Sunday, March 5: 3:37 p.m. - 準々決勝 : Mark Herberholz(アメリカ) vs. Osyp Lebedowicz(アメリカ)
by Keita Mori
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Two of America's finest battled in the quarterfinals
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常夏の島ハワイで陽気なアメリカン対決が実現。双方ともに最新セット「ギルドパクト」の登場ギルドをフューチャーしたデッキでの晴れ舞台である。
まず、この準々決勝のマッチアップで優位にたっているといわれるのが赤緑の「グルール・ビートダウン」デッキだ。1マナ域11体、2マナ域8体、3マナ域4体、4マナ域4体という美しいマナカーブを描いてアタッカーたちが搭載されており、そこにはユーティリティだとかマナブーストといったぬるい要素は皆無。
たとえば、赤緑デッキの1マナ域というと《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を真っ先に連想してしまうのが一般的だが、Mark Herberholz(マーク・ハーバーホルツ/アメリカ)の下した決断は生半可なものではなかった。彼が選抜したのは《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》、《密林の猿人/Kird Ape》、《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka》といった攻撃性に特化したダメージソースのみ。とにかく、暴力と火力というコンセプトを徹底的に突き詰めたデザインとしたのだ。そして、その決断が功を奏してのベストエイト進出となり、これでMarkのプロツアー・サンデーは3回目になる。
対するは、今年度「デッキ構築の天才」Mike Floresからプロツアー・ヴェニス王者のOsyp Lebedowicz(オシップ・レベドウィッツ/アメリカ)に託された青赤の「イゼットロン」デッキ。「トロン」というのは「ウルザトロン」の略で、第9版にも引き続き採録された悪魔の特殊地形、「塔・鉱山・魔力炉」の三位一体で莫大なマナを供給するウルザランドだ。このシステムを活用する青赤のデッキである。実際、豊かなマナをバックボーンとしてパワースペルを乱打するというモードに移行してからの動きは圧巻というしかない。ただ、三位一体を完成させるまでの時間的猶予という意味で、あまりにもMarkのダメージ効率が優れているのが気になるところなのだ。
「このマッチアップに勝てるくらいの輝きを見せてくれるなら、Osypはそのまま二つ目の栄冠を手に入れてくれると思う」とはMike Floresの言葉で、多くの有識者やOsyp本人もこれを肯定する。
Mark 「少しこっちが有利だと思うけど、たぶん引き勝負だね。オレが今ラッキーガイであることを見せたいね」
Osyp 「同感だね。ドロー次第。まあ、なんにしてもアメリカ人にプロツアーチャンプをとってほしいとこだな」
Mark 「だね。このプロツアーは日本人に遠慮してもらおう。…って、今回日本人が全滅なんだった(笑)」
ちなみに、Osyp LebedowiczはMBA(経営管理学修士課程/Master of Business Administration)を取得すべく勉強中、対するMark Herberholzも大学生という身分である。
Game 1
はたして、グルール軍団の猛攻をOsypはさばききれるだろうか。
…なんて思っていると、史上まれに見るハイスピードKOが緒戦で展開されることになってしまった。試合時間が一分を間違いなく切った、文字通りの秒札劇をご紹介しよう。
後手のMarkが《山/Mountain》と《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》をプレイして《密林の猿人/Kird Ape》の二連打という立ち上がり。《森/Forest》でもある《踏み鳴らされる地》のおかげで凶暴な猿は2/3という素晴らしいサイズに膨れ上がる。
すると、テイクマリガンスタートだった先手のOsypが《ウルザの塔/Urza's Tower》、続いて《ウルザの塔》2枚目、そして《ウルザの鉱山/Urza's Mine》という色マナの出ない土地を3ターン連続でプレイ。そしてまったく呪文をプレイできないのだ。
…ここでOsypはおもむろにデッキを片付けだした。
Mark 1-0 Osyp
Mark Herberholzのサイドボーディング:
OUT -2《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》 -3《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》
IN +2《帰化/Naturalize》 +2《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》 +1《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》
Osyp Lebedowiczのサイドボーディング:
OUT -1《強迫的な捜索/Obsessive Search》 -1《火想者の発動/Invoke the Firemind》 -1《連絡/Tidings》 -2《押収/Confiscate》
IN +2《紅蓮地獄/Pyroclasm》 +2《撤廃/Repeal》 +1《降る星、流星/Ryusei, the Falling Star》
Game 2
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All of the humor drained out of Osyp's face after falling behind
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続けて先手を取るOsyp。もちろん、この試合も先手を選び、マリガンなく手札をキープ。もっとも、先程の不本意な秒札劇もあって不満げな表情だ。
