は2体でのビートダウンを《謎めいた命令/Cryptic Command》で何とか耐えしのぐ。だが、ゆっくりとでも確実に三田村のライフは減っていく。

    結局、《仕組まれた爆薬》を起動する余裕が出来た頃には、ライフの余裕がなくなっていたのだった。

    金子 1-0 三田村

    Game 2

    金子 真実
    土地が切り詰められている金子のデック。金子は、土地のない初手が続きダブルマリガンでのスタートとなる。それをみて、三田村は土地1枚のハンドをキープする。

    三田村は、1ターン目にデックのアイデンティティともいえる《祖先の幻視/Ancestral Vision》を待機。一方の金子も、《敏捷なマングース》をプレイする。

    そして、三田村のターン。三田村のキャストする《渦まく知識》に対して《目くらまし/Daze》を打ち込む金子。

    三田村 「土地がないんだよね...金子さんが厳しいハンドキープしたっぽかったから...」

    これに対して金子は「わかりますわかります」と金子節で応対する。1ランドキープの三田村はこの《渦まく知識》は絶対に通さなければいけないスペル。《Force of Will》を強引にねじ込む。金子は「仕方ないですね」とまたも金子節。

    だが、ドローした3枚には土地の姿はない。

    三田村 「しまったなぁ...」

    何とか2枚目の《渦まく知識》で《島》は手に入れたものの、頼みの綱だった《対抗呪文/Counterspell》のバックアップつきの《祖先の幻視》は、《もみ消し/Stifle》と《呪文嵌め》でカウンターされてしまう。

    なんとか《仕組まれた爆薬》で《敏捷なマングース》は対処し続ける三田村だったが、カウンターをすり抜けた《熊人間》がじわじわ、というには急激なスピードで三田村のライフを削り続ける。

    だが、三田村にも策がなかったわけではない。

    手札に控えるは、青い悪魔こと《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》。あとは、5枚目の土地さえ手に入れば。そんな三田村の願いむなしく《熊人間》がライフを削り続ける。

    そして、次のターンのアタックで三田村のライフがなくなるとき...ついに三田村のライブラリートップから《島》が。場に《曇り鏡のメロク》をたたきつける三田村。

    金子がにやりと笑う。

    手札からこぼれ落ちる《紅蓮破/Pyroblast》。これも、赤をタッチした場合の強み。

    金子 2-0 三田村

    Masami Kaneko
    Threshold / Worlds 2007 Legacy Deck


    Kazuya Mitamura
    BTB / Worlds 2007 Legacy Deck


     
  • Friday, December 7: 4:44 p.m. – Round 13: 三田村 和弥(千葉) vs. Guillaume Wafo-tapa(フランス)
    by Daisuke Kawasaki


  • Guillaume Wafo-Tapa
    昨年のPTチャールストンでのチーム戦トップ4はあったものの、現在の三田村 和弥(千葉)の名声を確固たるものとしたのは、やはり今年のPT横浜での準優勝だろう。

    斎藤 友晴(東京)との対戦を制し、決勝に駒を進めた三田村の前に立ちはだかったのがGuillaume Wafo-tapa(フランス)だった。当時すでにビルダーとしての名声は確立していたWafo-tapaだったが、この決勝での勝利によって、プレイヤーとしても一流であることを証明してみせた。

    そして、この世界選手権の「連勝縛り」ラインで、再び両雄が相まみえる。

    「Wafo-tapaなら青系のデック」といわれるほどに、いわゆる「青キャラ」を確立しているWafo-tapa。青系のデックが勝ち組となったPT横浜を制したのもやはり、青黒《神秘の指導/Mystical Teachings》コントロールであった。

    レガシー経験がどうしても少ない日本のプレイヤー達。海外プレイヤー達のデックチョイスやシークレットテックを夢想していたプレイヤーも多かった。しかし、ほとんどのプレイヤーが確信を持っていえることがあった。

    「Wafo-tapaだけは青系のはずだ」

    三田村のデックは、Round 12でも伝えたように、青単《基本に帰れ》。PT神戸同様、青系デック同士の対決となるか。そして、三田村はPT神戸のリベンジなるのか。

    Game 1

    先手の三田村はマリガン。そして1ターン目に《祖先の幻視/Ancestral Vision》を待機。

    対するWafo-tapaは《古えの墳墓/Ancient Tomb》からの《虚空の杯/Chalice of the Void》をX=1でキャストというスタート。そして、2ターン目にWafo-tapaがセットした土地は...《山》。

    これには三田村も不思議な表情で「わかんない...」と一言つぶやく。

    そして、《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》リムーブから《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》をキャスト。続くターンにも、《煮えたぎる歌/Seething Song》でのマナ加速から《弧炎撒き/Arc-Slogger》をキャストする。

