Day 2 Blog Archive

  • Print

TABLE OF CONTENTS


  • Blog - 10:51 p.m.: 日本勢最終順位一覧(二日目進出者)
    by Keita Mori
  • Blog - 10:25 p.m.: Round 16 : 小室 修(東京) vs. Antoine Ruel(フランス)
    by Kenji Suzuki
  • Blog - 9:59 p.m.: Round 15 : 森田 雅彦(大阪) vs. 小室 修(東京)
    by Keita Mori
  • Blog - 9:34 p.m.: Round 14 : 小室 修(東京) vs. Mark Herberholz(アメリカ)
    by Kenji Suzuki
  • Blog - 9:02 p.m.: Pro Player Card Game
    by Keita Mori
  • Blog - 8:21 p.m.: Round 12 : 横井 正樹(和歌山) vs. Jelger Wiegersma(オランダ)
    by Kenji Suzuki
  • Blog - 6:34 p.m.: The Flores File: Our Most Diverse Day One Wrap-up Yet
    by Mike Flores
  • Blog - 5:28 p.m.: Round 11 : 小室 修(東京) vs. 谷口 雄亮(大阪)
    by Keita Mori
  • Blog - 4:01 p.m.: Day 2 Metagame Breakdown
    by Keita Mori
  • Blog - 2:33 p.m.: Round 9 : 斉藤 友晴(東京) vs. Craig Krempels(アメリカ)
    by Kenji Suzuki
  • Blog - 2:15 p.m.: 日本勢プレイヤーリスト(二日目進出者一覧)
    by Keita Mori

  • BLOG

     
  • Saturday, March 4: 2:15 p.m. - 日本勢プレイヤーリスト(二日目進出者一覧)
    by Keita Mori
  • 昨日の観戦記事では日本勢の初日予選通過者数を26名とお伝えしたが、プレイヤーリストの国籍欄にいくつかの不備(たとえば、諸藤がアメリカとカウントされていたりした)があったため、実数が28名であったことをご報告し、ここでお詫びして訂正させていただきたい。

    まずはリストを。

    Pts Rank Name Age Country Deck Deck Designer
    21pts 5 小室 修 24 東京 Greater Gifts 津村 健志
    19pts 15 杉木 貴文 23 富山 Howling Owl 石田 格
    18pts 27 中村 修平 24 大阪 Howling Owl 鍛冶 友浩
    18pts 32 横井 正樹 21 和歌山 GW Greater Good Go Anan
    18pts 33 長谷川 裕信 33 愛知 Orzov Beatdown 長江/奥村
    18pts 43 蔵島 一輝 19 愛知 Eminent Domain 蔵島 一輝
    18pts 47 森田 雅彦 23 大阪 Zoo 藤田 剛史
    18pts 48 谷口 雄亮 20 大阪 Zoo 藤田 剛史
    18pts 54 大礒 正嗣 22 広島 Greater Gifts 津村 健志
    16pts 61 八十岡 翔太 21 神奈川 Yaso Control 八十岡 翔太
    15pts 71 板東 潤一郎 26 茨城 Tron 板東 潤一郎
    15pts 73 斉藤 友晴 22 東京 Sea Stompy 斉藤 友晴
    15pts 81 笹川 知秀 23 福島 Zoo 志村 一郎
    15pts 85 甲斐 翼 24 福岡 Sea Stompy 斉藤 友晴
    15pts 86 射場本 正巳 28 東京 Zoo ストウタクオ
    15pts 88 鍛冶 友浩 22 埼玉 Howling Owl 鍛冶 友浩
    15pts 92 大塚 高太郎 22 愛知 Greater Gifts 津村 健志
    15pts 96 大澤 拓也 21 神奈川 Greater Gifts 津村 健志
    15pts 100 尹 壽漢 24 東京 Sea Stompy 斉藤 友晴
    15pts 102 諸藤 拓馬 24 福岡 Greater Gifts 三原 槙仁
    15pts 104 足立 真吾 24 京都 Orzov Control 藤田 修
    15pts 105 浅原 晃 27 神奈川 Greater Gifts 佐々木 将人
    15pts 113 塩津 龍馬 24 愛知 Howling Owl 石田 格
    15pts 116 岩井 剛士 24 徳島 RGb Beatdown 花岡 俊史
    15pts 122 杉山 雄哉 24 広島 Howling Owl 杉山 雄哉
    15pts 123 津村 健志 19 広島 Greater Gifts 津村 健志
    15pts 128 藤田 修 28 京都 Orzov Control 藤田 修
    15pts 133 三原 槙仁 23 大分 Greater Gifts 三原 槙仁

    ご覧の通り、28名ものプレイヤーが見事に初日の関門を突破しているわけだが、藤田 剛史、森 勝洋、石田 格といったビッグネームが苦杯を舐めていることも同時にわかる。突破者の数は多いものの、いわゆる上位者が少ないというのも今大会の日本勢の特徴だろうか。

    独創的なデッキの製作者として斉藤 友晴は注目を集めている

    そんな中で世界的にも特に注目を集めているのが斉藤 友晴の「シー・ストンピィ」だ。海外では"Ninja Stompy"として紹介されているこの赤緑タッチ青は、なんと75%(4人のうち3人)という高い初日突破率を誇っている。

    また、コントロールデッキを食い物とすべくしてデザインされた青赤のメタデッキ「ハウリング・オウル」の躍進も強い印象を我々に与えてくれる。どのデッキとあたるかで明確な有利不利が存在するだけに、そういった意味での勝負運さえあれば……十分に上位が狙えそうな気配である。コントロールデッキが上位に相当数存在することは間違いないからだ。

    ほかにも、今回はKarsten型の「グレーター・ギフト」デッキのデザイナーとして津村 健志の名前が挙げられていることも興味深い。いわゆる純粋な「使用者」として昨季は大活躍だった彼だが、これからは森 勝洋のようにマルチなタレントで売っていくことになるのだろうか? そのあたり、すべては今大会のパフォーマンス次第だろう。

    また、日本王者の諸藤 拓馬と「CAL」デザイナーの三原 槙仁という九州の名コンビも見事に「グレーター・ギフト」で二日目進出を果たしているわけだが、彼らは思いもかけないエピソードを披露してくれた。

    三原 「本当は一緒に来るはずだった平林さんのぶんまで頑張りますよ!」

    筆者 「……平林 和哉(滋賀)さんのことですよね?」

    三原 「はい! 本当は一緒に遠征するはずだったんですけれど、あまりの体調不良で空港でドタキャンになっちゃいました! なので、彼のぶんまで頑張りますけん」

    そんな事情があったとは。おそらく日本で療養中の平林選手のぶんまで、諸藤&三原コンビには健闘してもらいたいものだ。


     
  • Saturday, March 4: 2:33 p.m. - Round 9 : 斉藤 友晴(東京) vs. Craig Krempels(アメリカ)
    by Kenji Suzuki
  • Craig Krempels vs. 斉藤 友晴

    さあいよいよ2日目のスタート、斉藤は幸先の良いスタートを切ることができるか。斉藤のデッキはMike Floresが称するところの「忍者入りZoo」。火力はあまり入っておらず、そのかわりに《マナ漏出/Mana Leak》や《差し戻し/Remand》などのカウンターが搭載されているちょっと変わったデッキである。対する元全米王者のCraigはオルゾフコントロール。

