Live Coverage of the 2004 World Championships

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2004年度世界王者はオランダのJulien Nuijten !!

5日間にわたる激闘に幕が下ろされ、オランダの新鋭がKamiel CornelissenやGabriel Nassifといった強豪ぞろいのベスト8を勝ちあがり、史上最も若いプロツアーチャンピオンとして歴史にその名を刻み込んだ。

世界タイトルをつかみ、オランダ代表チームの一員としても奮戦したJulianは…なんと今週末だけで52336ドルという大金を稼ぎ出した。これは一つのイベントで獲得した賞金の最高額記録の更新で、これまでの記録はJon Finkelが2000年世界選手権で個人・団体のダブルタイトルという大偉業を成し遂げたときのものだった。

新しいスタープレイヤーの誕生だけでなく、強豪Kamiel Cornelissenをもベスト8に送り出しているオランダは実にすばらしい活躍を果たした週末だったといっていいだろう。ちなみに、日本からは名古屋の小倉 陵が決勝ラウンドに進出し、見事ベスト4入賞を果たしている。

Player of the Yearタイトルはこの世界選手権でベスト8に勝ち残ったフランスのGabriel NassifがNicolai Herzogを追い抜いての受賞となり、Rookie of the YearはJulien Nuijtenが世界チャンピオンの座とともに掴み取った。

国別団体戦のチャンピオンはドイツ代表。実はベルギー代表の選手が決勝戦のマッチの行方を決める最終戦でプレイミスを犯してしまったがために…幸運の女神が彼らのもとから逃げてしまったのだ。「大舞台でいつものプレイが出来なくなってしまう」というのは実によく聞く話で、これこそプロツアーには魔物がすんでいると言われる所以だろう。

日本代表チーム(日本選手権観戦記事より)


Individual Top 8


Quarterfinals   Semifinals   Finals   Champion
1 Kamiel Cornelissen   Manuel Bevand, 3-1        
8 Manuel Bevand   Aeo Paquette, 3-1
       
4 Aeo Paquette   Aeo Paquette, 3-1   Julien Nuijten, 3-1
5 Gabriel Nassif    
       
2 Julien Nuijten   Julien Nuijten, 3-2
7 Murray Evans   Julien Nuijten, 3-2
       
3 Terry Soh   Ryo Ogura, 3-2
6 Ryo Ogura    

National Team Finals

1 Team Germany Team Germany, 2-1
2 Team Belgium


観戦記事 情報
  • 7:53 pm:決勝:Aeo Paquette(カナダ) vs. Julien Nuijten(オランダ)
    by Keita Mori
  • 2:56 pm:準決勝:小倉 陵 vs. Julien Nujiten(オランダ)
    by Keita Mori
  • 2:00 pm:準々決勝:小倉 陵 vs. Terry Soh(マレーシア)
    by Keita Mori
  • Draft Review: The Final Draft Complete Cardlist
    by Event Coverage Staff
  • Feature: National Teams Photo Gallery
    by Event Coverage Staff

  • Worlds Coverage Blog and Video: Saturday
    by Keita Mori
  • Feature: The Top 2 Team Profiles
    by Event Coverage Staff - translated by Yoshiya Shindo
  • Info: Day 4 Team/Player List
    by Event Coverage Staff

  • Worlds Coverage Blog and Video: Friday
    by Keita Mori
  • Feature: The Top 8 Profiles
    by Event Coverage Staff - translated by Yoshiya Shindo
  • Decks: The Top 8 Decklists
    by Event Coverage Staff

  • Worlds Coverage Blog and Video: Thursday
    by Keita Mori
  • Decks: Undefeated Drafters Decklists
    by Event Coverage Staff
  • Feature: The 3-0 Players of Draft 1
    by Event Coverage Staff
  • Round 10: Pods
    by Event Coverage Staff
  • Round 7: Pods
    by Event Coverage Staff
  • Decks: 6-0 and 5-1 Decklists
    by Event Coverage Staff

  • Worlds Coverage Blog and Video: Wednesday
    by Keita Mori
  • Info: Day 1 Player List
    by Event Coverage Staff
  • Info: Day 1 Introduction
    by Keita Mori
  • Info: Fact Sheet
    by Event Coverage Staff
組合 結果 順位 チーム順位
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BLOG

 
  • Sunday, September 5: 7:53 pm決勝:Aeo Paquette(カナダ) vs. Julien Nuijten(オランダ)
  • "ダブル・タイトルマッチ"

    緑白のいわゆる「エターナル・スライド」デッキを使う新鋭、巻き毛のあどけないオランダの少年がJulien Nuijtenだ。彼は弱冠15歳、いわゆる"Junior"枠でプレイできる年齢なのだから…本当に若い。そして、対するカナダの「親和/Affinity」使い、Aeo Paquetteも19歳と若手の部類にカテゴライズできるプレイヤーだ。まったくのところ、「新世代の潮流」という2004年度世界選手権の特徴の一面を実によく反映したマッチアップが実現したと表現していいだろう。

    そして、そんな彼らはともに今季のRookie of the Yearタイトルの受賞資格をもったプレイヤーである。つまり、彼らは「世界王者」と「新人王」という二つのタイトルをかけて栄光の決勝戦を戦おうというわけなのだ。もちろん、世界選手権を優勝して新人王を掴み取ったプレイヤーというのは、どちらが勝利するにしても史上初ということになる。

    さあ、若人たちよ、君たちの力を存分に見せつけてくれ。

    Game 1

    後手Aeo、初手を力強くキープ。その内容は

    《空僻地/Glimmervoid
    《教議会の座席/Seat of the Synod
    《大焼炉/Great Furnace
    《溶接の壺/Welding Jar
    《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》*2
    《金属モックス/Chrome Mox