    圧倒的な展開を前にどうにかしなければいけないものの、どうにも出来ない三田村は、とりあえず《基本に帰れ》をキャスト。

    だが、やはり、どうにもならないものはどうにもならないのだった。

    三田村 「びっくりしたよ。青対決だと思ってマリガンしたのに...」

    Wafo-tapa 1-0 三田村

    Wafo-tapa:赤単《弧炎撒き》ストンピー
    三田村:青単《基本に帰れ/Back to Basics

    三田村 和弥
    さて、Wafo-tapaのデックが判明したところで、簡単にデックの解説をしたいと思う。Wafo-tapaのデックはいわゆるストンピー系のデックの赤単バージョンである。

    「ストンピー」というと、斎藤の顔が思い浮かぶが、レガシーでストンピーといった場合、《古えの墳墓》《裏切り者の都/City of Traitors》という2種類の2マナランドを使用したビートダウンを指す。

    マナ拘束の少ないクリーチャーを、《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》に代表される装備品でバックアップするのが基本的な戦略。だが、その神髄は、1ターン目の《虚空の杯》にある。低マナであるほど優秀と言われるレガシーにおいては、1ターン目から1マナのスペルがシャットダウンされてしまうことで機能不全となるデックも少なくないのだ。たとえば、Round 12で金子 真実(埼玉)が使用していたスレッショルドなどがその典型だろうか。

    もともとは、青単の《海のドレイク/Sea Drake》を使用する「フェアリーストンピー」が原型だが、続いて《賛美されし天使/Exalted Angel》を使用する白単色の「エンジェルストンピー」が派生。そして、赤単ストンピーも登場したというわけだ。ちなみに、このデックが最初に登場したのは、なんと日本だという。

    なお、このタイプは多くの場合《巣穴からの総出/Empty the Warrens》を採用するため、Empty the Sloggerと呼ばれることも多いが、Wafo-tapaのデックには未済用のため、単純に赤単《弧炎撒き》ストンピーと呼称させていただく。

    さて、ここで、デックチェックがはいり、双方しばらく待機となる。

    レガシーのゲームスピードは非常に早いため、この時点でゲームを終了したプレイヤー達がぞくぞくとフィーチャリングエリアに集まってきた。そして、Wafo-tapaのデックをきいて、口々に「No Blue?」と尋ねるのだった。

    Wafo-tapaが青を使わないというのは、世界規模での事件なのだろう。

    Game 2

    マリガンからスタートのWafo-tapa。

    だが、2ターン目にいきなりのビックアクションを起こす。セット《裏切り者の都/City of Traitors》から、《煮えたぎる歌》。そして、《金属モックス/Chrome Mox》でさらにマナを加速しての《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》。

    無情にもこのビックアクションは、一枚の《対抗呪文/Counterspell》で台無しとなるが。Wafo-tapaはさらに、《梅澤の十手》を追加。そして、変異を場に送り出し、《梅澤の十手》を装備させる。

    この変異が《ギャサンの略奪者/Gathan Raiders》。すでに暴勇の条件を達成しているWafo-tapa。これが一気に三田村のライフを責め立てる。《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》でクリーチャーを処理する予定であった三田村は、一気に対抗策を失う事となる。

    だが、ぎりぎりで、《梅澤の十手》のカウンターを使用されても、ドロー直後であれば《ギャサンの略奪者》を奪える土地の枚数、つまり7枚土地が並ぶまで生き延びた。三田村は、Wafo-tapaのドロー直後に、《ヴィダルケンの枷》の能力起動を宣言する。対応するようにWafo-tapaも能力起動を宣言する。

    使用したカードは...《猿人の指導霊》。

    Wafo-tapa 2-0 三田村

    「青を制するものは赤を制する」とは八十岡 翔太(神奈川)の格言だが、赤単を華麗にあやつるWafo-tapaの前に、三田村はまたも屈する結果となった。

    Kazuya Mitamura
    BTB / Worlds 2007 Legacy Deck


    Guillaume Wafo-Tapa
    Dragon Stompy / Worlds 2007 Legacy Deck


     
  • Friday, December 7: 5:45 p.m. – Round 14: Gabriel Nassif(フランス) vs. Patrick Chapin(アメリカ)
    by Keita Mori


  • ナシフ(Nassif):青緑白黒ランドスティル
    チャピン(Chapin):青緑白黒スレッショルド

    パトリック・チャピン
    先ほどのドラフトでも登場してもらったパトリック・チャピン(Patrick Chapin)と、かつてのPlayer of The Yearであるところのゲイブリエル・ナシフ(Gabriel Nassif)がレガシーで対決することとなった。