後手Markの《山》セットからの《密林の猿人》召喚によってゲームは幕を開け、先手Osypは《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》のカウンターを取りのぞいて赤マナをうみだし、《猛火/Blaze》1点で除去。しかし「基本でない土地渡り」をもつ2マナ2/1クリーチャーである《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》がすぐさまグルール軍後続として登場した。
マナを整えないことにははじまらないのがイゼットのOsyp。彼は3ターン目に《イゼットの印鑑/Izzet Signet》を置き、アタック宣言のみでMarkがターン終了を宣言したところで《時間の把握/Telling Time》をプレイ。ここでOsypがライブラリーの上へと手を伸ばそうとすると、Markがそれ制止した。レスポンスで狙い済ました《帰化/Naturalize》、対象は《イゼットの印鑑》。実にきびきびとした序盤の攻防であった。
さて、《天戸》のカウンターを使いはたし、《印鑑》も破壊されてしまっていたOsypがようやっと次なる色マナにめぐりあったのが5ターン目で、セット《シヴの浅瀬/Shivan Reef》。Markが2体目の2/1《ドライアド》を戦線に追加したところをめがけて、《紅蓮地獄/Pyroclasm》を鮮やかに決めた。「イゼットロン」としては、《電解/Electrolyze》や《紅蓮地獄》といった呪文で2体以上のクリーチャーを相討ちにとれるというのは最高の展開である。
しかし、ゲームの動きはまだまだ激しいままだ。
Mark Herberholzの手札からは次なる脅威がすぐさま登場する。もっとも、今回は叩き割ってやるべきアーティファクトが見あたらない《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》である。これに対してOsyp Lebedowiczも《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を召喚してプレッシャーをかける。タップアウトなら、とMarkは《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》を召喚。このクリーチャーは《メロク》の「空民能力」の起動すらもダメージ誘発ソースとしてしまうという3/4クリーチャーだ。
Osypは《強迫的な研究/Compulsive Research》をプレイして手札補充を画策するが、ここにきて土地が5マナでストップしてしまうという痛恨の事態。せめて《メロク》の「空民能力」のコストで《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》を手札に戻して色マナ供給のためのカウンターを補充しようと試みたいところだが、なぜかここで手札に「隣の」ウルザ地形を戻してしまう。
もちろん、友達とのカジュアルな試合であれば「ごめんごめん。もちろん戻すのは《天戸》ね」で済むのかもしれないが、ここは栄光のプロツアー・サンデー。Markが「さすがにやりなおしは認められない」とバッサリと切り捨てると、ジャッジもそれを支持することになる。
この試合、Osypは一度もカウンター(=打消し)呪文を使っていない。否、使えていない。そして、ここでの(無色マナしか残せなくなるという)不用意なミスの果てに、Markの手札からは《黒焦げ/Char》が飛んでくる。あわれ、神河ブロックを代表とする5マナのカードが、たった3マナのインスタント火力と等価交換ということになってしまった。《メロク》の首級をあげたいま、グルールの血なまぐさい宴が再開される。
それにしても、土地が5マナ域でストップしてしまうときに限って……なぜに手札にはうらめしくも6マナのカードが控えているのだろうか。
《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》を握り締めながら、Osyp投了。
Mark 2-0 Osyp
Game 3
アメリカ屈指の人気プレイヤーが早々に敗退してしまいそうだということで、メインカメラがこのテーブルへとやってくる。しかし、試合がテレビマッチになったことによって息を吹き返してしまうのだから…Osypは何とも面白いプレイヤーである。
またしても先手マリガンというスタートとなったものの、Osypは決して崩れない強さを見せた。先陣をきった《密林の猿人》を《撤廃/Repeal》でバウンスし、《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka》と再召喚された1/1の《猿人》にめがけて《電解/Electrolyze》をプレイ。さすがに《ルサルカ》はその身を弾丸にかえて飛び掛ってきたが、ここまでの脅威をコントロールできている。
今回はなかなか緑マナがMarkに来ないため、《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》もアーティファクトを破壊できない展開である。かくて、《イゼットの印鑑》のおかげで5ターン目に6マナ域へ到達し、待望の《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》へとつないだOsyp。
一方のMarkもここから待望の緑マナとして《カープルーザンの森》を引き当てて《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》連打で応じる。…が、ここでOsypは絶妙の《差し戻し/Remand》で時間を稼ぎ、2/1《悪党》を《紅蓮地獄/Pyroclasm》で葬る。Markは《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》で本体を狙撃してから、速攻をもつ《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》を召喚。《ヒヨケムシ》と《シャーマン》2体による総攻撃を受けて(《京河》が《ヒヨケムシ》を防御)、Osypは残りライフ6点となる。
しかし、ここにきて「塔=魔力炉=鉱山」のセットを完成させたOsypがいよいよ砲門を開いた。蒼龍の一撃で5点、つづけざまに本体へと《猛火》13点!