    というものだ。

    さて、先手Julienの挙動はセット《隔離されたステップ/Secluded Steppe》のみでターンエンド。一方、上記のハンドから《大焼炉/Great Furnace》を引いてきたAeoもここではセット《大焼炉/Great Furnace》のみだ。

    先手2ターン目をJulienはセット《森/Forest》で終了。対してAeoは2枚目の《大焼炉/Great Furnace》プレイから《溶接の壺/Welding Jar》プレイを経て、《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》召喚。ここでJulien少年は《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》サイクルで《平地/Plains》をサーチしてきた。

    Julienはここでセット《平地/Plains》から《霊体の地滑り/Astral Slide》でターンエンド。Aeo Paquetteは《教議会の座席/Seat of the Synod》からの《物読み/Thoughtcast》プレイでまずはドロー2枚。そして初手から隠れていた《金属モックス/Chrome Mox》を刻印なしでプレイして《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》の生贄として2/2というサイズでアタック。戦闘後に《電結の働き手/Arcbound Worker》を召喚してターンを終えた。

    Julienの第4ターンは《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》を置いてから《不屈の自然/Rampant Growth》。ここで《森/Forest》をサーチしてターンエンドとした。対するAeoはまずは2体でアタック宣言。2/2《荒廃者》と1/1《働き手》だ。この戦闘中にJulienはフェッチランドを起動し、《平地/Plains》を調達。《平穏な茂み/Tranquil Thicket》をサイクリングして《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を《霊体の地滑り/Astral Slide》によってゲームから取り除いて1点のみをスルー。これでライフトータルは16となる。戦闘後にAeoは《溶接の壺/Welding Jar》、《電結の働き手/Arcbound Worker》、《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》のそれぞれ2枚目をプレイし、最後に《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》を加える。一気に攻勢に回り、これでノーハンドというわけだ。

    そして、ここでJulienは狙い済ました一撃。《神の怒り/Wrath of God》詠唱。

    Aeoはレスポンスで《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》と《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》がらみのトリックを熟考し、ここでアーティファクト・ランド2枚をサクリファイスすることにした。これによってAeoはパーマネントのほとんどを失い、Julien Nuijtenのライフは10にまで削られた、ということになる。

    ここでAeoが続くターンに《金属ガエル/Frogmite》を召喚してターンを渡すと、Julienはそこで悠々と《新たな信仰/Renewed Faith》サイクリング。そして7マナにて《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》を召喚した。

    この《ドラゴン》がアタックし、《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》がAeoの《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》を対象にしながら場に登場する。Aeoはここでレスポンス。そのランドをコストに本体へ《爆片破/Shrapnel Blast》。ライフはJulienが7、Aeo が15となる。

    Aeoはなんともいえない微妙な表情を作りながら《金属ガエル/Frogmite》でアタック。これをJulienは《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》でブロック宣言し、ダメージスタック後に《隔離されたステップ/Secluded Steppe》サイクリングにて《霊体の地滑り/Astral Slide》を起動。ここでAeoは《金属ガエル/Frogmite》を《溶接の壺/Welding Jar》によって蘇生した。そして、ターンエンドにもどってきたJulienの《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》が「場に出たときの能力」の対象にとったのは《大焼炉/Great Furnace》だ。

    さて、進退きわまったAeoはJulienのターンエンドに本体へ《爆片破/Shrapnel Blast》。この火力によってたしかにライフレースは一気に2対10と緊迫感を増す。しかしながら、パーマネントによるビートダウンが実質的に不可能になってしまっているわけで、Aeoはここで3枚目の《爆片破/Shrapnel Blast》を引くしかない。それなのに、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》プレイでターンを返すことになるカナディアン。

    Julien少年はここでも《隔離されたステップ/Secluded Steppe》サイクリングで《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》を再び「場に出しなおし」、これよってこの0/2チャンプブロッカーを淡々と排除した。

    結局、《神の怒り/Wrath of God》の後の《爆片破/Shrapnel Blast》トップデッキ勝負でそれを果たせなかったAeo Paquetteが敗れてしまうという一戦目となった。

    Junien Nuijten 1-0

    -Sideboarding-

    Aeo Paquette
    ここで《無効/Annul》を露骨に「入れたふり」
    しかしながら入れ替えなし。

    Julien Nujiten
    OUT:《正義の命令/Decree of Justice》3、《すき込み/Plow Under》1
    IN:《酸化/Oxidize》4

    これ以後、二人ともサイドボーディングは一切行われなかった。

    Game 2

    ここでAeoは「環境最強」とよばれる親和デッキの実力の片鱗をみせてくれることになる。

    まずは《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》セット。《金属モックス/Chrome Mox》に《物読み/Thoughtcast》を刻印。《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》、《頭蓋囲い/Cranial Plating》、《金属ガエル/Frogmite》と開幕ターンに実にすばらしい展開を見せてくれた。ただでさえ早い親和デッキ、Aeoはさらにスピードにこだわったチューニングでこのイベントに臨んでいるのだ。

    次のターンには《頭蓋囲い/Cranial Plating》をまとった《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》と《金属ガエル/Frogmite》がアタック宣言。ここで一気に7点のダメージ。一方のJulienは土地を置きながら《隔離されたステップ/Secluded Steppe》を2枚サイクリングすることしか出来ていない。

    そこへ、先手3ターン目にAeo Paquetteはセット《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》から《金属ガエル/Frogmite》展開。アタック宣言。これによってJulienのライフは3枚目のランドをセットする前に…3。