    さあ、ゲーム開始・・・というところでジャッジから「デッキチェック」。ちょっと一休み。

    Craigのスリーブに若干に問題があったが警告が出るにとどまり、気を取り直してゲームスタート。ダイスロールの結果、1ゲーム目はCraigが先手。

    Game 1

    序盤の《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》をカウンターした斉藤は、場に《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》を送り出すが、これは《屈辱/Mortify》される。Craigの場にクリーチャーが出てこないのを見て、斉藤は本体に《電解/Electrolyze》。対してCraigは2枚目の《ファイレクシアの闘技場》を試み、これは成功。

    相手もドローならこちらもドローと、斉藤は1ターン目に出していた《極楽鳥/Birds of Paradise》から忍術で《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》を登場させ、ドロー能力でも負けていない。さらに《密林の猿人/Kird Ape》を追加し、クリーチャーは斉藤の場に2体だけ。

    ここでCraigはしばしの長考。そして6マナ分ある土地を全て使って《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》。しかしこれは斉藤に《マナ漏出》される。返しで斉藤のクリーチャー2体が攻撃。

    さらに、《荒廃の思考/Thoughts of Ruin》が炸裂。お互いの土地が4枚ずつなくなる。Craigは「それは厳しいなー」と一言。

    しかし実はと言えば、2マナ出る土地を持っていたCraigは、斉藤が《極楽鳥》を出した後に、土地セットから《神の怒り/Wrath of God》で場をきれいにしてしまう。手札に土地しかない斉藤は逆にこれで厳しくなってしまった。

    何とかしたい斉藤は《深き刻の忍者》をトップ。Craigは《ディミーア家の護衛/Dimir House Guard》を場に出す。斉藤も《密林の猿人》を追加するが、対するCraigは《深き刻の忍者》に《信仰の足枷/Faith's Fetters》。

    その後斉藤は《Rambling Slum》を場に出すが、対してCraigは《債務者の弔鐘/Debtors' Knell》から《夜の星、黒瘴》をつり上げ、さらには斉藤の《喧騒の貧霊》を《屈辱》と、一気に形勢逆転。毎ターンクリーチャーが復活してきてはたまらない。

    さらに《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》まで追加したCraigが、このまま1試合目をものにした。

    Craig 1-0 斉藤

    Game 2

    斉藤は《脳髄の渦/Cerebral Vortex》3枚と《帰化/Naturalize》2枚をサイドから投入。自らに気合いを入れて、逆転勝利を目指す。

    土地2枚《極楽鳥》2枚《密林の猿人》2枚と忍者、という超軽量ハンドをキープ。順当に《極楽鳥》から2ターン目に《密林の猿人》を2体場に出し、一気にビートダウンモードへと突入する。Craigは「スローダウン、スローダウン」と苦笑い。

    全員で攻撃しながら《極楽鳥》は忍者に化け、さらにCraigの《オルゾフの印鑑/Orzhov Signet》を《帰化》で割って、マナを縛りつつクリーチャーで殴るという理想的な形に。気付けばCraigのライフはすでに8。

    結局忍者は《信仰の足枷》で対処されるも、斉藤の手札にはなんともう2枚の《深き刻の忍者》が。猿軍団は忍者軍団へと変貌を遂げ、ビートダウンしながら大量のカードを手に入れた斉藤は、一気に2ゲーム目をものにした。

    斉藤 1-1 Craig

    Game 3

    ここで斉藤はマリガン。しかしマリガン後の手札もノーランドと、ここに来てなんともついていない。

    それでもダブルマリガン後に何とかまともなハンドを手に入れた斉藤は、1ターン目《密林の猿人》から2ターン目《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》、さらに2体目の《密林の猿人》となんとか攻めていく。しかし《梅澤の十手》は《信仰の足枷》され、さらに《神の怒り》により猿軍団は全滅し、厳しい状態に。

    すでに十分なマナを確保しているCraigは、《ディミーア家の護衛》変成から《神の怒り》をサーチし、さらに万全の守りを固めていく。

    斉藤の手札には《差し戻し/Remand》2枚、忍者、《脳髄の渦》。場には土地2枚、《極楽鳥》2枚。相手のエンドに《脳髄の渦》でなんとか良いカードを引いてこようとするも、引いてきたのは土地2枚。通常ドローもやはり土地で、ちょっと厳しい顔。

    Craig Krempels

    Craigは《極楽鳥》2枚を流そうと、《神の怒り》。これを斉藤が《差し戻し》。再び《神の怒り》そしてこれも《差し戻し》。さすがに3回目を打つマナは残っていない。

    しかしそれでもなかなか良いカードを引いてこれない斉藤。《極楽鳥》を忍者に変身させてカードをさらに手に入れるが、相手の手札には《神の怒り》があるのが分かっているので、うかつにクリーチャーを並べるわけにはいかない。

    と、ここまでずっと受け身のプレイングだったCraigだが、ついに《夜の星、黒瘴》で攻めに転じる。それならと斉藤は《喧騒の貧霊》で応戦。この時点で斉藤のライフは14、Craigは20。

    《夜の星、黒瘴》が攻撃した後、《神の怒り》で斉藤のライフは合計10点削れ、これで4に。Craigの場には《取引の教会、オルゾヴァ/Orzhova, the Church of Deals》があり、Craigは勝利へのカウントダウン状態に。

    《喧騒の貧霊》で何とかしようとするも、こいつは自分にもダメージを与えてしまうわけで、結局このままCraigに押し切られてしまうこととなった。

    Craig 2-1 斉藤


     
  • Saturday, March 4: 4:01 p.m. - Day 2 Metagame Breakdown
    by Keita Mori
  • 海を越えてホノルルへとやってきたデッキ分布についてご紹介しよう。なお、基本的にデッキのアーキタイプの名前は本場仕様(海外圏での呼び名)をそのまま使用させてもらうのでご留意あれ。

    以下でご紹介するのは金曜日(予選初日/ Day 1)に参加した410名のフィールドの中で、使用者が5名以上存在した主要アーキタイプ19種だ。そして、それぞれの中から何人が土曜日(予選二日目/ Day 2)に勝ち上がったのかを併記してある。

    Decks Day 1 Day 2 予選初日突破率
    Zoo 55 15 27.27%
    Orzhov Descent 27 15 55.56%
    Roxodon Hierarchy 47 13 27.66%
    Orzhov Aggro 38 11 28.95%
    Greater Gifts 27 10 37.04%
    Izzetron 26 9 34.62%
    Howling Owl  (=Owling Mine) 15 9 60.00%
    For Whom the Knell Tolls 19 7 36.84%
    Bad Religion 19 6 31.58%
    U/R Wildfire 11 6 54.55%
    Ghazi Glare 10 6 60.00%
    Gruul Beats 18 4 22.22%
    Greater Good 9 4 44.44%
    Ghost Dad 5 4 80.00%
    Heartbeat Combo 13 3 23.08%
    Boros Deck Wins 5 3 60.00%
    Eminent Domain 5 2 40.00%
    Enduring Ideal 6 1 16.67%
    Gifts Control 7 0 0.00%

    ■オルゾフの躍進

    最新セットでフューチャーされている最新ギルドの一つが白黒の「オルゾフ」。期待通りにホノルルではこのカラーコンビネーションが活躍している。なんと、ビートダウンとコントロールをあわせると410人のうち103名が黒白という二色を選択しているのだ。

    ■攻撃的なオルゾフ

    今回のデッキ分布における集計では、この系統のデッキを《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro》の有無によって「末裔型オルゾフ(Orzov Descent)」と「オルゾフ・アグロ(Orzov Aggro)」に分類してある。これは、このカードの有無で攻撃的なデッキに対する勝率が大きく異なっているためだ。