痛快な逆襲劇の上演となった。
Osyp 1-2 Mark
Mark Herberholzのサイドボーディング:
OUT -2《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》 -2《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》
IN +4《血染めの月/Blood Moon》
※Osyp Lebedowiczは変更せず。
Game 4
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Herberholz was smiling, even after dropping a game
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一度は見せ場を作ったOsyp。しかし、第4ゲームでグルール軍団は驚異的な展開力を我々に見せた。もっとも、またしてもOsypが後手マリガンという憂き目にあっているからこそでもある。
ともあれ、「ラッキーガイ」を自称するMarkは先手開幕ターンに《山》から《密林の猿人》をプレイ。もちろん手札には《森》がある。さっそくここで2点のダメージを与え、「狂喜」条件を満たして3/3となる《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》を追加した。わずか2ターン目を追えた時点で盤上にはMarkに5点分のダメージクロック。そしてOsypに漂うのは不調ムード。
苦しい表情を浮かべながら《時間の把握》をOsypがプレイすると、そこにMarkから《黒焦げ/Char》が飛んでくる。結局、アタッカーたちへの回答を見出せなかったOsypは《強迫的な研究》をプレイしてから《イゼットの印鑑》を設置し、タップアウトを見せた。
「引き勝負」と最初に彼らは語っていたが、実に鮮やかなHerberholzのドローだった。
Mark 「今晩の酒はおごるよ」
Mark Herberholz 3-1 Osyp Lebedowicz
Sunday, March 5: 4:09 p.m. - 準々決勝 : Olivier Ruel(フランス) vs. Maximilian Bracht(ドイツ)
by Kenji Suzuki
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Max Bracht's first Pro Tour Top 8 started against a Level 6 mage
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夢の兄弟同時ベスト8を果たしたRuel兄弟の弟、Olivier Ruel(オリヴィエ・ルエル/フランス)。彼の強さはもちろん全世界に知れ渡っているわけだが、実はそんなOlivierもプロツアーでの優勝経験は無い。昨年からの勢いそのままに、今度こそチャンピオン・トロフィーを手にすることができるだろうか。一方のMaximilian Bracht(マクシミリアン・ブラハト/ドイツ)は、なんと若干17歳。しかしその若さとは裏腹に、すでにかなりの実績を残している強敵である。
デッキタイプ的な話をすると、オリヴィエはオルゾフアグロデッキであり、マクシミリアンはそれとは真逆の《春の鼓動/Heartbeat of Spring》コンボデッキである。オルゾフの軍勢が戦場を制圧するか、それとも大量のマナを生み出す自然の力がクリーチャー達を圧倒するか。
Game 1
ダイスロールで先手を取ったオリヴィエ。2ターン目に勢いよろしく《闇の腹心/Dark Confidant》、3ターン目にはさらに《闇の腹心》を追加と、ビートしながらの大量ドローを目指していく。
しかしながら、ここからめくれていくカードはというと、
・《オルゾフの御曹子、テイサ/Teysa, Orzhov Scion》 ・《酷評/Castigate》 ・《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》
結構痛い。
一方のMaximilianも、1ターン目の《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》から2ターン目の《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》と、土地をそろえていきたいデッキとしては良い滑り出し。痛そうにしているOlivierを見て、《闇の腹心》の攻撃をブロックするときも、ダメージスタック前に生け贄に捧げていく。
そして今度めくれたカードは《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi》。
痛い痛い。Olivierのライフは勝手に7まで減ってしまった。
しかし前のターンに《酷評》で相手のデッキのキモである《早摘み/Early Harvest》を落としているOlivierは、《闇の腹心》2体攻撃によって、血を流して手に入れたこの《大牙の衆の忍び》を場に登場させる。Olivierの手札破壊攻勢により、Maximilianのハンドは2枚まで減ってしまった。
でもOlivierのライフが残り少ないことに代わりはない。まだ場に1体《闇の腹心》が残っている上に、Maximilianから《火想者の発動/Invoke the Firemind》X=4が飛んできて、残りのライフは3と大ピンチ。
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You're not surprising anyone, Olivier