    2005年日本王者に輝いた森 勝洋のStructure and Force(デザインは鍛冶 友浩)以来、さまざまな構築フォーマットで用いられるようになったコンボが《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》、《相殺/Counterbalance》、《闇の腹心/Dark Confidant》だ。そして、レガシーではおなじみのデッキであるスレッショルドデッキにこのコンボを組み合わせるというチューニングを行ったのがチャピンである。ちなみに、フェッチランドとデュアルランドの競演により、たいていの無茶はなんとかなってしまうのがレガシーの懐の深いところである。

    この世界選手権のスタンダードのために秘匿バーン型の最新式《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》を仕上げてきたのがチャピンだということは既報の通り。はたして、彼は、レガシーでもデッキ製作者としての名声を高めることができるだろうか?

    対するナシフが使用するのは、「ランドスティル」と呼ばれるこのフォーマットを代表するコンボを内包したコントロール。「ランド」の部分は《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》で《不毛の大地/Wasteland》やフェッチランドといった強力な特殊地形を再利用し続けるシステムのことで、「スティル」は《行き詰まり/Standstill》だ。

    すなわち、相手を追い詰め、「なんとか打開策を」と思っているところに文字通りの《行き詰まり》をプレイしてさらに苦しめてやろうという、ちょっとサディスティックな感じのコントロールデッキなのである。

    Game 1

    《破滅的な行為/Pernicious Deed》、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》、《Force of Will》といった一流の阻害手段でチャピンのダメージクロックを丁寧につぶしていくナシフ。

    ここで、《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》をおいた上で、特殊地形満載の...というかデュアルランドしかみあたらないチャピンのマナベースめがけて《不毛の大地/Wasteland》がぐるぐるとまわりはじめる。

    そんな状況下でナシフがプレイしたのが《嘘か真か/Fact or Fiction》。ここでめくれたカードを見ながら、苦笑交じりにチャピンは5枚と0枚の二つの山に分けた。当然、ナシフは5枚のカードを手札に加えようとするのだが、そのときすでにチャピンはサイドボーディングをスタートしていたのだった。

    ナシフ 1-0 チャピン

    Game 2

    ゲイブリエル・ナシフ
    Tropical Island》から《思案/Ponder》、続くターンにフェッチランド《汚染された三角州/Polluted Delta》起動から《相殺/Counterbalance》を置くチャピン。ナシフも《渦まく知識/Brainstorm》で《Force of Will》を探しにいくものの、見つからず。かくて、2ターン目の《相殺》を成就させたチャピンである。

    ここですばやく《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》にアクセスできればかなり優位にゲームを展開できそうなチャピンだったが......結論からいうと、彼はこの第2ゲームを通じて一枚も《師範の占い独楽》を拝むことはできないのだった。

    対照的に、ナシフが「きっとカウンターされないハズ!」と、思い切りよくタップアウトで《行き詰まり/Standstill》をプレイしてみると、チャピンの山札からは土地がめくれるというラッキーな有様。

    相殺と行き詰まり。

    文字面からして重苦しい二枚のエンチャントがお互いの場でにらみをきかせたため、自然とゲームはスローダウンしていった。お互いが淡々と土地をならべること数ターン。そして、ナチュラルなドローで《不毛の大地/Wasteland》を引き当てたナシフは、チャピンのマナベースを攻撃しはじめる。

    苦しい表情を浮かべながら、土地を割られたチャピンは《渦まく知識/Brainstorm》をプレイした。フェッチランドが標準搭載されているレガシー環境下で、この1マナ呪文がおそるべき強さをもっていることに疑いの余地は無い。しかし、ここで《行き詰まり/Standstill》が効果を発動することによってライバルのナシフが手にするのは...より生々しい、《Ancestral Recall》級の3枚ドローである。

    ここでのドローによって《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》へとアクセスできたナシフは、第1ゲームを決めた悪夢のコンボをスタートさせた。

    もちろん、チャピンも必死に食い下がる。なんとか《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》でのビートダウンをスタートさせつつ、マナベースを完全崩壊させられてしまう前に《世界のるつぼ》を破壊することに成功。

    しかし、間もなくナシフは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を手にして地上戦線をストップさせ、さらに《嘘か真か》から2枚目の《世界のるつぼ》獲得に成功する。そして、このインスタント呪文がふたたびチャピンの投了の呼び水となった。