    初日のフィールドでは最多勢力であるかのように見えるビートダウンが赤緑白の「ズー(Zoo)」だが、「末裔型(Descent)」と「アグロ(Aggro)」の二つを大雑把に「オルゾフ・ビートダウン(Orzov Beatdown)」と括った場合、「ズー」はそれらに次ぐ第二の勢力ということになる。

    もっとも、二日目に勝ち上がった「勝ち組」の数をカウントすると、各種「オルゾフ」に軍配があがるのは明らかだ。特に、ほとんどのビートダウンデッキの二日目進出率が30%未満である中で、「末裔型オルゾフ」は55%という二倍近い数字をたたき出していることが印象的である。

    ■オルゾフ・コントロール

    「バッド・レリジョン(Bad Religion)」と「誰がために鐘はなる(For Whom the Knell Tolls)」という名前で分類されているのが二つの「オルゾフ・コントロール」だ。名前からご想像いただけることと思うが、ズバリ《債務者の弔鐘/Debtors' Knell》の有無によってこれらは分けられている。ちなみに、日本勢からは藤田 修がこのデッキをデザインしてホノルルに参戦しており、友人の足立とともに二日目に勝ち上がっている。

    また「ゴースト・ダディ(Ghost Dad)」と呼ばれる《脂火玉/Tallowisp》をキーとしたスピリット=クラフトデッキもオルゾフカラーの強力なオーラをフューチャーして注目を集めている。これはマジック・オンラインのとあるクランが開発したという名作で、なんと二日目進出率が80%という驚異的な数字なのである。

    ■「ザ・ロック」ならぬ…

    今大会から「ロクソドン・ヒエラルキー(Roxodon Hierarchy)」と分類されるようになったのが、《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》を中核としたパワーカードのつめあわせともいうべき白緑黒のデッキだ。これは「オルゾフ」2種や「ズー」といったビートダウン各種に次ぐ勢力となっており、注目の存在だ。

    ちなみに、綴りが《教主》のようにLox~ではじまらないのは、エクステンデッドで有名なアーキタイプである 「ザ・ロック(The Rock)」とかけているようだ。「ロクソドン・ヒエラルキー」略して「ザ・ロックス(The Rox)」というわけ。

    たしかに、両者には共通点も多い。強固なマナベース、強力な除去、優良ファッティといったパワーカードをつめこんで構成されている。また、調整によって手札破壊が増えたりするところも似通っている。

    そんな、現代のスタンダード版「ザ・ロック」である「ロクソドン・ヒエラルキー」は二日目のフィールドでも初日と変わらぬ第三の勢力というポジションを誇っている。初日の試合で登場したYMG総帥Robert Dougherty(ロバート・ドハティ/Roberty Dougherty)などのデッキがこのタイプだ。

    ■ハウリング・オウル

    「ハウリング・オウル(Howling Owl)」ないし「オウリング・マイン(Owling Mine)」。どちらも《吠えたける鉱山/Howling Mine》と《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》という2枚の象徴的なカードをとってのネーミングだ。

    《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》と《吠えたける鉱山/Howling Mine》をならべてお互いの手札をあふれかえらせながら、《ブーメラン/Boomerang》、《未達の目/Eye of Nowhere》、《疲労困憊/Exhaustion》といったカードで相手の展開力を封じ込める。そして、《突然の衝撃/Sudden Impact》や《仇麻呂の凝視/Gaze of Adamaro》、さらに《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》でダメージをたたき出す。調整によって《双つ術/Twincast》の投入されたバージョンも多い。

    日本では鍛冶 友浩のバージョンと石田 格のバージョンが活躍を果たしており、高い二日目進出率を誇っている。

    ■けち時代は果たして…?

    昨シーズンPlayer of the Yearの津村 健志、世界王者の森 勝洋、プロツアー・フィラデルフィア王者のGadiel Szleifer(ゲイディエル・シュライファー/アメリカ)、「アジア最強」大礒 正嗣 、「ザ・リスト」のFrank Karstenといった名手たちが揃って活路を見出そうとしたのがオールドスクールテイストな《けちな贈り物/Gifts Ungiven》系コントロールだ。

    とくに日本勢の中にはKarstenの「グレーター・ギフト」を選択したプロツアー常連プレイヤーが多く、たしかに二日目に勝ち上がったものも多い。しかし、上位に行けば行くほど「けち」には厳しいマッチアップが多くなっていくのも事実のようだ。

    「イゼット・トロン(Izzetron)」、「アネックス・ワイルドファイア(Annex Fire/Eminent Domain)」といったアーキタイプ各種を含め、いわゆる既知の、正体の知れ渡っているコントロールデッキ各種がどこまで上位に食い込めるかも注目したいところだ。


     
  • Saturday, March 4: 5:28 p.m. - Round 11 : 小室 修(東京) vs. 谷口 雄亮(大阪)
    by Keita Mori
  • 谷口 雄亮

    10戦終えての8勝2敗という好位置で相対する二人の日本人の戦いをご紹介しよう。注目の対戦(Feature Match)ではないのだが、今大会やや低迷気味の日本勢の中で奮闘する両者の戦いだ。

    挑戦者、谷口 雄亮は大阪の新鋭で、プロツアー予選大阪大会を突破して国際戦デビューをはたしたばかりという若武者だ。しかしながら手にする刀は「銘入り」で、藤田 剛史に磨かれた赤緑白の「ズー(Zoo)」とともにジャイアント・キリングを狙う。

    対するは正真正銘のチャンピオン、プロツアー名古屋王者の小室 修(東京)。東名圏最大のコミュニティである「マジック虎の穴」(別名なかちか邸)で鍛えられた「グレーター・ギフト」を手に、彼は二度目のプロツアー・ベストエイト入賞を虎視眈々と狙っている。

    Game 1

    果敢に攻めたい「ズー」谷口だったが、無念にも2マナでストップしてしまう。《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》、《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》、《番狼/Watchwolf》と展開すれど、それに続けて気持ちよく火力を打ち込んだりできない流れなのだ。

    一方、残酷にも小室は《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》をすばやく展開して最序盤のライフ喪失を取り戻し、アタックを開始。あわれ、動物園の犬や狼は……象を討ち取るためにダブルブロック要員となってしまう。

    そして、相手が事故れば事故るほどに冴え渡る豪腕。

    華麗に《けちな贈り物/Gifts Ungiven》をプレイし、鮮やかに必要なカードを調達。あっという間に《よりよい品物/Greater Good》と《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》によるロックを完成させ、谷口動物園を倒産させた小室なのだった。

    小室 1-0 谷口

    Game 2

    《密林の猿人/Kird Ape》2体に《番狼/Watchwolf》という猛獣軍団とともに谷口動物園が再度開園。今度は先程のような一方的な展開にはならないといいが…

    と、思っていたら。

    小室は2ターン目の《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》から3ターン目に《神の怒り/Wrath of God》。そして4ターン目にも《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》。

    か、完璧だ。

    小室 修

    そしてそのまま豪腕は《よりよい品物/Greater Good》による《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》へとまっすぐにアプローチ。

    か、華麗だ。

    もっとも、そもそものマッチアップ(=デッキ相性)からして動物園は慢性的経営難に陥っているわけだが、「勝ちやすきに勝つ」という案外と難しいハードルを確実にクリアしてみせた小室の力強さは頼もしいものだった。

    さすがは、あのAnton Jonssonを手玉に取った男。

    小室 2-0 谷口


     
  • Saturday, March 4: 6:34 p.m. - The Flores File: Our Most Diverse Day One Wrap-up Yet
    by Mike Flores
  • translated by Kenji Suzuki