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しかしめくれたのは土地で一安心。さらに《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》まで手に入れたOlivierが、万全の攻撃態勢を整える。Maximilianはなんとか《奇妙な収穫/Weird Harvest》で抵抗を試みるも、そこから動けるだけのマナは残されておらず、1本目はOlivierに軍配。
Olivier 1-0 Maximilian
Game 2
Maximilianはサイドから《大竜巻/Savage Twister》や《紅蓮地獄/Pyroclasm》などのクリーチャー除去を投入。一方のOlivierは《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》でコンボパーツの一掃を目指す。
Maximilianはやはり序盤に《師範の占い独楽》を手に入れつつ《桜族の長老》で土地をサーチ。Olivierも、《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》《闇の腹心》《オルゾフの御曹子、テイサ》といった感じに次々と攻撃陣を繰り出していくが、今回はMaximilianもサイドボードの威力発揮といったところで、なんとか攻撃をしのいでいく。
しかしオルゾフらしく、手札を破壊することも忘れていないOlivierはついにMaximilianの手札を1枚にまで減らすことに成功し、そして1枚残っている、すでに確認済みの《春の鼓動》を《頭蓋の摘出》で根こそぎ除去してしまう。
ライフにはまだ余裕があるMaximilianだが、手札がゼロだと相当辛い。しかし《木霊の手の内/Kodama's Reach》で土地を持ってきながら、なんとか《師範の占い独楽》で良いカードを探しに行く。
そしてOlivierの猛攻によりライフが6まで貼ってしまったところで、ついにMaximilianが動く。手札は2枚からのスタートである。
・土地14枚で14マナ。 ・《幻の漂い/Drift of Phantasms》変成で《早摘み》。これを使って22マナ。 ・《交錯の混乱/Muddle the Mixture》変成で《奇妙な収穫》、ここから《幻の漂い》2枚と《現し世の裏切り者、禍我/Maga, Traitor to Mortals》。
こうなるともう凄い量のマナがMaximilianのマナプールに。コンボデッキの本領発揮である。
さてこの時点ですでに1時間以上の時間が経過。長期戦の予感が漂ってきた。
Maximilian 1-1 Olivier
Game 3
実はこの第3ゲーム、Maximilianは興味深いサイドボードをしている。それは2ターン目に明らかになった。
それは《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》である。ただでさえ土地を持ってくる手段が豊富なMaximilianのデッキ、この凶暴な植物はどんどん大きくなっていくのだ。
そんな中、Olivierが《闇の腹心》《オルゾフの御曹子、テイサ》《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》《残虐の手/Hand of Cruelty》と攻撃クリーチャーを送り出していくと、一方のMaximilianもその攻勢を《桜族の長老》でしばらく耐えた後に《大竜巻》で一掃してみせる。
そして気付けば《殴打蔦の葛》は6/6にまで大きくなってしまっており、なんとか対策を引いてきたいOlivier。そしてとうとう《魂の捕縛/Seize the Soul》を手に入れ、場には《オルゾフの御曹子、テイサ》のおかげで出てきたトークンと併せて、トークンが3体。
しかしマナさえ揃えば、変成という能力はなんと便利なことか。
《交錯の混乱》から《紅蓮地獄》を持ってきたMaximilianは新しく出てきた《金切り声の混種/Shrieking Grotesque》ごとOlivierの軍勢を壊滅させ、そして自らの場には《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》が登場。
Olivierは何とか《屈辱/Mortify》でこれを除去するが、残されたトークン部隊に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》まで加わってしまい、2戦目とは打って変わってMaximilianがクリーチャー戦を制する形で2勝目を手にした。
つまり、Maximilianは、3戦目に大胆なサイドボード戦略をとり、自らのデッキをクリーチャーで殴るデッキに変貌させていたのである。恐るべし。
Maximilian 2-1 Olivier
Game 4
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Olivier had to win the next two to advance
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すでに1時間半以上が経過しているが、まだまだ続く準々決勝。すでに周りの試合はほとんど終わってしまっている。3戦目の相手のデッキの変貌ぶりを見たOlivierは、サイドボードを再確認。
4戦目も、Olivierが繰り出すクリーチャー部隊を、Maximilianが何とかしのぐという形は変わらない。しかし5ターン目に再び《殴打蔦の葛》を手に入れたMaximilianは、さらに《梅澤の十手》を追加して、場に《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》《貪欲なるネズミ》と小さなクリーチャーしかいないOlivierを圧倒するムード。
除去を持っておらず厳しいOlivier、取りあえず《酷評》で2枚ある相手の手札を確認すると…そこには《島》が2枚。つまり場にあるものさえなんとかしてしまえば、活路が見いだせるということだ。希望の光がOlivierを照らし始める。