    ナシフ 2-0 チャピン

    Gabriel Nassif
    Land Still / Worlds 2007 Legacy Deck


    Patrick Chapin
    Counterbalance Threshold / Worlds 2007 Legacy Deck


     
  • Friday, December 7: 7:06 p.m. – Round 15: 2人の天才
    by Daisuke Kawasaki


  • プロツアー名古屋王者、小室 修
    ついに、残すところ2回戦。

    もちろん、Player of The Yearや、来年のプロレベルのかかった戦いももちろん繰り広げられているが、やはり注目はトップ8争いのかかったマッチアップだろう。

    というわけで、ここでは残り2勝すればTop 8は確定なものの、1敗も許されないマッチアップのなかから、「帝王」森 勝洋(大阪)のマッチアップをお送り...しようと思ったのだが、ここでデックチェックが入る。

    デックチェックを待つ間、隣の小室 修(東京)の華麗な美技に酔いしれよう。

    ■小室 修(東京) vs. Antonino De Rosa(アメリカ)

    小室:セファリッドブレックファースト
    De Rosa:ランドスティル

    本日破竹の6連勝中の「華麗なる天才」小室 修。それまで自称「日本チームのリーダー」だったが、この連勝で日本チームでの勝ち頭となり、名実ともにリーダーとしてチームを牽引し始めている。

    そんな小室を打ち破るべく、立ちはだかるのは2005年アメリカ王者のAntonino De Rosa(アメリカ)。使用するデックは、今大会での海外勢が多く使用しているランドスティルである。

    一方の小室の使用デックは、日本人がもっとも多く選択したコンボデックであるセファリッドブレックファースト。コー族のクリーチャーの持つダメージ移し替え能力が、マナがかからずに対象をとれる事を悪用し、《セファリッドの幻術師》の能力でライブラリーをすべて墓地に送り込むことを目的とした瞬殺系のコンボデックである。

    Game 1

    1ターン目に《思案/Ponder》でライブラリートップを確認し、中身のわからないDe Rosaのデックに対して《Force of Will》を構える小室。そんなDe Rosaのファーストアクションは、《不毛の大地/Wasteland》での土地破壊。

    小室は動じず、《コーの遊牧民》をキャスト。手札にはすでに《セファリッドの幻術師》がいる。

    すでに観念したのかDe Rosaは土地をおかずにターンエンド。

    小室は、《セファリッドの幻術師》をキャスト。ここからは華麗なるコンボタイムのスタートである。

    まずは、《コーの遊牧民》の能力を《セファリッドの幻術師》を対象に起動。これを複数回繰り返すことで、小室のライブラリーはどんどんと削られていく。そして、その過程でばに登場する《ナルコメーバ/Narcomoeba》達。

    そして、完全にライブラリーが削り着られたところで、小室は《陰謀団式療法/Cabal Therapy》のフラッシュバックで華麗に《Force of Will》を宣言。手札に《Force of Will》を構えていたDe Rosaは、小室の墓地に《戦慄の復活/Dread Return》《縫合グール/Sutured Ghoul》《ドラゴンの息/Dragon Breath》とそろっていることを確認すると、華麗なる終演をみるまでもなく、土地を片付けた。

    小室 1-0 De Rosa

    Game 2

    今度は、1ターン目に《コーの遊牧民》をキャストする小室。これは《恐ろしい死/Ghastly Demise》で除去されてしまう。

    だが、小室は、2枚目の《コーの遊牧民》をキャストするが、ここでDe Rosaは《仕組まれた疫病/Engineered Plague》をキャストする。《Force of Will》によるカウンター合戦の後、De Rosaは、セファリッドを宣言する。

    非常に厳しい状態に追い込まれた小室。とりあえず《思考囲い/Thoughtseize》をキャストする。しかし、De Rosaの手札は土地が2枚。

    直後にDe Rosaはライブラリートップから2枚目の《仕組まれた疫病》をキャストする。すでに《タルモゴイフ/Tarmogoyf》でのビートダウンしか勝ち手段の残らない小室は、《Force of Will》を抱えながらも、これをスルー。

    しかし、De Rosaの場に続々と並ぶ《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》は、小室に《タルモゴイフ》にアクセスする時間すら与えなかったのだった。

    小室 1-1 De Rosa

    Game 3

    De Rosaのマリガンからスタート。

    そして、小室のキープ宣言を確認すると、土地をおこうとする小室を制して、De Rosaはパーマネントを場に。

    《虚空の力線/Leyline of the Void

    小室は、《霊気の薬瓶/AEther Vial》をキャストし、《陰謀団式療法/Cabal Therapy》。ここで長考をするDe Rosa。結局《対抗呪文/Counterspell》でカウンターする。