    3マナでは…《神の怒り/Wrath of God》もうてやしないのだ。

    Aeo Paquette 1-1

    Game 3

    それぞれが見せ場を作って迎えた3本目。

    このゲームのファーストアクションは後手Aeoのセット《大焼炉/Great Furnace》から《電結の働き手/Arcbound Worker》召喚。先手JulienはAeoのエンドステップに《酸化/Oxidize》を《大焼炉/Great Furnace》へと打ち込む。さらに、迎える自ターンメインフェイズで《不屈の自然/Rampant Growth》をプレイし、マナベースをGreen ManaGreen ManaWhite Manaに。

    他方のAeoは《物読み/Thoughtcast》をインプリント(刻印)した《金属モックス/Chrome Mox》から2体目の《電結の働き手/Arcbound Worker》を展開し、0 Manaで《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》を。しかし《モックス》は《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》が直ちに破壊しにかかり、Julienは《新たな信仰/Renewed Faith》サイクリングでライフを21へと。そして、セット《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》。マナ展開という意味ではあまりに好対照といえよう。

    Julienは2/2《シャーマン》でアタック宣言し、《永遠の証人/Eternal Witness》で《酸化/Oxidize》を回収。アタッカーらしいアタッカーも展開できていない上にマナベースを攻撃されているAeoがここで出来たのは…《溶接の壺/Welding Jar》を展開でいたことくらい。健気に1/1《働き手》1体と《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》でアタック宣言を行ってライフを19に。そして戦闘終了後には《金属ガエル/Frogmite》が追加されたのだが、どう見てもAeoは劣性だ。

    「親和」の出鼻をくじくことに成功したJulienは、ここで《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》フェッチから《霊体の地滑り/Astral Slide》を展開。そう、すでに《永遠の証人/Eternal Witness》を展開している彼はまさしく「エターナル・スライド」そのものを完成させ、新人王と世界王者の座へと王手をかけたのだ。

    Julien Nuijten 2-1

    Game 4

    《金属モックス/Chrome Mox》*2
    《厳粛な空護り/Somber Hoverguard
    《電結の働き手/Arcbound Worker
    《金属ガエル/Frogmite
    《囁きの大霊堂/Vault of Whispers
    《羽ばたき飛行機械/Ornithopter

    土地のまったくないこのハンドをここまで劣勢のAeo Paquetteはキープ。

    《金属モックス/Chrome Mox》2枚にそれぞれ《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》と《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》をインプリントして《電結の働き手/Arcbound Worker》と《金属ガエル/Frogmite》を展開するという開幕ターンを迎えた。

    土地が出ていないことに着目したJulien Nujitenは後手ながら1ターン目に「青い」《モックス》に、2ターン目には「黒い」モックスへと《酸化/Oxidize》を叩き込み、Aeoを完全にマナトラブルへと追い込んでいった。

    なんとか劣勢を跳ね返したかったAeo Paquetteが、先手3ターン目を《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》プレイのみで終えたとき、観戦していたオランダ勢から「Yes!!」と歓声が上がった。Randy BuehlerとBrian Kiblerがどのような解説をしたか、早くも観衆たちも沸き立ち始める。そう、クライマックスの予感を人々は感じ始めていたのだ。

    ターンを渡されたJulien Nijtenが《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》を召喚し、あわれな《金属ガエル/Frogmite》が墓地に送られる。そして…やはり、なにも出来ずに4ターン目をかえしてしまうことになったAeo Paquette。

    Aeo「…(歴代でも)もっともはやい決着になっちゃったりしてね」

    思わず、カナダの若者も苦笑を漏らしてしまう。対照的な好調さを見せつける15歳の少年が《隔離されたステップ/Secluded Steppe》や《平穏な茂み/Tranquil Thicket》を勢いよくサイクリングしていく中、「予感」は確実に強まっていく。

    大舞台ならではの緊張感やテレビマッチ特有の照明の強さで、額に汗を浮かばせながらプレイするAeo。そんな彼が《教議会の座席/Seat of the Synod》を引き当て、《頭蓋囲い/Cranial Plating》を纏わせるのだが、そこにすぐさま吹き荒れる《神の怒り/Wrath of God》。

    それでもAeoは《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》を引いてこれに《頭蓋囲い/Cranial Plating》を装着し、先ほど展開した《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》を起動して「親和」の条件を満たして《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》を召喚。《蛾》と《飛行機械》でアタックし、苦しみながらもライフレースを9(Julien)対18(Nujiten)とした。

    しかし、予感はもはや確信に変わろうとしている。

    Nujitenは2枚目の《神の怒り/Wrath of God》で反撃の芽を摘み、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》でのアタック宣言には《翼の破片/Wing Shards》を突き刺した。

    そして、Julien Nujitenが2枚の《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》を勢いよく連打すると、Aeo Paquetteはとうとう兜を脱いで右手を差し出した。

    そう、目の前に座っている少年、新時代を掴み取った強豪との健闘をたたえあうために。

    Julien Nujiten 3-1

    世界王者にして新人王である15歳の少年。ある意味でKai BuddeやJon Finkelなどでも比肩できないようなスタープレイヤーを生み出したのが今年の世界選手権だった。

    表彰セレモニーに参加していた小倉 陵の一言が実に印象的だった。

    「いまさらですけど、マジックは年関係ないすね。個人の才能と環境だわ」

    Julien Nujiten is the 2004 World Champion!!