そしてその2ターン後、ついに待望の除去である《殺戮/Slay》がOlivierの手札に舞い降りる。そうなってしまうと後はデッキに入っているクリーチャー量で勝るOlivierの独壇場である。《梅澤の十手》を対消滅させた後は、《闇の腹心》によってまたウッカリ死の危険が微妙に漂ったものの、優秀なクリーチャー群によってOlivierがMaximilian押し切った。
ちなみにこの最後の局面でOlivierは《頭蓋の摘出》を打ったのだが、そこで指定したのが《幻の漂い》。それを聞いたMaximilian、
「見つからないよ? 入ってないからね。だって必要ないから。」
ということは、4ゲーム目もやはり「クリーチャー・モード」だったということだ。
Olivier 2-2 Maximilian
Game 5
長い、長い準々決勝もついに第5ゲーム。泣いても笑ってもこのゲームの勝者が準決勝に進むことになる。すでに負けてしまっている兄のAntoineの敵を討つためにも、Olivierはここで勝利をものにすることができるか。それとも華麗に変身を遂げるMaximilianのデッキがオロゾフ部隊を翻弄するか。
サイドボードを確認中、Maximilianがなぜかダイスを振っている。
「なんで振ってるかはおしえてあげないけどね」
今度はどっちの形にするかはお楽しみ、と言ったところだろうか。
試合が始まると、Maximilianはお約束のように《師範の占い独楽》から《桜族の長老》。このマッチでは、本当に《師範の占い独楽》の出現率が高い。Maximilianは続いて4ターン目に《曇り鏡のメロク》を送り出し一気に攻め込まんとするが、Olivierは今回は《魂の捕縛》を持っており、しっかりこれを除去。
そしてOlivierはその《魂の捕縛》によって生まれたトークンで攻撃し、さらにはそれが《大牙の衆の忍び》に大変身。
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And more than two hours after they started, Ruel advanced to the semis
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実はかなり手札が減っていく傾向にあるMaximilianのデッキ、この時点で手札2枚、土地はタップアウトという状態になっている。場には《春の鼓動》が出ているだけに、手札にある《早摘み》を《師範の占い独楽》によって守るか否かでかなりの時間悩む。
そして結局この虎の子の《早摘み》を守ることにしたのだが…
そこにはOlivierの《酷評》が待っていたのである。
手札が無くなってしまったMaximilian、一方のOlivierは《大牙の衆の忍び》に《梅澤の十手》を着けて万全モード。
何とか対策カードを持ってきたかったMaximilianだが、結局最後には手をさしのべる以外の選択肢は残されていなかった。
実に2時間15分。この長い、長い死闘を制したのはOlivier Ruel。準決勝では兄Antoineを倒したCraig Jonesが相手。果たして兄の敵を討つことができるか。そして、夢の戴冠を果たすことが出来るのだろうか。
Olivier Ruel 3 - 2 Maximilian Bracht
Sunday, March 5: 7:17 p.m. - 準決勝 : Mark Herberholz(アメリカ) vs. Tiago Chan(ポルトガル)
by Keita Mori
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Herberholtz wasn't convinced by the beach house deck
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先ほどの準々決勝でもご紹介した赤緑「グルール・ビートダウン」のMark Herberholz(マーク・ハーバーホルツ/アメリカ)が、2003年度ポルトガル王者のTiago Chan(ティアゴ・チャン)の「ハウリング・オウル」と対決することになった。
「ハウリング・オウル」もしくは「オウリング・マイン」。これはこのプロツアーでベストエイトに二人のプレイヤーを送り込んだ注目のデッキで、マジック・オンラインを主体として各地で同時多発的に作られていったものだ。《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》と《吠えたける鉱山/Howling Mine》という2枚のキーカードが命名のベースとなっており、バウンス呪文を多用しつつ《疲労困憊/Exhaustion》でロック状態に相手を追い込むことをひとつの目標とするデッキだ。手札は《吠えたける鉱山》と《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》によって増幅され、ダメージソースとしては《黒檀の梟の根付》と《突然の衝撃/Sudden Impact》が採用されている。
ちなみに、予選ラウンドでHerberholzがいくつもの「ハウリング・オウル」を食い物にしてきているのを私は目撃しているのだが、Chanのデッキにはサイドボードに独特の仕掛けがあるので注目したい。
Game 1
ビートダウン相手になんとか先手を取りたかったChan。まずは最初のハードルをクリアするも、テイクマリガン。土地が《蒸気孔/Steam Vents》しかないものの、2マナ域にさえ辿り着けばドローエンジンもバウンスもカウンターもプレイできるという6枚のハンドをキープ。幸いにも、後手のMarkがダブルマリガンを選んだため、初手という意味での不利は小さくなった感もある。
…が、しかし。
一枚っきりで、いわゆるワンランドストップを起こしてしまうChan。