    すでにお聞き及びかもしれないが、このトーナメントは本当に多様性にあふれている。どのように分類するかにもよるのだが、プロツアー・ホノルルには実に12種類以上のデッキが存在するのだ。単に色の組み合わせだけを見て、黒白が一番人気だ、というのは簡単だ-黒白およびその発展型のデッキは、おそらく今週出てきたデッキの約4分の1を占めている-しかし、実際の話を聞けば、このホノルルにおけるスタンダードが実に興味深い環境になっているということが分かるだろう。

    では、「黒白デッキ」から始めることにしよう。オルゾフデッキの多様性は、ここホノルル・コンベンション・センターにおいてもっとも幅広いものになっている。《神無き祭殿/Godless Shrine》が搭載されているデッキは、なんと7マナの《債務者の弔鐘/Debtors' Knell》(または《絶望の天使/Angel of Despair》)まで入っているもっとも遅いタイプのコントロールデッキから、《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》や《闇の腹心/Dark Confidant》の2マナクリーチャーで高速ビートダウンを狙うデッキまで様々である。しかし黒白がここまで人気になっている理由は、この両極端のデッキ(実際《オルゾフの印鑑/Orzhov Signet》と7マナスペルが入っているデッキを使っているプレイヤーは2~3人いる)の間に、様々なデッキが存在していることにある。

    一般的な話で言えば、最もビートダウン寄りのデッキにも、最もコントロール寄りのデッキにも、《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》は入っていない。高速デッキであれば《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を「4ターン目のカード」として使用しているし、一方でマナが豊富なデッキは《オルゾヴァの幽霊議員》で恩恵を受けるような他のクリーチャーを持っていないからだ。4マナ4/4は確かに有能だが、自分から生け贄に捧げたくなるようなクリーチャーが一緒にいない限り、《オルゾヴァの幽霊議員》は《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》よりも出しにくく、それでいてそれほど有効なカードではない、ということなのである。

    黒白デッキのプレイヤーの多く、たとえばFranck Canuは、オルゾフデッキに緑をタッチしている。Canuは《化膿/Putrefy》をサイドに、《ロクソドンの教主》をメインに入れてはいるのだが、緑を使っている多くのデッキとは異なり、神河ブロックにある、緑なら当然入っているであろうと予想されるようなカード(《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》や《木霊の手の内/Kodama's Reach》)が入っていない。その代わりに、彼のデッキはかなり「オルゾフ寄り」になっている。このような緑のタッチを可能せしめているのは、素晴らしいラヴニカのランド群なのである。多くのコントロール型オルゾフデッキと同様、Frankのデッキには除去が満載である。除去を延々と繰り返した後、彼のあどけない緑クリーチャーたちが登場したりして、最後には《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》がゲームを決めるわけだ。

    このデッキの華麗さを存分に発揮するために、黒白デッキにはマナ加速手段が必須である。《桜族の長老》の代わりに、彼らはおおむね《オルゾフの印鑑》を使用している。さらに普通の土地の代わりに《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica》も投入されている(タッチ緑をサポートするために、Canuはまた《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》も入れている)。

    ここでクイズ。《希望の盗人/Thief of Hope》、《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》、《オルゾヴァの幽霊議員》の共通点は? 彼らはみんなスピリットなのだ! 神河ブロックのスピリットメカニズムを利用して、Benjamin Peebles-Mundyを含めた少数のプレイヤーは、興味深い武器をいくつか搭載した、黒白《脂火玉/Tallowisp》デッキを使用している。このデッキには黒と白の《群れ》8枚と、《不眠の晒し台/Pillory of the Sleepless》、《弱体化/Enfeeblement》、《不退転の意志/Indomitable Will》、そして《不死の断片/Strands of Undeath》が入っている。《不死の断片》は古典的な2対1交換をするためだと私は思っていたのだが、Ben曰くこのカードは《不快な群れ/Sickening Shoal》で「相手の《曇り鏡のメロク》を殺すため」に入っているのだそうだ。

    Saitou combined Zoo with Ninjas for a ticket to Day Two

    《神無き祭殿》の次に最もプレイされているショック・ランドは、《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》である。第9版における《密林の猿人/Kird Ape》の復活とグルールの登場によって戦うための武器を手に入れた結果、緑赤や3色(もしくは4色)のZoo(動物園)デッキは、一大勢力となっている。去年のResident Geniusであり、そしておそらく世界最高のデッキデザイナーである藤田剛史は、違った形のアグレッシブな赤いデッキを持ち込んでいる。今回彼が導き出した回答は、クリーチャー20枚、火力20枚、そして土地20枚だ。藤田は《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》や《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》などの派手な新勢力ではなく、1マナクリーチャー16枚と、《番狼/Watchwolf》4枚という選択をした。《火山の鎚/Volcanic Hammer》は《稲妻のらせん/Lightning Helix》には疑問の余地を挟むことなく、彼はその両方を投入しているのだ!他のアグレッシブなデッキには、《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》、《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》、そして《照らす光/Bathe in Light》などが搭載されている。最初に言ったように、このフォーマットはまさに多様性に満ちているのである。《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー》を入れるか否か?《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》は?《梅澤の十手》はメインかサイドか?ここホノルルでは、もし同じタイプのデッキと複数回対戦したとしても、その相手が全く同じようなデッキだとは限らないし、その勝ち手段ですら同じとは限らないのである。

    アメリカのプロプレイヤーたちが共通して思っていた事は、日本人プレイヤーが「我々の持っている2つのデッキを融合させて、その1つのデッキで戦う」のではないか、という恐れである。そしてチームOne Spinの斉藤友晴は、驚異的な融合を成し遂げた……「忍者入りZoo」である!レッド・ゾーンを《喧騒の貧霊》と《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》が一緒に駆け抜けていくなどとは、想像だにしなかっただろう。しかし疑問なのは、《極楽鳥/Birds of Paradise》を出した後の2ターン目に3マナスペルが無いのはどうしたことなのだろうか?《Ophidian》が無いのはなんとも悩ましいところだ。

    多くの3色ビートダウンデッキとは異なり、斉藤は《梅澤の十手》をメインに入れている。火力の代わりに、彼は忍者によって豊富になるハンドから、《マナ漏出/Mana Leak》や《差し戻し/Remand》を使用するのである。そして最後に、昔懐かしいアーニー・ゲドンよろしく、この器用な斉藤の「Sea Stompy」デッキにはメインに《荒廃の思考/Thoughts of Ruin》が入っている。《極楽鳥》や《ラノワールのエルフ》、そして常にカードで一杯の手札をバックに、彼はこの「赤いゲドン」の恩恵を存分に享受することができるのだ。

    かなりコントロール寄りになっている環境の中で、多くのトップ・プレイヤーたちは《吠えたける鉱山/Howling Mine》+直接火力という戦術を選択している。レベル6魔法使いである中村修平は、《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》、《突然の衝撃/Sudden Impact》、そして《双つ術/Twincast》を使用し、うしろの2つを組み合わせて、古典的な「あなたに16ダメージ」となるわけである。このタイプのデッキで興味深いのは、プレイヤーがどの程度ビートダウンを想定しているかということである。あるものはどうせzooデッキには勝てないだろうということで、完全にそれを無視している;しかしある者はコントロール相手であればメインだけでも3ゲームにわたって有利に戦えると判断し、15枚のサイドボード全てをこのデッキの対策に充て、1:9の不利をなんとか6:4とかにしようとしている。

    Osyp was the only player to go 8-0 on Day One

    既存のデッキについても、ちょっとした変更がなされている。たとえば多くの日本人プレイヤーは世界選手権でKarstenが使用していた《よりよい品物/Greater Good》《けちな贈り物/Gifts Ungiven》デッキに《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》を入れている。なぜそうするのか?もちろん2ターン目に《明けの星、陽星》を捨てるためだ!