    Julian Nuijten
    Worlds 2004 Top 8 / White-green Slide


    Aeo Paquette
    Worlds Top 8 / Affinity



     
  • Sunday, September 5: 2:56 pm -準決勝:小倉 陵 vs. Julien Nujiten(オランダ)
  • 17歳の高校生、Terry Sohをやぶってきたばかりの小倉 陵は、準決勝で弱冠15歳のJulien Nujitenとマッチアップされることになった。そう思えば、2004年世界選手権というのが実に若い才能たちの活躍が目立つイベントであったと言えよう。

    ところで、戦前にマッチアップに関して小倉にコメントを求めてみたところ、彼は次のように語ってくれた。

    小倉「正直なところ、『親和』にあがってきてほしかったすね。緑白は正直GGっぽいんですよ。…どうしたものか」

    Game 1

    と、戦前は苦笑いの小倉だったわけだが、ここで彼を護る左肩の猛虎が奇跡をおこした。なんと、後手ダブルマリガンのJulienがワンランドストップしてしまうのだ。そして、

    T1:《スカークの探鉱者/Skirk Prospector
    T2:《火花鍛冶/Sparksmith
    T3:《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief
    T4:《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander

    とすばらしいテンポで赤い小鬼たちがレッドゾーンを占拠した。

    小倉 陵 1-0

    まさかの予感に、応援する日本勢からはどよめきが。

    Game 2

    さて、今度はマリガンもなく開幕ターンに《平地/Plains》セットから《隔離されたステップ/Secluded Steppe》サイクリング、2ターン目にセット《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》から《森/Forest》をフェッチで《不屈の自然/Rampant Growth》プレイ。順調な序盤を迎えたNujiten。

    対する小倉は1ターン目にセットした《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》で2ターン目にアタックという具合で、Nujitenは3ターン目に《霊体の地滑り/Astral Slide》設置。小倉が3ターン目に《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を召喚してアタック宣言。すると、Nujitenは《平穏な茂み/Tranquil Thicket》サイクリングによってこれを実質的に軽減した。

    うまく最序盤を切り抜けたNujitenは《永遠の証人/Eternal Witness》召喚で《平穏な茂み/Tranquil Thicket》を回収し、対する小倉は《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を展開。Nujitenは小倉の第二メインで《平な茂み/Tranquil Thicket》をサイクリングし、《永遠の証人/Eternal Witness》を《霊体の地滑り/Astral Slide》の対象に。これによってターン終了時に戻ってくる《永遠の証人/Eternal Witness》は《Regrowth》能力を堪能させてくれるわけである。そう、いわゆる"Eternal-Slide"モードを決めたのだ。

    小倉もなんとか《霊体の地滑り/Astral Slide》の起動にうまく息をあわせて《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》のサイクリング火力と《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》によって《永遠の証人/Eternal Witness》除去を試みたのだが、…かなわず。

    "Eternal Slide"を完成させているNujitenはライブラリーをすさまじい勢いで掘り進んでいき、《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》への回答として《酸化/Oxidize》を引き当て、とうとう《神の怒り/Wrath of God》をディスカードするという始末だ。

    小倉はなんとか《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》3体を起動してのアタックで、せめてライフを削ってみる。しかしながら"Eternal-Slide"モードで《新たな信仰/Renewed Faith》をグルグルとまわされてしまうという事態になすすべなし。

    Nujitenはハンドの《赤の防御円/Circle of Protection: Red》を温存したままでマッチカウントをタイに戻した。

    小倉投了。

    Julien Nujiten 1-1

    Game 3

    先手小倉は3ターン目に《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》召喚からのアタック。対してNujitenはここで《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》のランドサイクルにて《平地/Plains》を調達。そして小倉が《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》、《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》と召喚してから1/1と2/2での2体でアタック宣言してきたところで突き刺さる《翼の破片/Wing Shards》。小倉はここでそれに対応して《名手》狙撃。

    小倉は《霊体の地滑り/Astral Slide》の返しで《つつき這い虫/Clickslither》召喚からアタック。Julienのライフがこれで13に。戦闘後に《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》を召喚する。Nujitenはここで《神の怒り/Wrath of God》。それに対応して小倉は2点狙撃。

    そして《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》召喚。ここでNujitenは《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》サイクリングで《霊体の地滑り/Astral Slide》を起動して1/1トークンの1つを除去し、続く《新たな信仰/Renewed Faith》2枚のサイクリングによって残る2体も葬り去った。

    返す小倉の《蛾》と2/2アタックでNujitenのライフは12。戦闘後に《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》を加える小倉だった。ここでJulien Nujitenは《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》フェッチから《永遠の証人/Eternal Witness》召喚。これによって墓地の《新たな信仰/Renewed Faith》を回収し、いわゆる"Eternal-Slide"モードを完成させたのだった。ライフ13。

    ここで小倉は《蛾》を起動し、これと《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》、《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》でアタック宣言。ライフ9。しかしながら、"Eternal-Slide"で《神の怒り/Wrath of God》を回収し、そのソーサリーをここでお見舞いするNujitenだった。

    それでも小倉は続くターンに《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を召喚し、1/1《蛾》とともに即アタック。しかし、そこをX=5の《正義の命令/Decree of Justice》サイクリングが待ち構えており、トークンたちによって《戦長》がブロックされてしまう。その上でNujitenが再度"Eternal-Slide"モードを起動すると、小倉は投了となった。

    Julien Nujiten 2-1

    Game 4

    開幕ターンに《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》、続けて《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》セットから《《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》と展開する小倉。これは良いリズムだ。しかし、対するJulienも2ターン目に《赤の防御円/Circle of Protection: Red》設置だ。

    ここで小倉は3ターン目に《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》を起動してのフルアタックでJulienのライフトータルを14に。戦闘後《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》を追加。続く小倉のアタックのうち、《群集追い》だけを《赤の防御円/Circle of Protection: Red》で軽減したJulenは2点をスルー。しかしながらターン終了時の《新たな信仰/Renewed Faith》で結局ライフ的な損失を帳消しにしつつ、ライブラリーを掘る。