対するMarkはきっちり《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》から《密林の猿人/Kird Ape》をプレイし、2&3ターン目に「狂喜」で3/3《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》を連続召喚という完璧な展開。
準々決勝の対Osyp戦を髣髴とさせる瞬殺KOだった。
Mark 1-0 Chan
Mark Herberholzのサイドボーディング:
OUT -4《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》 -3《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》
IN +2《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》 +2《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》 +2《帰化/Naturalize》 +1《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》
Tiago Chanのサイドボーディング:
OUT -4《吠えたける鉱山/Howling Mine》 -4《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》 -2《脱出/Evacuation》 -2《突然の衝撃/Sudden Impact》
IN +3《マナ漏出/Mana Leak》 +2《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》 +4《不忠の糸/Threads of Disloyalty》 +3《紅蓮地獄/Pyroclasm》
注目したいのはコンボをまるまる抜いていわゆる「変形サイドボード」を果たしたChan。低マナ域のクリーチャーを《不忠の糸/Threads of Disloyalty》でおさえ、《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》でゲームを決めるデッキにスイッチしているのだ。
対するMarkはバウンスを多用する相手だけにクリーチャー・エンチャントメントであるオーラの《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》をサイドアウト。4マナ域と重い《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》も引っ込めている。
Game 2
二度目の先手でChanがゲームをスタート。双方マリガンなく、Chanが《蒸気孔/Steam Vents》から《手練/Sleight of Hand》という立ち上がり。Markの2ターン目の《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》を《差し戻し/Remand》し、3ターン目にも《手練》で手札を整えた。Markの次なる脅威となった《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》も即座に《未達の目》で戻し、再度の召喚を《マナ漏出/Mana Leak》で退けるという具合にして序盤の盤面をコントロールした。
はじめてChanが自軍にそれらしいパーマネントを置いたのが5ターン目で、それは《三日月の神》の召喚だった。その返しにMarkは《密林の猿人/Kird Ape》と《世慣れたドライアド》をプレイ。ゲームが動き始めた。
Chanは6ターン目に《未達の目》で《ドライアド》をバウンスするだけだったが、一方のMarkは《猿人》でアタックしてから一気に3匹の2マナクリーチャーを連続展開。「狂喜」を満たしての《瘡蓋族のやっかい者》2連打と《世慣れたドライアド》だ。もっとも、最後に呼び出された《ドライアド》はChanの《マナ漏出》によって打ち消されることとなる。「渡り」のない《瘡蓋族のやっかい者》であれば、《不忠の糸/Threads of Disloyalty》で対処可能となるのが変形サイドボードのChanである。
願いをこめてChanがプレイしたのは神河世界の青い王者たる《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》。しかし、そこに飛んでくるのは《黒焦げ/Char》。Markのデッキの火力はすべからく「3マナ4点」という規格にあわせて品質管理されているのだ。
そして、Chanの抵抗もここまでとなる。
Mark 2-0 Chan
Game 3
なんとか三連敗だけは避けたいChanがここで意地を見せる。《手練》からのスタートで、2ターン目に《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》を召喚。3ターン目に《踏み鳴らされる地》へと《未達の目》を撃ち込む。
対して3ターン目のMarkが「まだ渡れない」2/1《ドライアド》と1/1《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》によるアタック宣言を行うわけだが、Chanは1/3《神》で1/1《ゴブリン》を討ち取った。もちろん、Markは戦闘後に《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》を3/3クリーチャーとして召喚するのだが、今度こそこれを《不忠の糸》で奪うChan。
Markは攻勢を維持するために《糸》を《帰化/Naturalize》するが、2枚目の《糸》が《やっかい者》のコントロールをふたたび奪う。このあと、2/1《世慣れたドライアド》が3体ならんだところへ《紅蓮地獄/Pyroclasm》。鮮やかな3対1交換を決めるChan。
結局、奪い取った3/3《やっかい者》をアタッカーとして活用し、後続の小粒軍団を2枚目の《紅蓮地獄》でふたたび一掃。今度は1/1クリーチャー1体と2/1クリーチャー1体を葬った。そして、最後は《疲労困憊/Exhaustion》によって自軍の優位を揺らぎなきものとして…Tiago Chanは執念の一勝をもぎとった。