    1日目が終わり、無敗のプレイヤーはたった1人。それは7戦全勝対決でFranck Canuの3色オルゾフデッキを破った、プロツアー・ヴェニスのチャンピオンOsyp Lebedowiczである。Osypは、Andrew CuneoとJosh Ravitzと共に開発した、青赤のウルザトロンデッキを使用している。多くのデッキデザイナーたちは、デッキを作るに当たって比較的小さな、もしくは少なくとも固まった形の、メタゲームを期待している。たとえば去年のフィラデルフィアを思い出してみよう。多くのプレイヤーが環境を決定づけている《梅澤の十手》に対して不満の声を漏らしていた。十手4枚デッキが闊歩するこの環境で偉大なデザイナーである藤田剛史はこの十手戦争を勝ち抜くための手段を見つけ出し、そして最終的には《けちな贈り物》デッキがそのアグレッシブなデッキを喰うに至ったわけだ。

    今回導き出されるであろう法則は、もしその環境に20とかの数のデッキがある場合には、「○○対策デッキ」や「メタゲームを読んだデッキ」などと言った方針でデッキを組むことが出来ないということである。Osypはそのウルザトロンデッキは、たとえて言うなはもしかしたらパーにも勝てるかもしれないグーのデッキを選択し、そしてもちろんチョキのデッキは木っ端みじんに粉砕していくという感じである。青赤のウルザトロンデッキはこの環境において常に強力となる武器を保持している。それは《イゼットの印鑑/Izzet Signet》や特殊地形からくるマナ加速であり、そして-他の強力なデッキが持ち合わせていない-カウンター能力である。結果として、Osypのデッキはこの環境の人気デッキに対して多くの有利な点を保有している。《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》は《オルゾヴァの幽霊議員》よりも全然大きいし、《押収/Confiscate》は《明けの星、陽星》や《よりよい品物》に対する万能薬でもある。

    2日目のメタゲームがどのように変化していくのかは興味深いところである。土曜日も是非MagicTheGathering.comを注目しながら、《照らす光》にサポートされた《密林の猿人》が突き進む姿、黒白デッキの奮闘、そして3つの土地のコンビネーションから《猛火》が炸裂するのを見届けていってほしい。


     
  • Saturday, March 4: 8:21 p.m. - Round 12 : 横井 正樹(和歌山) vs. Jelger Wiegersma(オランダ)
    by Kenji Suzuki
  • 横井 正樹

    現時点で3敗しているものの、タイブレーカーではかなり上位に位置しており、まだまだ希望がもてる横井。デッキはセレズニア・カラーの《よりよい品物/Greater Good》デッキであり、対するJelgerはオルゾフに緑をタッチしたタイプのコントロールデッキ。

    Game 1

    Jelgerは《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》で手札を増やしにかかるが、これに対して横井はメインから入っている《日光女/Nikko-Onna》でそれを破壊。そして、マナ加速のカードが入っているデッキ同士の戦いらしい風景だが、お互い黙々とマナを増やしていく。

    相手から全くクリーチャーが出てこないのを見て横井は《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》を場に。Jelgerはこれを除去したいのだが除去できない。除去してもそれはそれでまた困ったことになるのだが、ともかくこの伝説の飛行クリーチャーがレッドゾーンを駆け抜けていく。

    対するJelgerは《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》を出してなんとか抵抗を試みるも、サイズ的には伝説のドラゴン様の方が上。さらには《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》がついてしまい、場的には横井が圧倒的に有利な状態となってしまった。

    本来であればオルゾフの豊富な除去能力を駆使してこの状況を打開したいところなのだが、ここからJelgerは有効打を何も引かず。結局そのまま横井が押し切って1本目をものにした。

    横井 1-0 Jelger

    Game 2

    2ゲーム目はうって変わって、横井が2ターン目の《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》で先にアクションを起こす。対するJelgerはサイドから投入された《魂の裏切りの夜/Night of Souls' Betrayal》を場に出し、セレズニアお得意のトークン部隊の登場を阻む。

    しかしセレズニアはトークンばかりではない、とばかり横井は《ロクソドンの教主》で再びレッドゾーンを制圧しにかかる。このまま殴らせるわけにはいかないJelgerは、ようやくこのマッチ初めてのオルゾフらしい除去、《神の怒り/Wrath of God》で場を一掃。

    クリーチャーがいなくなったところで横井は《よりよい品物/Greater Good》をトップし、取りあえずこれを場に出す。そしてここからまたしばらくお互いマナを並べていく展開に。

    この膠着状態を打開したのはやはり横井。2体目の《ロクソドンの教主》を場に送り込む。大量ドローされてはかなわない、とそれに対応してJelgerは《よりよい品物》に《帰化/Naturalize》。そして自らも《ロクソドンの教主》を出して横井と相打ちを取った後、ついにその豊富なマナを利用して、《絶望の天使/Angel of Despair》を登場させる。横井はこれで土地を1枚破壊されるが、しかしクリーチャーの有能さでいけばセレズニアは負けていない。《空を引き裂くもの、閼螺示/Arashi, the Sky Asunder》が天使を討ち取るべく登場し、そして絶望の天使が嵐の中に消えていったところで、再び《神の怒り》によって場はきれいになる。

    Jelger Wiegersma

    さて、実は初手に《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》が2枚あった横井、序盤の《魂の裏切りの夜》によって事実上この能力はシャットアウトされていたわけだが、ようやく横井も《帰化》をゲット。これをついに除去して、気付けばきれいになった戦場を胞子の群れが埋め尽くしていく。

    Jelgerはしばらくしてようやく《信仰の足枷/Faith's Fetters》で1つ無効化し、その次のターンには《真髄の針/Pithing Needle》を引いてくるのだが、この時点で場にはすでに胞子が8つ。個別除去しか手札に残っていないJelgerは握手を求めるしかないのだった。

    横井 2 - 0 Jelger

    ちなみに、横井のデッキデザイナーのクレジットはGo Anan。藤田 剛史に確認してみたのだが、今回はホンモノのGo Anan謹製なのだそうである。


     
  • Saturday, March 4: 9:02 p.m. - Pro Player Card Game
    by Keita Mori
  • 皆さんはどのように先手後手を決めているだろう? ジャンケン、ダイスロール、コイントスといったあたりだろうか。カードの束をめくってキャスティングコストの高低を比較するやり方も悪くない。

    どうあれ、一部のプロプレイヤーたちが実際に行っている「一風変わった方法」をここでご紹介しよう。

    写真の左上から右下までに並べられたのは、ラヴニカ・ブロック以降のトーナメントパックやテーマデッキに封入されている「プロプレイヤーカード」。これを強さ順に並べた図というわけである。これを裏向きでシャッフルしてお互いに1枚ずつを選び、それを見せ合う。当然、強いカードを引き当てた方が勝ちだ。

    順位 プレイヤー 国籍
    1 大礒 正嗣 日本(広島)
    2 Gabriel Nassif フランス
    3 Olivier Ruel フランス
    4 Antoine Ruel フランス
    5 森田 雅彦 日本(大阪)
    6 Julien Nuijten オランダ
    7 藤田 剛史 日本(大阪)
    8 Kamiel Cornelissen オランダ
    9 Robert Maher アメリカ
    10 Anton Jonsson スウェーデン
    11 Eugene Harvey アメリカ
    12 石田 格 日本(東京)
    13 Osyp Lebedowicz アメリカ
    14 Terry Soh マレーシア
    15 Raphael Levy フランス
    16 Antonino De Rosa アメリカ
    17 Dave Humpherys アメリカ
    18 黒田 正城 日本(大阪)
    19 Jeroen Remie オランダ
    20 Murry Evans カナダ
    21 Tim Aten アメリカ
    22 Pierre Canali フランス
    23 Brian Kibler アメリカ
    24 Kai Budde ドイツ