    続く小倉のアタックでは《赤の防御円/Circle of Protection: Red》がゴブリン3体からのダメージを軽減し《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》の1点だけがスルー。小倉は戦闘終了後に《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》を展開。じっと構えるNujitenに対して、続くターンにも《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》を。

    そして、ここにきてNujitenはようやっとリセットボタンへアクセスできることとなった。《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance》を《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》経由でプレイ。しかしながら、ここでの《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》たちの狙撃でNujitenはライフトータル5。マナも完全にタップアウトという状態でターンを返した。

    Nujiten「トップデッキされないといいなぁ(笑)」

    しかしながら、若虎は観衆の期待に見事にこたえた。小倉はここで《つつき這い虫/Clickslither》を召喚し、それは《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》をコストにして5/5というサイズに膨れ上がってレッドゾーンへと突撃してきたのだ。

    小倉 2-2

    Game 5

    さあ、泣いても笑っても栄光の決勝戦をかけた最後の戦いだ。ここでJulien Nujitenが力強く初手をキープすると、小倉はテイクマリガン。岡本ら日本勢が不安そうにそれを見守っているのが印象的だ。

    そしてJulien Nujitenはセット《隔離されたステップ/Secluded Steppe》からゲームをスタート。小倉の開幕ターンは《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》からだ。そしてNujitenは第2ターンに《不屈の自然/Rampant Growth》で《森/Forest》を。

    対して小倉は《スカーク》でアタック後に《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》召喚でターンエンド。2枚目のランドが置けない。

    一方でNujitenは《新たな信仰/Renewed Faith》をサイクルしてから《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》でさらに《森/Forest》をフェッチ。小倉はここでゴブリン2体を《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》で生贄にささげてRed ManaRed Manaを調達して《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を召喚。ヘイスト(速攻)ならではのアタック宣言。…しかしながら、《山/Mountain》が依然1枚のままだ。

    Nujitenはここに《赤の防御円/Circle of Protection: Red》を加えつつ《不屈の自然/Rampant Growth》2発目をプレイしてターンエンド。そう、またも《赤の防御円/Circle of Protection: Red》だ。

    そして、ここにきて小倉はようやっと2枚目の《山/Mountain》にアクセス。《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》*2体でのアタックを敢行した。1マナしかたてていなかったNujitenのライフが削れて、ここでライフトータルが11対20に。

    Nujitenはここでセットランドのみのドローゴー。すると小倉は《火花鍛冶/Sparksmith》を戦線に加え、先ほどの3体でアタック宣言。もちろん、《防御円》がことごとくこれらを軽減する。そして、エンドステップに《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》サイクリングで《平地/Plains》を手にするJulien。続くターンも特にアクションなくセットランドのみでターンを終えた。

    さて、なんとか血路を切り拓きたい小倉。ここで前のターンに出した《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》を起動して3体のゴブリンと、つまりは《火花鍛冶/Sparksmith》をのぞくすべての軍勢でアタック宣言。ここでNujitenの《酸化/Oxidize》が1/1アーティファクト・クリーチャーを破壊し、ゴブリンたちの突撃はすべて軽減されてしまった。そして、NujitenはエンドステップにX=1で《正義の命令/Decree of Justice》をサイクリングした。

    そのサイクリングで《神の怒り/Wrath of God》を見事に引き当てたNujiten。彼は1/1トークンでのアタック宣言後に…その元祖リセットボタンを起動。さらには《永遠の証人/Eternal Witness》で《正義の命令/Decree of Justice》を回収し、反転攻勢をかけようという構えになった。いまや、小倉の側にあるパーマネントはたった2枚の《山/Mountain》のみという状況だ。

    そして、弱冠15歳というオランダの少年が2体の4/4天使をプレイグラウンドへと送り出し、小倉 陵は悔しそうに、しかしながら、まるでハイタッチするかのような勢いで右手を差し出したのだった。

    Julien Nujiten 3-2

    Ryo Ogura
    Worlds 2004 Top 8 / Goblins


    Julian Nuijten
    Worlds 2004 Top 8 / White-green Slide



     
  • Sunday, September 5: 2:00 pm -準々決勝:小倉 陵 vs. Terry Soh(マレーシア)

  • マジックをはじめて7年。とうとう小倉 陵は大きな大きな舞台で戦う日を迎えた。
    ちなみに、左肩に宿る猛虎は師匠の岡本 尋に託されたものだ。

    岡本 尋「オレはだめだったけど虎だけはかえってきたってことで(笑)」

    Game 1

    先手Terry Sohはセット《平地/Plains》で開幕ターンを終える。対する後手小倉はマリガンスタートで、《山/Mountain》プレイから《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》を召喚。Sohはエンドステップに《隔離されたステップ/Secluded Steppe》をサイクルし、セット《森/Forest》。

    第2ターンに小倉はセット《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》、《炭鉱》サクリファイスから《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を召喚し、アタック宣言。Sohは《平穏な茂み/Tranquil Thicket》サイクリングからから3ターン目に《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》展開。小倉は3枚目の土地として《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》をセットしてここで少し考え込む。結局、ここでは《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》をプレイしてターンを終了したのだった。

    Sohは《霊体の地滑り/Astral Slide》を展開してセット《平地/Plains》で4ターン目を終了。小倉はここで《火花鍛冶/Sparksmith》を召喚し、《戦長》のおかげで「召喚酔い」のないこの砲台を即座に起動。これが《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》をなぎ払い、これに呼応して《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》が狙撃。《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》が起動され、《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》とともにアタック宣言。ライフは14(Soh)対17(小倉)。