    小室もお返しとばかりに2連続の《仕組まれた疫病》を2連続の《Force of Will》でカウンターする。

    《タルモゴイフ》は《剣を鍬に/Swords to Plowshares》で除去されてしまい、逆に《タルモゴイフ》で殴り始められる始末。

    だが、小室には逆転の策があった。カードを引くのをただただ華麗に待つ。

    そのカードは《残響する真実/Echoing Truth》。

    そして、コンボパーツと《Force of Will》が手札にそろったところで、小室はついに「真実」へとたどり着いたのだった。

    小室 2-1 De Rosa

    小室が華麗なる7連勝を決める横で、ついに森のマッチが開始される。

    ■森 勝洋(大阪) vs. Elisha Amir(イスラエル)

    森:黒青白Tomb Stompy
    Amir:青黒白緑Structure & Force

    2005年度世界王者、森 勝洋
    森の使用するデックは、斎藤 友晴(東京)の自信作であるTomb Stompy。フェッチランドでライブラリー操作をしつつ墓地を肥やし、《墓忍び/Tombstalker》をフィニッシャーに据えている。対抗手段は大量の手札破壊でたたき落とすことで、コンボデックへの耐性も高めている。《悟りの教示者/Enlightened Tutor》《粗石の魔道士/Trinket Mage》でのサーチシステムでの柔軟な対応も、また魅力である。

    対するElisha Amir(イスラエル)のデックは、《師範の占い独楽》と《相殺/Counterbalance》を中核に据えたコントロールデック。Round 14でもこのコンボをスレッショルドに組み込んだデックを紹介したが、このデックはよりコントロールよりである。

    そう、まさに2006年の日本選手権で森が使用したStructure&Forceに近いデザインであるといえるだろう。

    Structure&Forceといえば、森がもっとも得意とするデックタイプ。「この対決はさすがに負けられないね」と森も気配をいれる。

    Game 1

    序盤は、お互いに《渦まく知識》を打ち合いながらフェッチランドを起動して手札を整理。そして、Amirの《闇の腹心/Dark Confidant》を、森が《仕組まれた疫病》で除去するという緩やかな展開。

    しかし、Amirが《師範の占い独楽》を、そして《相殺》を場に送り出したことによって一気に緊張が走る。

    この時点で森はフィニッシャーである《墓忍び》をすでにドローしているのだが、安全確認が出来ないままにはキャストが出来ない。そして、手札にある「安全確認のための」《思考囲い》は、完全な紙くずとなってしまっているのだ。

    Amirは続いて《ヨツンの兵卒/Jotun Grunt》を場に投入、これによって森の残り時間が激しく制限されてしまった。森は《師範の占い独楽》とフェッチランドを駆使して、必死にライブラリーを掘り進め、ついに《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》へとたどり着く。

    森は4枚の土地から青マナと黒マナを2マナずつ生み出して《仕組まれた爆薬》をキャスト。こうすれば、総マナコストは4マナとなり《相殺》をくぐり抜け、乗せられるカウンターは(色マナは2種類なので)2つなので《相殺》を破壊できるのだ。だが、この森の希望を、Amirは《Force of Will》で打ち砕き、完全な防御を見せる。

    もはや絶対絶命である。しかし、この席に座っているのが森 勝洋であれば話は違う。

    《瓶詰めの回廊/Bottled Cloister》を場に展開すると、すでに手札を消耗しきったAmirに《墓忍び》を。これは当然《剣を鍬に》で除去されるのだが、森は有り余るドローを背景に、2体目の《墓忍び》をキャストする。

    この探査によって、森の墓地はゼロになり、Amirは《ヨツンの兵卒》を維持できない。

    今度は、Amirが必死でライブラリーを掘り進める番だ。先ほどの森同様に、フェッチランドと《師範の占い独楽》を駆使し、《思案》をうってはシャッフルを繰り返す。だが、掘れども掘れども、ライブラリーのトップはカウンターばかり。今必要なのは、カウンターではなく除去なのだ。

    そして、ライフが4となったターン。ドローの後にめくった最後の1枚が念願の《剣を鍬に》。《師範の占い独楽》の能力を起動し、何とか《墓忍び》を除去する。

    しかし、その代償として、《師範の占い独楽》がライブラリーのトップへと。この隙に森は《Hymn to Tourach》を連打。Amirは、手札の2枚の《Force of Will》を失うこととなってしまう。

    続くターンには、またも《師範の占い独楽》《相殺》を確立するのだが、再びの4マナしつつの《仕組まれた爆薬》で根こそぎ体勢を崩壊させられてしまう。

    《タルモゴイフ》で森のライフを削るプランへ移行するAmirだが、森は《悟りの教示者》で《呪われた巻物/Cursed Scroll》をライブラリートップへ。すでに《墓忍び》でライフを4まで削られてしまっているAmirにとっては、このサーチが決定打となってしまった。