    もちろん、「誰が強い」というのはプレイヤーたちの主観によって意見が異なるため、しばしば論争が引きおこされることもあるようだ。たとえば、「プロツアーサーキットを引退しても、さすがにKai Budde(カイ・ブッディ/ドイツ)が最下位ってことはないでしょ?」といった具合。

    今回の記事で写真におさめたのは、13回戦フューチャーマッチでGabe Walls(ゲイブ・ウォールズ/アメリカ)が披露してくれた点数表。最前線で実際に戦っているWallsが評価をくだしているものだけに、実に興味深い。たとえば、プロツアーでのベストエイト入賞経験がないにも関わらず、森田 雅彦などはRuel兄弟に次ぐ五番手に挙げられているし、様々なタレントを押しのけて大礒 正嗣が「最強」のカードに選ばれているのだ。

    ちなみに、エースがジョーカーに負けたりするように、「最強のカード」大礒 正嗣は「最弱の」Kai Buddeには負けるというルールだそうだ。もちろん、そのときどきのイベント結果をうけて評価は変動するとのこと。

    Gabe Walls 「さすがのマサシも過去の世界へ行ってカイを倒しに行くことは出来ないってことだな!!」

    もっぱらクリーチャートークンに使われているプロプレイヤーカード、こういった使い方も面白いかもしれない。


     
  • Saturday, March 4: 9:34 p.m. - Round 14 : 小室 修(東京) vs. Mark Herberholz(アメリカ)
    by Kenji Suzuki
  • 現在日本人の中では堂々の勝ち頭、5位に位置している小室 修。再びプロツアー・サンデーへと歩を進めることができるか。デッキはいわゆる「Greater Gift」で、対するMark Herberholzのデッキはグルール(赤緑)の超軽量ビートダウンである。

    Game 1

    いきなり先手のMarkがマリガンと、小室にとっては嬉しいスタート。それでもMarkは超軽量デッキの特性を発揮して、《密林の猿人/Kird Ape》、《飢えたルサルカ/Starved Rusalka》と展開していく。

    が、土地が《カープルーザンの森/Karplusan Forest》1枚で止まってしまっては、いくら軽量デッキといってもどうしようもない。

    クリーチャー部隊は小室の場に《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》が出たところでぴったりと殴れなくなってしまい、さらに次のターンには《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》が出てきてしまう。

    なんとか土地をドローし始めたMarkが《世慣れたドライアド/Dryad Sophisticate》、そして《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》と繰り出して状況の打開を計るが、一方の小室はといえば、そこから出てくるのが《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》2連発。クリーチャーの格の違いを見せつけて小室が1ゲーム目を先取した。

    小室 1-0 Mark

    Game 2

    Markは《飢えたルサルカ》から、血に飢えた3/3の《瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler》が登場、そして再び《瘡蓋族のやっかい者》を追加、と今回は一気にビートダウンしてしまおうという勢い。

    しかしそこにはやはり当然と言うべきか、4ターン目に小室の《神の怒り/Wrath of God》が刺さる。

    それでもまだまだ、とばかり《炎樹族のシャーマン》を追加したMarkは、小室の《ロクソドンの教主》に《黒焦げ/Char》で応戦し、優勢に試合を進めていく。《炎樹族のシャーマン》は《化膿/Putrefy》で除去されるものの、《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》を追加して、攻撃の手は弱まらない。

    一歩の小室の場には《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》と、取りあえず今は役に立たない《よりよい品物/Greater Good》しかなく、手札はと言えば土地と《御霊の復讐/Goryo's Vengeance》。しかし墓地には伝説クリーチャーはいない。独楽で3枚見ても土地、土地、そして《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》と寂しい限りで、結局そのまま2ゲーム目はMarkがビートダウンの本領を発揮することとなった。

    Mark 1-1 小室

    Game 3

    ビートダウン相手だと先手と後手の違いがかなり大きい。もちろん小室は先手を選択する。

    しかし《師範の占い独楽》2枚、《回収/Reclaim》、《明けの星、陽星》、土地3枚、という手札を見て、かなり長い間考えた後、小室はマリガン。

    ここで小室に不運が襲いかかる。6枚になった手札は、土地1枚に《御霊の復讐》、あとは4マナ以上の重量級カードばかり。そしてダブルマリガン後もノーランド、と、こうなってしまうと自らの不運を呪うしかない。観戦している日本人プレイヤーの中にも暗い雰囲気が立ちこめる。

    結局トリプルマリガン後も土地を1枚しか引いてこれず、小室はなんとも無念の3敗目を喫してしまった。ビートダウンは相性の良い相手だっただけに、ここでの事故負けはなんとも惜しい。

    しかしこれでもまだ4敗なので、ベスト8への希望の星であることに代わりはない。是非残り2戦を勝って日曜日に進出してほしいところだ。

    小室 1 - 2 Mark


     
  • Saturday, March 4: 9:59 p.m. - Round 15 : 森田 雅彦(大阪) vs. 小室 修(東京)
    by Keita Mori
  • 小室 修

    今大会は28名ものプレイヤーを二日目に送り込んでいる日本勢。しかし、ベストエイト入賞を狙うという意味では…ここ数年来でもっとも苦しい展開と言えそうな実情だ。

    そんな中、彼らのここまでの戦績は10勝4敗。「このあとを連勝してもベストエイト入賞はオポネント・マッチパーセンテージをはじめとした周囲の状況次第(小室談)」…というポジションの二人が対決する。

    なぜ最終戦の一つ前で注目の対戦(Feature Match)でもない彼らを取り上げるかというと、それは彼らが日本勢ではトップグループに位置しているからだ。和歌山の新鋭である横山が3敗1分けで日本勢首位(12位)。そして彼らが4敗ラインで続く(暫定で小室13位、森田26位)ということになるのだ。ともに二連勝縛りの三者である。

    そんな二人のデッキ選択は対照的で、プロツアー名古屋チャンピオンの小室がコントロール(グレーター・ギフト)。対して、森田 雅彦はビートダウン(ズー)。静と動がおりなすスリリングな好試合を期待したい。

    Game 1

    先手の森田テイクマリガン。「ズー(Zoo)」としては動物なしでは開園しようもない、というハンドだった。結局、森田は3ターン目の《番狼/Watchwolf》が最初のクリーチャーになるという遅い立ち上がりとなり、そこに《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》を続けた。

    しかし、小室は《神の怒り/Wrath of God》をプレイして盤上の一時的な制圧にこそ成功したものの…4マナで土地が止まってしまうという憂き目に。つまり、潤沢なマナを活用するという「グレーター・ギフト」の大前提が崩されてしまう。

    森田はそこへリズムよく《稲妻のらせん/Lightning Helix》を本体に叩き込み、後続の《サバンナ・ライオン》二匹目を呼び出す。とどめは《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》の連射となった。

    いくらクリーチャーデッキを得意とするはずの「グレーター・ギフト」といえど、マナトラブルは如何ともしがたかった。

    森田 1-0 小室

    Game 2

    後手の森田が開幕ターンの《サバンナ・ライオン》でゲームの口火を切り、小室の《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》召喚を受けて、2ターン目のアタックを行わずに《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》のプレイだけでターンエンド宣言。これを見て、小室は「なるほど」と頷きながら《長老》をサクリファイスし、3ターン目に4マナ域へと到達しての《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》展開で応じる。ジワリとゲイン4ライフ。