    5ターン目にSohはセット《森/Forest》。マナベースはこれでWhite ManaWhite ManaWhite ManaGreen ManaGreen Mana。自ターンにはアクションを起こさず、小倉のアップキープでやや考え込む。結局ここでもアクションはなく、小倉はドロー。このときのハンドは

    《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》
    《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》
    《つつき這い虫/Clickslither》
    《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》

    マナソースは先ほどお伝えしたとおり《山/Mountain》1枚、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》2枚だ。

    小倉はここで《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》をプレイ。《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》を起動してアタック宣言。ここでSohは《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》をサイクリングして《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》をゲームから取り除く。これによって小倉は《火花鍛冶》と《ちらつき蛾の生息地》だけをレッドゾーンへと送り込んだ。これでSohのライフは12。ターンエンドに《戦長》が戻ってゲームは6ターン目を迎える。

    ここでSohは《神の怒り/Wrath of God》。文字通りのリセット呪文を前に、小倉は対応して《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》と《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》の射撃トリックを駆使してSohのライフを8点まで減らす。

    続くターン、小倉のドローは《火花鍛冶/Sparksmith》。《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》1体を起動してアタック宣言し、戦闘後に《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》をプレイしてターンを渡した。Sohのライフは7。

    Sohは7ターン目に《平地/Plains》セットから《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》。ここで《山/Mountain》がプレイマットへと運び込まれ、伝統の"Slide-Lift"モードへの移行が秒読みとなる。対する小倉の7ターン目のドローは《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》。ここで小倉がアタック宣言もなく《火花鍛冶/Sparksmith》だけをプレイマットへと召喚すると、第2メインフェイズにSohは《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》をサイクリング。これによって自陣の《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》をゲーム外に取り除き、これが小倉のターン終了時に帰ってくることによって3枚目の《森/Forest》をプレイマットへともたらすことになった。

    8ターン目にSohはセット《森/Forest》から《稲妻の裂け目/Lightning Rift》を展開。ここで渡されたターンの小倉はドロー《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》。これを小倉が召喚してターンを返そうとすると、Sohは「君のセカンドステップに…」とアクション。《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》をサイクリングだ。ちなみにSohの残るハンドは1枚で、それは2枚目の《神の怒り/Wrath of God》。

    小倉はこのサイクリングにレスポンスで考え込む。そして、《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》を《霊体の地滑り/Astral Slide》が取り除くのにスタックして《火花鍛冶/Sparksmith》で狙撃した。Sohによって起動された《稲妻の裂け目/Lightning Rift》は小倉の《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》を撃ち、ライフが14対7に。

    Terry Sohは9ターン目のアップキープに《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》をWhite ManaWhite ManaWhite ManaGreen ManaGreen Manaで回収し、メインステップで《神の怒り/Wrath of God》。小倉はここでゴブリン2匹を赤マナにかえてサイクリング《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》。ようやっと2枚目の赤マナソース、《山/Mountain》をここで手に入れたのだった。迎えた自ターンでのドローは《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》。小倉はここで1体の《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》を起動してアタック宣言。Sohはこれを《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》サイクリングからの《霊体の地滑り/Astral Slide》起動によって無効化。小倉は第2メインに《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》を召喚してターンを終えた。

    10ターン目アップキープ。Sohはやはりここで《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》を回収。まさしく「永遠」の名に恥じないこのカードを手札に戻してからセット《シヴのオアシス/Shivan Oasis》でターンエンド。小倉はここへ《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》のみでアタックするが、当然この《ドラゴン》サイクリングからの《稲妻の裂け目/Lightning Rift》起動によって退けられてしまう。引き当てた5枚目のランド、《山/Mountain》をセットして《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を呼び出した。

    ところで、なにやら小倉はここで自前のトークンを展開したいようだったが、残念ながらここはプロツアー決勝日。いわゆるオフィシャルのトークンたちがプレイグランドに3枚並べられたのだった。

    さて、小倉のサイドに大きな脅威が呼び出されたわけではあるが、Sohはここで涼しい顔で第11ターンメインステップに《神の怒り/Wrath of God》。もちろん、《ドラゴン》をアップキープに回収しながらのことで、これぞ豪華13マナという陣容が許す力技といったところだろう。Sohは続く小倉の《つつき這い虫/Clickslither》を《霊体の地滑り/Astral Slide》でいなしつつ、とうとう《稲妻の裂け目/Lightning Rift》は本体を狙撃しはじめた。

    第12ターンに小倉は2体目の《つつき這い虫/Clickslither》を展開して総員突撃。しかし、ここで2枚の《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》がサイクリングされて都合4点の火力でこれは即座に墓地へ。そして、Terry Sohのサイドには《平地/Plains》がもうライブラリーになくなってしまう。Sohは第13ターンメインステップに《神の怒り/Wrath of God》。

    それでも小倉は14ターン目に《つつき這い虫/Clickslither》の3枚目を引き当ててレッドゾーンへと送り込むが、これも《新たな信仰/Renewed Faith》サイクリングと《ドラゴン》サイクリングによって《稲妻の裂け目/Lightning Rift》で葬られてしまう。ゲイン2ライフでSohは9点まで回復。

    第15ターン目を迎えてSohはとうとう《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》をクリーチャーとして展開。ここで小倉は投了となった。

    Terry Soh 1-0

    浅原 晃「サイドで《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》を引けるかどうかで、正直ムラのある感じはしますね」

    昨日のプレイテストに協力した仲間たちが口々に指摘したのがサイド後の《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》の有効性だ。はたして、そのエンチャントメントは名古屋の若虎を助けてくれるだろうか。