    森 1-0 Amir

    Game 2

    Amir Elysha
    森の1ターン目の《真髄の針/Pithing Needle》は《目くらまし/Daze》で退けるAmir。そして、《闇の腹心》を場に送り込む。しかし、これはGame 1と同じく《仕組まれた疫病》で除去されてしまう。

    《相殺》を場に送り込むものの、《粗石の魔道士》で《仕組まれた爆薬》をサーチされ、いつも通りに4マナでキャストされてしまう。

    《強迫》に対応しての《クローサの掌握/Krosan Grip》で《仕組まれた疫病》は除去し、手札の2枚の《闇の腹心》と《ヨツンの兵卒》を晒すAmir。安全確認の後に《墓忍び》を場に送り出す。

    《師範の占い独楽》をドローし、解決策を見つけるために2体の《闇の腹心》を場に送り込んだAmirだった。が、森は2体目の《墓忍び》を追加する。

    フェッチランドと《師範の占い独楽》を駆使し、《思案》を連打しても、この黒い悪魔に対処する方法はなかった。

    森 2-0 Amir

    森 勝洋。自身3度目の世界選手権Top 8への望みを、Round 16へとつなぐ。


    Shu Komuro
    Cephalid Breakfast / Worlds 2007 Legacy Deck


    Antonino De Rosa
    Landstill / Worlds 2007 Legacy Deck


    Elisha Amir
    Structure and Force / Worlds 2007 Legacy Deck


     
  • Friday, December 7: 9:11 p.m. – Round 16: 三原 槙仁(千葉) vs. 大塚 高太郎(三原)
    by Keita Mori


  • 2006年度世界王者、三原 槙仁(千葉)
    三原: CAL
    大塚: Two-land-belcher

    試合に勝った上でオポネントマッチパーセンテージ(OP%)次第。そんなラインから、二人の日本人がマッチアップされた。ちなみに、三原 槙仁(千葉)と大塚 高太郎(神奈川)がOP%では暫定2位と3位。暫定1位の対戦相手と小室 修(東京)がこのラウンドで対戦しており、小室が勝ってくれた場合はこの試合の勝者がベストエイトの最後の一席にすべりこめそうな目算である。

    ■TURN ONE KILL

    先手大塚、1ターン目

    《金属モックス/Chrome Mox》に刻印《煮えたぎる歌/Seething Song》。
    《炎の儀式/Rite of Flame》。
    《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》を2枚プレイ。
    《燃え立つ願い/Burning Wish》プレイにスタックして《ダイアモンド》2つを生贄に。
    Blue ManaBlue ManaBlue ManaBlack ManaBlack ManaBlack ManaからBlack ManaBlack Manaを残して《先細りの収益/Diminishing Returns》プレイ。

    《先細りの収益》によって10枚のカードがリムーブされてから7枚を新たにドロー。

    《土地譲渡/Land Grant》で《Taiga》サーチ。即セット。
    Elvish Spirit Guide》のマナから《Timber Wall》。これを即マナに。
    《炎の儀式/Rite of Flame
    《水蓮の花びら/Lotus Petal
    《燃え立つ願い/Burning Wish》で《苦悶の触手/Tendrils of Agony》をサーチ。

    プレイ《苦悶の触手/Tendrils of Agony》!

    大塚 1-0 三原

    ■TURN TWO KILL

    2003年度日本王者、大塚 高太郎(神奈川)
    先手三原、1ターン目

    《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》フェッチから《Badland》。《思考囲い/Thoughtseize》プレイ。大塚は6枚のマナ関連カードと1枚の《燃え立つ願い/Burning Wish》というハンドを公開し、三原は《燃え立つ願い》を捨てさせる。

    さらに《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》プレイから《平穏な茂み/Tranquil Thicket》をサイクリングしてターンエンド。

    後手大塚、1ターン目

    《土地譲渡/Land Grant》で《Taiga》サーチ。
    《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》のみでターンエンド。

    先手三原、2ターン目

    《平穏な茂み/Tranquil Thicket》サイクリング。
    《Taiga》セット。
    《壌土からの生命/Life from the Loam》で墓地に落とした土地を回収。

    三原 「次で引かれたらしらん! ...しょうがない!」

    後手大塚、2ターン目
    大塚 「(ドロー直後)計算します!」
    セット《Taiga》。
    《金属モックス》刻印ありプレイ。
    《金属モックス》刻印なしプレイ。
    《水蓮の花びら》2枚プレイ
    Elvish Spirit Guide》と《ダイアモンド》からのマナで《先細りの収益》。

    《先細りの収益》によって10枚のカードがリムーブされてから7枚を新たにドロー。

    《ライオンの瞳のダイアモンド》2枚プレイ。
    《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》からマナ。
    《水蓮の花びら》プレイ。
    《捨て身の儀式/Desperate Ritual》プレイ。

    全開のマナから《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》プレイ!
    起動...34点!