    森田は《ゴブリン》の特殊能力を起動しながらアタック宣言。単一のブロッカーが意味をなさなくなってしまったため、小室は《長老》の2匹目を場に加える。…が、ここで《長老》へ《ショック/Shock》を撃ちこみながら攻勢を維持する森田。いまさらながら、その一挙手一投足から、藤田門下のビートダウンの巧みさというのを再認識させられる。

    しかし、小室は2体の《桜族の長老》のおかげで4ターン目に《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》を召喚。さすがに《黒瘴》と《教主》という陣容のプレッシャーは凄い。

    打開策を模索する森田は《密林の猿人/Kird Ape》召喚するが、そこへ小室は《教主》2号機を展開し、さらなる4点のゲインライフ。小室は安全圏のライフという後ろ盾とともに反転攻勢に打って出た。

    さて。攻守入れ替わって、森田は黒龍に火力の二重奏。《黒焦げ/Char》と《ショック/Shock》だ。その上で《ロクソドンの教主》の片方をダブルブロックで相討ちにとろうという構えを見せた。

    そして、そこへ小室がコンバットトリックよろしく《化膿/Putrefy》を炸裂させ、ブロッカーの片方を除去。狙い済ませた一撃を受けた森田はデッキを片付け始めた。

    小室 1-1 森田

    Game 3

    森田 雅彦

    先手を取り戻し、動物園は最高のかたちでオープンする。《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》スタートから《サバンナ・ライオン》。そして何より、小室は後手テイクマリガン。

    さて、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》からのスタートながら2ターン目のマナ加速が無く、3ターン目に《遥か見/Farseek》というのが小室の立ち上がり。そこに森田の《黒焦げ》による追い打ちも加わって、ダメージランド《低木林地/Brushland》をつかっての《神の怒り》を詠唱するまでに…小室の残りライフはわずか5点というところまで削られてしまったのだった。

    一斉除去を食らったところで、森田は《血の手の炎》をプレイ。これにて小室の残りライフは1点。次のドローで何らかの火力がめくれれば即座に森田の勝利が確定する場面となったが、成就ならず。森田は《猿人》と《勇丸》を後続として展開してターンを返すにとどまった。

    すると、文字通り首の皮一枚という状態だった小室が息を吹き返す。ここから《ロクソドンの教主》を2連続で召喚という展開になり、ライフを9点まで回復。さらに、まともなカードを引けない森田を尻目に《夜の星、黒瘴》と《よりよい品物/Greater Good》をかわるがわる引き当て、形勢を一気に逆転した。

    かくて、ここ一番でのドローの内容が明暗を分けた。

    小室 2-1 森田

    小室はこのラウンドの勝利によって暫定順位を9位まで上げ、最終戦へ臨む。


     
  • Saturday, March 4: 10:25 p.m. - Round 16 : 小室 修(東京) vs. Antoine Ruel(フランス)
    by Kenji Suzuki
  • 実質的な「ラスト・コンテンダー」である小室に日本勢が注目する

    泣いても笑ってもこれがベスト8を決める最後の戦い。現在9位の小室はこれに勝てば日曜日への道が開ける。Ruel(兄)は小室よりもタイブレーカーが下なのだが、これに勝てばわずかながら日曜日の希望がもてるだけに・・・

    「絶対無理ならトス(=投了)するんだけど、ちょっとだけでも希望があるからやらざるを得ないね。こういうのはあまり気持ちいいもんじゃないけど…」

    とは試合前のAntoine。ダイスロールにより、先手は小室に決まる。

    Game 1

    小室はマリガンをして6枚の手札をキープするが、Antoineもマリガンでおつきあい。Antoineのデッキはいわゆる「Howling Owl」で、2ターン目には《吠えたける鉱山/Howling Mine》を場に出し、そして3ターン目には《黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke》と、デッキを代表する2枚のカードが早くも登場する。

    一方の小室はいつも通りマナを増やしながら、まずは《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》。そして2枚目の《ロクソドンの教主》を試みるが、これは《差し戻し/Remand》。さらには場に出ている方にも《ブーメラン/Boomerang》が飛んでくる。手札を増やしたくない小室は、ここでマナを使って自殺することを選ぶ。

    《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea》まで加えてさらにドローの速度を増すAntoine。小室の《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》は無事に場に出るが、しかしすぐに《ブーメラン》で手札に帰っていってしまう。ここで小室は手札の多さを利用して、《御霊の復讐/Goryo's Vengeance》を見据えてエンドで《夜の星、黒瘴》をディスカード。

    《疲労困憊/Exhaustion》で小室の土地を1ターン縛った後のターン、Antoineが長考モードに入るが、結局何もせず。その代わりアップキープに小室が根付の4ダメージを受けた後、《万の眠り/Gigadrowse》で小室の土地を3枚タップすることを選ぶ。

    小室は捨てておいた《夜の星、黒瘴》を、予定通り《御霊の復讐》で釣り上げる。攻撃後にこれを《神の怒り/Wrath of God》で自殺させようと試みるが、対応して《夜の星、黒瘴》はバウンスされてしまう。

    再び小室のアップキープに土地を3枚タップさせようとするAntoine。先ほどの《万の眠り》の時もそうなのだが、これを使った後のAntoineの場にはアンタップ状態の土地が5枚。カウンター用の2マナと、あとは《海の中心、御心》用の3マナということだろうか。

    その注文通りと言うべきか、小室の《ロクソドンの教主》は《差し戻し》され、そしてエンドに《海の中心、御心》ドローと、小室のハンドは8枚まで増える。増えても全然嬉しくないのだが。

    そしてAntoineが2枚目の《黒檀の梟の根付》を場に出したところで、小室投了。

    Antoine Ruel 1-0 小室 修

    Game 2

    Antoine Ruel

    今回の小室は初手をキープ。しかしAntoineは今回もマリガン。

    小室は1ターン目《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》から、2ターン目《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》と、理想的なスタートを見せる。

    小室はさらに守りの一手である《象牙の仮面/Ivory Mask》を場に送り出す。ここで手札をギャラリーに見せながら苦笑いのAntoine。カウンター引いてないよ!ということなのだろうか、土地は3枚立っているのだが、カウンターできない。それならとばかり小室は次のターンに《明けの星、陽星》を出すのだが、さすがにこれは《差し戻し》されてしまう。

    なかなか有効カードを引いて来れないのだろうか、2ゲーム目はAntoineから邪魔らしい邪魔が小室に襲いかかってこない。ついにはAntoineが何もせず土地をディスカードする始末。

    小室は2枚目の《象牙の仮面》を試みるが、これはやはり《差し戻し》。今日1日このタイプのデッキを見ているが、このカウンター呪文は相当ウザイ。しかし依然として、Antoineは《脳髄の渦/Cerebral Vortex》を自分に使ったりして、相当苦しい動きを見せている。

    しかしここで小室のアップキープに《万の眠り》で土地が4枚タップされる。3枚立っている土地を見ながら小室は《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》を試みるが、さすがに《マナ漏出/Mana Leak》されてしまう。しかし次のターンには2枚目の《象牙の仮面》、そして《よりよい品物/Greater Good》と並べることに成功し、取りあえず準備は万端といったところか。

    そして次のターン、再び《頭蓋の摘出》。しかしこれも《差し戻し》。しかしマナが豊富にある小室はここで《明けの星、陽星》を登場させることに成功する。苦しいAntoineはレスポンスでなんとか《よりよい品物》をバウンス。