Chan 1-2 Mark
Tiago Chanのサイドボーディング:
OUT -1《未達の目/Eye of Nowhere》
IN +1《脱出/Evacuation》
ここにきてChanが《脱出/Evacuation》を一枚メインデッキへ。
Game 4
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Chan's deck left him options
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先手となったMarkが《激情のゴブリン》に続けて「狂喜」で3/3《瘡蓋族のやっかい者》召喚という立ち上がり。Chanはショックランドからの2点を受けながら《ブーメラン/Boomerang》で3/3《やっかい者》をバウンスする。
このアクションによって《マナ漏出》される心配が無くなり、Markは《糸》で奪われる心配のないアタッカーである《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》を送り出す。これを受け、Chanは《激情のゴブリン》に《糸》を使用した。
4ターン目を迎えたMarkは《シャーマン》での戦闘後に2体の3/3《瘡蓋族のやっかい者》を連続召喚という展開。ご覧のとおり、コスト対効果を大きく向上させるのが赤緑の最新システムである「狂喜」だ。
なんとかChanもそのうち一方を《不忠の糸》で奪い取り、さきほどの《ゴブリン》とあわせて《シャーマン》をダブルブロック。Markは《やっかい者》との相討ちを選び、さらに戦闘後には2/3《密林の猿人》と3/4《シャーマン》2匹目を送り出す。
なんといってもデッキの半数近くがクリーチャーで構成されているだけに、いわゆる波状攻撃を売りに出来るのがMark Herberholtzの「グルール・ビートダウン」。先手5ターン目終了時点で、標的の残りライフは10。
そして、ここからChanに出来たことは《疲労困憊》や《未達の目》での時間稼ぎだけなのだった。
Mark Herberholz 3-1 Tiago Chan
日本で言うところの「ステロイド」系デッキ。その復興を疑う余地なし。
Sunday, March 5: 8:43 p.m. - 決勝 : Mark Herberholz(アメリカ) vs. Craig Jones(イングランド)
by Kenji Suzuki
ついにプロツアー・ホノルルも決勝戦を残すのみとなった。堂々ここまで勝ち上がってきたのは、イギリスのCraig Jones(クレッグ・ジョーンズ)と、アメリカのMark Herberholz(マーク・ハーバーホルツ)である。410名という大勢の参加者に恵まれたこの大会であったが、残されたプレイヤーはたったの2人。彼らが2006年シーズン最初のプロツアー王者の座を賭けて戦うのだ。
さて、このプロツアー・ホノルルはフォーマットがスタンダード構築ということでもとより注目を集めていた大会であったのだが、そのデッキの種類の多様性でも様々な話題を提供していたのは皆さんもご存じの通り。で、そんな中で残った2人が使うデッキはといえば…
かたやCraig Jonesはショック・ランドを駆使しながら白緑赤の動物軍団で相手を圧殺する「Zoo」デッキ。
そして一方のMark Herberholzは、それよりももっと前のめりの、グルール軽量ビートダウンデッキなのである。
ここまでコントロール色の全くない決勝戦もなかなか珍しいのではないだろうか。そして、お互いが前のめりのデッキということは?
そう、まさに「電撃の決勝戦」となるわけである。
6、4、6、5、7。これは何を隠そう、各試合に要したターン数。まさに火花が飛び交う嵐の決勝戦をご覧いただこう。
Game 1
後手のMarkはマリガン。しかしビートダウン同士の戦いなだけに、カードの枚数よりはテンポの方が重要なわけで、対するCraigも油断はしていられない。
1ターン目に《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》からスタートしたMarkに、Craigは《番狼/Watchwolf》で対応。序盤の大きさで言えば、白が入っているだけにCraigに分がある。
Markはその《番狼》を《黒焦げ/Char》で除去しにかかるが、これは《照らす光/Bathe in Light》で防がれてしまう。これも白を入れた事による利点の一つだ。黒焦げにならずにすんだ《番狼》で攻撃した後、Craigは2体目の《番狼》を追加する。
それなら殴り合い上等、とばかりMarkは《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》を出してアタック。この時点でMarkのライフは8、Craigは11。
しかし引き続き狼軍団はMarkに襲いかかる。それでもゴブリンのチャンプブロックによりライフが5になったところで、Markは《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》、《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》を場に追加して、さあこれで守りは万端、と言いたいところだったのだが・・・
《稲妻のらせん/Lightning Helix》から再び《照らす光》が炸裂し、光に守られた狼軍団がMarkを蹂躙していくこととなった。
Craig 1-0 Mark
Craig Jonesのサイドボーディング:
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Facing this guy was going to be hard enough with seven cards!