    Game 2

    先手小倉はテイクマリガンからセット《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》。対するSohは《シヴのオアシス/Shivan Oasis》をタップイン。小倉は2ターン目に《山/Mountain》をセットし、Sohが《平地/Plains》を置いただけでターンを返したところでサイクル《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》。そして3ターン目にセット《山/Mountain》から《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を走らせた。Sohは《新たな信仰/Renewed Faith》をここでサイクルし、《銀騎士/Silver Knight》召喚。小倉はここで思わず苦笑する。

    しかしながら小倉は《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》を設置して4ターン目をエンド。勝負はここからだ。後手Sohはここで《銀騎士》でアタック宣言。戦闘後に《霊体の地滑り/Astral Slide》を設置して自身でこれをサイクリング緑してターン終了時にはアンタップ状態で帰還させる。

    5ターン目の小倉は4ターン目同様にセットランドなしで、2体目の《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》をプレイしてのターンエンド。Sohは5ターン目にもセットランドから《銀騎士/Silver Knight》でアタック宣言。戦闘後に《永遠の証人/Eternal Witness》を呼び出して緑ランドを回収。そして小倉のアップキープにSohは「メダリオン」でもある《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を《霊体の地滑り/Astral Slide》でゲームから取り除く。

    しかし、小倉はここで4枚目の土地を引き当て、《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》召喚。ここで3体のトークン、《包囲攻撃の司令官》自身、残っている方の《ゴブリンの戦長》を突撃させた。ここではSohが《司令官》を《証人》で討ち取ることを選択し、戦闘が終わる。

    Sohが6ターン目アップキープに《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》のダメージを受けた段階でライフが9(Soh)対12(小倉)。ここでセットランドから《稲妻の裂け目/Lightning Rift》を設置してターンを終えた。

    小倉は7ターン目を迎え、クリーチャーとして《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》、《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》を召喚。Sohは《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》召喚にスタックして《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》をサイクリングし、《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》1体をゲームから取り除き、1体を焼き殺した。それを受けて小倉は1/1クリーチャーとして《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》を1体起動し、3体のトークンとともにアタック宣言。

    当然トークン1体を《銀騎士/Silver Knight》がブロックし、ブロックされたそれを《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》の能力のコストにあてて生贄にささげ、《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》も同様に《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》の能力起動コストにあてた。これでSohのライフは4(小倉10)だ。

    Sohは次のアップキープの《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》によってライフ2。ここでSohは果敢に《銀騎士/Silver Knight》でアタック宣言だ。これで小倉のライフが8。そして《稲妻の裂け目/Lightning Rift》の2枚目を設置した。まずは1枚の《平穏な茂み/Tranquil Thicket》をサイクリングして、《裂け目》2枚から小倉に4点のダメージ。

    ちなみに、ここで緑マナを引ければ手札にあるもう1枚の《平穏な茂み/Tranquil Thicket》をサイクリングできるため、さらに4点のダメージを与えることが出来るSohの勝ち。しかし、引けなければ小倉の勝ちだ。

    そして、サイクリングのドローが…

    《森/Forest》!

    Terry Soh 2-0

    《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》をはりながらも敗れてしまい、もはや崖っぷちの小倉。はたして挽回はなるだろうか。

    Game 3

    先手小倉は《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》、《山/Mountain》とセットして2ターン目にはその《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》でアタック。3ターン目には《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》をはしらせた。たいしてSohは3ターン目に《霊体の地滑り/Astral Slide》をファーストアクション。

    4ターン目に小倉はセット《山/Mountain》から《つつき這い虫/Clickslither》召喚でアタック宣言。これによってライフは12対20という状況になった。小倉攻勢。

    5ターン目には《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》と《隔離されたステップ/Secluded Steppe》がサイクルされ、《霊体の地滑り/Astral Slide》起動。小倉はコンバットダメージを与えることが出来なかった。しかし、ここで《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》をプレイだ。

    さて、Terry Sohは《稲妻の裂け目/Lightning Rift》をプレイし、《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》サイクリングで《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を焼き殺しつつ、《つつき這い虫/Clickslither》をゲーム外へ。小倉はこうして迎える6ターンの行動について深く考え込んだ。状況を整理すると、

    ハンド:
    《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher
    《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》
    《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》
    《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》*2

    マナソース:
    《山/Mountain》*3
    《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus

    ライフトータル:
    小倉=18 Soh=10

    数分後。ここで小倉は《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》をプレイしてターンを終えた。しかしSohは即《酸化/Oxidize》で応じてターンを返してくる。

    小倉はここで《つつき這い虫/Clickslither》アタック宣言。ドローしたカードはちなみに《火花鍛冶/Sparksmith》だ。今度はこの戦闘中にSohが長いこと思案を巡らせることに。そして《めった切り/Slice and Dice》サイクリングで《稲妻の裂け目/Lightning Rift》起動分の2点とあわせて《つつき這い虫/Clickslither》を除去。しかしながら、小倉 陵はこの戦闘後に2枚目の《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》と《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》をプイしてターンを終えた。そう、2枚目の《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》だ。

    Sohのアップキープには4点の《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》ダメージが襲い掛かり、残りライフ4。Sohはメインステップに《平穏な茂み/Tranquil Thicket》サイクリングで小倉のライフを攻撃しつつ解決策を、ないし延命策を模索。

    するも…かなわなかった。

    小倉 1-2

    さあ、反撃の狼煙だ。

    Game 4

    後手小倉は開幕ターンに《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》。これが2ターン目にアタックし、戦闘後にセット《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》から《火花鍛冶/Sparksmith》召喚。ここでSohは《新たな信仰/Renewed Faith》サイクリング。3ターン目にはセット《シヴのオアシス/Shivan Oasis》だ。