    大塚 2-0 三原

    大塚 高太郎、世界選手権ベストエイト進出!

    Kotaro Ootsuka
    Two-land-belcher / Worlds 2007 Legacy Deck



     
  • Friday, December 7: 9:19 p.m. – Round 16: 森 勝洋(大阪) vs. Jim Herold(ドイツ)
    by Daisuke Kawasaki


  • 三度目の世界選手権ベストエイトを狙う森
    森:黒青白Tomb Stompy
    Herold:セファリッドブレックファースト

    2人しかいない、34点同士でのマッチアップ。この時点で37点がトップ8確定のラインなので、このマッチの勝者が世界選手権Top 8となる。

    ところで、森 勝洋(大阪)は世界選手権という大会と相性がいいのか、本人が過去にTop 8に入った2回のプロツアーは、どちらも世界選手権である。世界選手権で2回もTop 8はいるというのは大変な事である。だが、実は過去に世界選手権でTop 8に入ったプレイヤーというのは、森も含めてなんと、10人もいるのである。

    Tom van de Logt(オランダ)、Jakub Slemr(チェコ)そして、Jon Finkel(アメリカ)といった世界王者の面々。そして、殿堂のTommi Hovi(アメリカ)。日本人でいうと、小倉 陵(愛知)が、昨年度に森とともに二回目のTop 8を果たしている。

    しかし、不思議なことに、まだ3回目のTop 8を果たしたプレイヤーは存在しない。
    世界初の栄光をかけて、森がフィーチャリングテーブルにつく。

    Game 1

    Heroldはダブルマリガンというコンボデックとしては厳しいスタート。そこに容赦なく突き刺さる森の《思考囲い/Thoughtseize》。対応して《渦まく知識/Brainstorm》をキャストして、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をライブラリーのトップに逃がし、続くターンにキャストする。

    そして、《渦まく知識》経由で、2体目を。完全にビートでゲームを決めるプランだ。

    これに対して、森は3マナと5枚の墓地で《墓忍び/Tombstalker》をキャスト。これによって森の墓地は0枚に。そして、追い打ちとばかりに《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》を場に追加する。

    Heroldは《セファリッドの幻術師/Cephalid Illusionist》をキャストするが、森は《仕組まれた疫病/Engineered Plague》をWizard宣言で場にだして除去。追加の《タルモゴイフ》を場に出すも、今度は《粗石の魔道士/Trinket Mage》で《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》をサーチする。

    この《仕組まれた爆薬》を捨てさせるために《陰謀団式療法/Cabal Therapy》をキャストしたHeroldがみたものは...2枚目の《粗石の魔道士》だった。

    森 1-0 Herold

    Game 2

    Jim Herold
    またしても、マリガンでスタートのHerold。《霊気の薬瓶/AEther Vial》をキャストしてターンを終了する。

    森は、《思考囲い/Thoughtseize》をキャスト。晒された手札は

    Force of Will
    《俗世の教示者/Worldly Tutor
    《セファリッドの幻術師》
    Underground Sea

    森は、ここから《セファリッドの幻術師》をディスカードさせる。だが、Heroldもここで《思考囲い》をドロー。今度は森の手札があらわになる。

    《仕組まれた疫病》×3
    《渦まく知識》
    《島》
    《溢れかえる岸辺/Flooded Strand

    ここから《渦まく知識》をディスカードさせるものの、3枚の《仕組まれた疫病》をみて渋い顔。順次、セファリッド・兵士と《仕組まれた疫病》が展開されていく。

    だが、《渦まく知識》を奪われたことで、森も厳しい。なかなか決定打を用意できない。3枚目の《仕組まれた疫病》はディスカードされるものの、やっと、《師範の占い独楽》をドローし、ライブラリー操作を行う。

    そして、森は勝利にむけてゆっくりとプランを構築し始める。

    まずは《粗石の魔道士》で《真髄の針/Pithing Needle》をサーチ、キャストする。この《真髄の針》は《Force of Will》されてしまったものの、今度は《悟りの教示者》で《仕組まれた爆薬》をサーチし、2マナでキャスト。万全の状態を維持しながら《粗石の魔道士》でのビートダウンを開始する。