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IN : +4《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》 +2《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》 +3《狩り立てられたウンパス/Hunted Wumpus》
OUT : +3《古の法の神/Kami of Ancient Law》×3 +3《ショック/Shock》×3 +3《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》×3
Mark Herberholtzのサイドボーディング:
IN : +3《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》 +3《ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooligan》 +2《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》
OUT : -3《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》 -2《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》 -2《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》
Game 2
デッキが両方赤緑を含むビートダウンなだけに、サイドボードの形もかなり似ている。とにもかくにも、2ゲーム目からは《梅澤の十手》というクリーチャー戦においてはまさに超弩級の威力を発揮する伝家の宝刀が登場するわけである。
ところが、2ゲーム目はあっけなく終わってしまうこととなった。
なぜなら、Craigのハンドが1ターン目にすでに3枚しか無かったからである。
最初のハンドにはスペルが2枚だけ、マリガンしてみれば今度は土地が1枚。そこからは土地無し、そしてまたもや土地無し、と、気付いてみればCraigのオープニング・ハンドは土地1枚と《今田家の猟犬、勇丸》、《サバンナ・ライオン》という形になってしまっていた。
どんなに軽いデッキだからと言っても、場にいるクリーチャーがライオンや犬たちだけではどうしようもない。
実にあっさりとMarkが1-1のタイに持ち込むことに成功した。
Mark 1-1 Craig
Game 3
気を取り直して3ゲーム目である。今度は1ターン目《密林の猿人/Kird Ape》から2ターン目《番狼》と気持ちの良い回りを見せるCraig。一方のMarkは《世慣れたドライアド》を送り込むが、これはCraigがサイドから再びメインに戻していた《ショック》によって除去されてしまう。Craigはさらに《今田家の猟犬、勇丸》まで追加して押せ押せムード。
Markは《炎樹族のシャーマン》でサイズ勝負に持ち込みたいところなのだが、これもCraigによって《黒焦げ》に。それではと本命クリーチャー《喧騒の貧霊》で迎え撃たんとするものの、そこでついにCraigの場には伝家の宝刀《梅澤の十手》が現れてしまう。
クリーチャー勝負においてこの伝説の装備品はいかんともしがたい。《番狼》がこの装備品の威力で《喧騒の貧霊》と相打ちとなり、Markが《焼け焦げたルサルカ/Scorched Rusalka》や《炎樹族のシャーマン》を出せば、Craigには《密林の猿人》と《番狼》で迎え撃たれてしまう。
クリーチャーの数でも勝り、そして伝説の装備品を携えたCraigを前にして、Markはカードをかたづけるしかないのだった。
Craig 2-1 Mark
Game 4
2勝1敗となったCraig、ここで一気に勝負を決めてしまいたいところなのだが…
いくらショック・ランド満載で安定した動きを見せることができるとはいえ、ビートダウンの性(さが)と言うべきか。ここでCraigの土地が2枚で止まってしまう。
このゲームでCraigが出したクリーチャーは《サバンナ・ライオン》2体と、《密林の猿人》1体だけ。これでは《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》がついたMarkの《炎樹族のシャーマン》を食い止めるには到底至らないわけで。
ついに電撃の決勝戦は5ゲーム目へともつれ込む事となった。
Mark 2-2 Craig
Game 5
ついに最終戦。Craigは今度は初手に赤マナが出る土地がない。ちょっと悩んだあげく、やはりマリガンを選択する。これが多色デッキの宿命か。
しかしマリガン後の手札はそれほど悪くない。1ターン目《サバンナ・ライオン》から2ターン目《番狼》と、軽快な動きを見せる。一方のMarkは2ターン目に《密林の猿人》で応酬。
まだまだCraigとしてはクリーチャーの大きさ的にもリードしているのだが、ここから、Markのクリーチャーが急激に変貌し始める。
変貌とは、つまり《腐れ蔦の外套》なのである。
まず、《密林の猿人》が5/6となり、その横には《巨大ヒヨケムシ》が。実はCraigはこのゲームも土地が2枚で止まっていたのだが、5ターン目になんとか3枚目の土地を手に入れ、《炎樹族のシャーマン》で抵抗を試みる。
しかしMarkのクリーチャーの進化は止まらない。2枚目の《腐れ蔦の外套》により《密林の猿人》が8/9という超巨大クリーチャーになってしまうと、Craigの小型クリーチャー達にはなすすべがない。Craigはこのサイズに抵抗するべく《狩り立てられたウンパス》を呼び寄せるが、Markの手札から狩り出されてきたのは、なんと《喧騒の貧霊》。
そしてなんと《喧騒の貧霊》にも《腐れ蔦の外套》がついてしまうのである。
8/9の《密林の猿人》、そして8/8の《喧騒の貧霊》。
オルゾフの者たちが陰謀劇を繰り広げ、三日月の出る夜にはフクロウが鳴き声を上げ、そして様々な動物たちが密林を闊歩したホノルル。
波乱のプロツアーを最後に制したのは、血に飢えたグルールの戦士たちであった。
Congratulations! Pro Tour Honolulu Champion, Mark Herberholz!
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