    小倉は3ターン目に《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》召喚から全軍突撃。Sohのライフを17点に。しかし、この戦闘後にSohは《新たな信仰/Renewed Faith》サイクリングから4ターン目にきっちりとセット《平地/Plains》。もちろんここで《神の怒り/Wrath of God》。かくて、ライフを19という安全圏のままで盤面に静寂を取り戻したのだった。

    さて、《神の怒り/Wrath of God》をうたれた直後の後手第4ターン。小倉はセット《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》の後に深く考え込んだ。

    ハンドは:
    《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher
    《つつき這い虫/Clickslither》*2
    《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》

    結局、ここで小倉は《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を設置してターンを終える。

    するとSohは5ターン目のメインステップに《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》サイクリングからセット《森/Forest》。小倉はここでセット《山/Mountain》からの《つつき這い虫/Clickslither》アタックで応じる。ライフ16。このターンエンドにSohは《平穏な茂み/Tranquil Thicket》をサイクリング。ここで見事に引き当てた2枚目の《神の怒り/Wrath of God》詠唱から《銀騎士/Silver Knight》召喚だ。

    アクションを起こしたい小倉のここでのドローは《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》。《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》を起動してのアタックとあわせてターンを終える。対するSohはまず《銀騎士/Silver Knight》でアタック宣言。ライフが15対18に。この戦闘後にSohは《永遠の証人/Eternal Witness》を召喚して《新たな信仰/Renewed Faith》を回収し、ターンを終えた。

    日本の若虎はここでドロー《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》。これと《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を召喚してアタック宣言。文字通りに総員をレッドゾーンへと送り込んだ。そして、ここでもSohは先ほど同様に《司令官》を《証人》で相打ちにしとめることを選択。6点のダメージを受けて、Sohはライフトータルが11に。

    Sohはここで《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》を召喚して、やや不足がちだった緑マナのソースとして《森/Forest》を調達してターンエンド。

    そして、ここで小倉のドローが《火花鍛冶/Sparksmith》。小倉はまたも長く考え込むのだが、先ほどお伝えしたとおり、小倉のハンドにあるのは先ほど紹介したときの《つつき這い虫/Clickslither》とこの《鍛冶》の2枚。マナソースは3枚の《山/Mountain》と2枚の《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》だ。

    小倉はここで《火花鍛冶/Sparksmith》をプレイ。《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》の恩恵によってこれを即座に起動して《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》を除去しにかかった。小倉自身は6点のダメージを受け、この《火花鍛冶/Sparksmith》を《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》によって赤マナとしてから《つつき這い虫/Clickslither》を召喚。総員での突撃を宣言した。

    ここでSohは悪の元凶である《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を《銀騎士/Silver Knight》でブロック宣言。これを受けて小倉がいっきにゴブリンの群れを《つつき這い虫/Clickslither》にむさぼらせると、たまらずSohは《新たな信仰/Renewed Faith》を素でキャストしてゲイン6。そんな応酬によってライフは4点という水準になった。

    こうなると《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》に致死性を感じるSohが自ターンメインステップに《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》2枚を連続でサイクリング。必死に《酸化/Oxidize》へのアクセスを試みた。それでも引けない。Sohはさらに《隔離されたステップ/Secluded Steppe》をサイクリング。引けず。

    結局ここで《永遠の証人/Eternal Witness》を召喚し、墓地の《永遠の証人/Eternal Witness》を拾うというプレイを選択したTerry Soh。小倉の眉間のあたりを見えながら、腹を括ってターンを渡す。

    そして、もちろん、小倉はここで《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》起動した。

    対象はあなたに。さて、肝心のダメージは

    …4点!

    小倉 陵 2-2

    Game 5

    そして、Terry Soh、先手ダブルマリガン! 

    小倉はここで追い風を、いや、神風をつかまえられたのだろうか。周囲はこの決着戦での出来事にどよめく。ところで、小倉は後手の自分に与えられた初手を深く深く考え込んでいた。

    小倉の初手候補:
    《山/Mountain》*3
    《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus
    《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》*2
    《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》

    そして、結局小倉はこれをマリガン。ここでマリガン宣言後にライブラリーをめくると…《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》、《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》、《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》というカードが順番に積まれており、小倉は悲鳴をあげる。

    しかしながら、テイクマリガン後のハンドもまずまずの内容で、少なくとも先手ダブルマリガンの三色コントロールデッキよりは十分に明るいものだった。

    T1:《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》
    T2:《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
    T3:《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》

    高速発進を遂げる名古屋の若虎。それでも、Terry Sohもダブルマリガンスタートながら、きっちりと先手第4ターンに《神の怒り/Wrath of God》。決勝ラウンドに勝ち進んだのは伊達ではない。

    しかし、ここで本領を発揮したのが小倉だった。ここで《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》と《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》を召喚し、続くターンにこれがアタック、ライフ8。そして《弧炎撒き/Arc-Slogger》を召喚して力強くターン終了宣言だ。

    もはや悟りきったような表情のTerry Sohは力なく微笑みながら《永遠の証人/Eternal Witness》を呼び出して、墓地の《神の怒り/Wrath of God》を回収。肩をすくめる。そして、ターンを渡された小倉 陵が《弧炎撒き/Arc-Slogger》の起動コストとしてライブラリーをめくりはじめると、彼は右手をすっとのばしてきたのだった。

    小倉 陵 3-2
    準決勝進出!


    Ryo Ogura
    Worlds 2004 Top 8 / Goblins


    Terry Han Chuen Soh
    Worlds 2004 Top 8 / Rift Slide



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