    Horeldがどれだけライブラリーを掘り進んでも、森の支配から逃れることは出来なかった。

    森 2-0 Herold

    こうして、森は世界で初の、そして唯一、三回目の世界選手権Top 8を経験したプレイヤーとなった...わけではなかった。Gabriel Nassif(フランス)が、森より一足早くTop 8を決めたことで、森は「二人目」になったのである。

    ならば、森には「世界で唯一の世界選手権2勝」を期待しようではないか。

    Jim Herold
    Cephalid Breakfast / Worlds 2007 Legacy Deck


     
  • Friday, December 7: 10:01 p.m. – 日本勢総括: 予選ラウンドを終えて
    by Keita Mori


  • Standings Name Pts Day 1   Day 2      
          Standard Draft 1 Draft 2 Legacy Legacy Deck Designer
    3 中野 圭貴 38 15 9 6 8 Two-land-belcher 森田 雅彦
    4 森 勝洋 37 15 7 3 12 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    8 大塚 高太郎 36 12 6 9 9 Two-land-belcher 大塚 高太郎
    9 金子 真実 36 9 9 9 9 UGR Threshold 金子 真実
    11 小室 修 36 9 3 9 15 Cephalid Breakfast Internet Deck
    18 三原 槙仁 33 12 6 6 9 CAL 三原 槙仁
    24 高橋 優太 33 9 3 9 12 Cephalid Breakfast 高橋 優太
    37 齋藤 友晴 31 9 9 3 10 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    39 津村 健志 31 9 6 6 10 Cephalid Breakfast Internet Deck
    47 藤田 修 31 10 6 3 12 Mono-W Stacks 藤田 剛史
    54 廣澤 遊太 30 12 6 3 9 Cephalid Breakfast Internet Deck
    61 渡辺 雄也 30 6 9 6 9 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    70 中田 直樹 30 9 6 3 12 Goblins
    73 鍛冶 友浩 30 9 6 6 9 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    79 八十岡 翔太 30 3 9 3 15 UGB Threshold 八十岡 翔太
    82 三田村 和弥 28 15 6 6 1 Mono-U BTB 三田村 和弥
    91 樽 元気 28 6 9 4 9 Tomb Stompy 齋藤 友晴
    102 北山 雅也 27 12 6 3 6 One-land-belcher 佐々木 将人
    127 秋山 貴志 27 9 3 6 9 Mono-U BTB 三田村 和弥
    192 浅原 晃 24 3 9 9 3 One-land-belcher 佐々木 将人
    234 大礒 正嗣 21 9 6 0 6 Two-land-belcher 大礒 正嗣
    235 佐藤 嶺 21 9 3 3 6 Cephalid Breakfast Internet Deck
    236 森田 雅彦 21 6 6 9 0 Doran Internet Deck
    280 中村 修平 18 6 9 3 0 Dredge 中村 修平
    281 有田 隆一 18 9 3 6 0 UGR Threshold Internet Deck
    298 大澤 拓也 18 6 3 6 3 Mono-W Stacks 藤田 剛史
      小倉 陵 12 0
      栗原 伸豪 3 6
      藤田 剛史 6 3
      中島 主税 9 0
      池田 剛 3 0  

    長く険しい16回戦の戦いを経て、見事に三人の選手が栄えある決勝ラウンドの舞台へと駒を進めた。スタンダード全勝というアドバンテージを活かしきったのが中野 圭貴(大阪)と森 勝洋(大阪)の二人。そして、16回戦に鮮やかな1ターンキルと2ターンキルを決めてみせた大塚 高太郎(神奈川)。

    また、白熱のタイトル争いも日本勢が素晴らしいフィニッシュを飾った。斎藤 友晴(東京)と渡辺 雄也(神奈川)が戦前のプロポイントでのリードを活かし、それぞれPlayer of the YearとRookie of the Yearに輝くことになったのだ!

    日本代表チームも総合1位タイと好調のまま三日目の国別対抗団体戦を迎えることになった。代表メンバーが誰一人として決勝ラウンドには勝ち進んでいない中で、二日目を怒涛の八連勝してみせた小室 修(東京)がチームを牽引したといえるだろう。

    なお、日本勢の苦戦が懸念されたレガシーに関しては、「セファリッドブレックファスト」の小室と青緑黒「スレッショルド」の八十岡 翔太も全勝と健闘している。4勝1敗ラインも勝ち組と呼べるなら、「セファリッドブレックファスト」の高橋 優太(東京)、「トゥーム・ストンピィ」の森 勝洋、白単色「スタックス」の藤田 修(京都)、「ゴブリン」の中田 直樹(愛知)と、さらに四名の名前が追加されることになる。


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