    土地は沢山あるAntoineだが、場には土地しかない。そしてその土地を利用して、《万の眠り》で小室の土地を大量にタップさせようとする・・・のだが。

    それに対応して《師範の占い独楽》でライブラリから見事《化膿/Putrefy》を発掘した小室。自らの《明けの星、陽星》を墓地に送ることに成功する。これでマナを使い切ってしまったAntoineを2ターンフルタップ状態に縛り付けることに成功した。

    ついに自由に動くことが出来るようになった小室、《よりよい品物》から《御霊の復讐》へと華麗につなぎ、陽星ロック1ターン追加。

    そしてエンドで《けちな贈り物/Gifts Ungiven》をキャストした小室が《明けの星、陽星》《御霊の復讐》《回収/Reclaim》《喚起/Recollect》と選び出したところで、ロックから抜け出せないと判断したAntoineは投了。

    小室 修 1-1 Antoine Ruel

    Game 3

    ついに運命を決める最終ゲームである。

    そして小室がマリガン。マリガン後の手札も、しばらく悩んだ後、小室はキープする。手札としては全然悪くないのだが、カードが増えることが不利になってしまうこのマッチアップなだけに、出来れば積極的にマリガンしておきたい所なのだろう。

    ゲームが開始されると、Antoineが2ターン目に《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》を出せば、小室も1ターン目《師範の占い独楽》から2ターン目《桜族の長老》と、ここまでは悪くない動き。

    しかしそこからなかなか手札を減らせない小室。小室の手札が7枚あるのを見たAntoineが《黒檀の梟の根付》を出すが、小室はエンドに《御霊の復讐》を捨てておいた《明けの星、陽星》に使って、これを回避。

    さあ、ここで《よりよい品物》が通れば!

    小室 修

    通るわけもなく。

    残念ながら、《明けの星、陽星》はリムーブされてしまう。

    そしてついに根付が小室を苦しめ始める。

    手札には比較的重いカードばかり。その中からなんとか《象牙の仮面》を選び出すが、これもバウンスされてしまう。

    そして、Antoineの手には《突然の衝撃/Sudden Impact》が。

    最後まで申し訳なさそうな顔をしていたAntoineだが、勝負の世界は無情なものである。

    …ところが、この物語には続きがあるのである。

    なんと最終結果でAntoineが8位に滑り込み、4位のOlivierとあわせ、夢の兄弟ベスト8を達成してしまったのだ!

    なんとタイブレーカーは9位と0.05%差。運命とは不思議なものである。

    小室 修 1 - 2 Antoine Ruel


     
  • Saturday, March 4: 10:51 p.m. - 日本勢最終順位一覧(二日目進出者)
    by Keita Mori
  • Rank Name Pts Age Day 1 Day 2 Country Deck Deck Designer
    13 三原 槙仁 36pts 23 15pts 21pts 大分 Greater Gifts 三原 槙仁
    14 横井 正樹 34pts 21 18pts 16pts 和歌山 GW Greater Good "REAL" Go Anan
    16 塩津 龍馬 34pts 24 15pts 19pts 愛知 Howling Owl 石田 格
    18 小室 修 33pts 24 18pts 15pts 東京 Greater Gifts 津村 健志
    27 尹 壽漢 33pts 24 15pts 18pts 東京 Sea Stompy 斉藤 友晴
    30 森田 雅彦 33pts 23 18pts 12pts 大阪 Zoo 藤田 剛史
    31 浅原 晃 33pts 27 15pts 18pts 神奈川 Greater Gifts 佐々木 将人
    32 鍛冶 友浩 33pts 22 15pts 18pts 埼玉 Howling Owl 鍛冶 友浩
    34 八十岡 翔太 32pts 21 16pts 16pts 神奈川 Yaso Control 八十岡 翔太
    51 諸藤 拓馬 30pts 24 15pts 15pts 福岡 Greater Gifts 三原 槙仁
    56 斉藤 友晴 30pts 22 15pts 15pts 東京 Sea Stompy 斉藤 友晴
    57 笹川 知秀 30pts 23 15pts 15pts 福島 Zoo 志村 一郎
    63 杉木 貴文 29pts 23 19pt 10pts 富山 Howling Owl 石田 格
    69 中村 修平 28pts 24 18pts 10pts 大阪 Howling Owl 鍛冶 友浩
    72 大塚 高太郎 28pts 22 15pts 13pts 愛知 Greater Gifts 津村 健志
    79 谷口 雄亮 27pts 20 18pts 9pts 大阪 Zoo 藤田 剛史
    85 射場本 正巳 27pts 28 15pts 12pts 東京 Zoo ストウタクオ
    86 甲斐 翼 27pts 24 15pts 12pts 福岡 Sea Stompy 斉藤 友晴
    89 板東 潤一郎 27pts 26 15pts 12pts 茨城 Tron 板東 潤一郎
    91 杉山 雄哉 27pts 24 15pts 12pts 広島 Howling Owl 杉山 雄哉
    97 大礒 正嗣 27pts 22 15pts 12pts 広島 Greater Gifts 津村 健志
    103 津村 健志 25pts 19 15pts 10pts 広島 Greater Gifts 津村 健志
    105 長谷川 裕信 24pts 33 18pts 6pts 愛知 Orzov Beatdown 長江/奥村
    116 岩井 剛士 24pts 24 15pts 9pts 徳島 RGb Beatdown 花岡 俊史
    117 足立 真吾 24pts 24 15pts 9pts 京都 Orzov Control 藤田 修
    119 大澤 拓也 22pts 21 15pts 7pts 神奈川 Greater Gifts 津村 健志
    122 藤田 修 22pts 28 15pts 7pts 京都 Orzov Control 藤田 修
    123 蔵島 一輝 21pts 19 18pts 3pts 愛知 Eminent Domain 蔵島 一輝

    久々に日本勢のいないプロツアー・サンデーということになってしまった。ただ、ベストエイトこそ輩出できなかったものの、28名を二日目に送り込み、ベスト16入賞を3人が果たした。つまり、今大会からすると日本のポジションは「強豪国の一角」といったあたりになるだろう。「総崩れ」とか「惨憺たる有様」というほどではない。

    今大会注目の「シー・ストンピィ(Sea Stompy)」をビルドアップしたデッキデザイナーの斉藤 友晴は事態をこう分析する。

    斉藤 「日本の強さは、草の根レベルの構築力だと思うんですよ。たとえば、世界選手権で日本人が揃ってつかった『ガジー(Ghazi-Glare)』も国内の普通のトーナメントからその強さがわかったものだし。そういう意味では、イベントの前の週にギルドパクト入りの大会に出てきたんですけど、まだまだ皆ファンデッキのレベルで、あまりプレイテストとして良い経験をさせてもらった感じじゃなかったんですよね。なんていうんだろう。日本人であるということの潜在的なアドバンテージが今回はなかったような気がします。おかげで、普段からレベルの高い練習をさせてもらえていることのありがたみがわかりました」

    実に興味深い意見だ。とくに、「コミュニティとしての総合力」という点は今後の日本の巻き返しを考える上で大きなキーワードとなるのではないだろうか。

    大勝利をおさめた世界選手権の直後のイベントとして迎えたプロツアー・ホノルル。これが良い意味での経験や教訓となることを期待しつつ、本日のレポートを終えたい。


    • Planeswalker Points
    • Facebook Twitter
    • Gatherer: The Magic Card Database
    • Forums: Connect with the Magic Community
    • Magic Locator