Sunday, June 18: 12:54 p.m. - Standings after Round 14
by Keita Mori
14ラウンドの死闘を終え、決勝ラウンド進出チームをのぞく最終順位と獲得賞金額が決定したので、日本勢についてここで総括しておこう。
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順位
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賞金
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総勝ち点
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チーム
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Player A
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Player B
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Player C
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| 暫定2位 |
未確定 |
33 |
Kajiharu80 |
鍛冶 友浩 |
八十岡 翔太 |
斉藤 友晴 |
| 暫定3位 |
未確定 |
33 |
D-25 |
中島 主税 |
有田 隆一 |
三田村 和弥 |
| 8 |
7,500$ |
30 |
GG Jirou |
鈴木 貴大 |
栗原 伸豪 |
野中 健太郎 |
| 17 |
2,100$ |
28 |
Go Anan Is The Best Player |
藤田 修 |
阿南 剛 |
藤田 剛史 |
| 18 |
3,600$ |
28 |
Tottori 1 6 1 |
片岡 麻美 |
大礒 正嗣 |
足立 真吾 |
| 19 |
1,500$ |
27 |
Double SHU desu |
志村 一郎 |
小室 修 |
中村 修平 |
| 22 |
1,080$ |
27 |
Asahara Rengou |
有留 知広 |
高桑 祥広 |
北山 雅也 |
| 24 |
960$ |
27 |
Yamadian Dalsim |
高山 建太 |
岩崎 裕輔 |
東 大陽 |
| 30 |
-- |
27 |
Romanesque |
大塚 高太郎 |
笹川 知秀 |
塩津 龍馬 |
| 32 |
-- |
27 |
I''s |
森田 雅彦 |
津村 健志 |
森 勝洋 |
| 48 |
-- |
24 |
Limit Break |
大澤 拓也 |
小倉 陵 |
石田 格 |
| 56 |
-- |
21 |
Taniimonogatari |
斉藤 宏達 |
谷井 祐介 |
片山 貴裕 |
| 73 |
-- |
18 |
KMH |
甲斐 翼 |
諸藤 拓馬 |
平林 和哉 |
Tottori 161(大礒 正嗣・足立 真吾・片岡 麻美)は通算9勝1分け4敗と健闘し、最終順位18位に入賞して3,600ドルを手にした。
そして、これによって片岡 麻美はプロツアーで賞金を獲得したはじめての女性プレイヤーということになった!
まさしく拍手喝采の偉大なる快挙である。
これは土曜日の記事でもお伝えしたトピックのひとつだが、今大会において八十岡 翔太のデザインした青白黒コントロールデッキをシェアされたメンバーのいるチームは、そのすべてが二日目に進出していた。
Shota Yasooka – Seat B, Kajiharu80
Pro Tour-Charleston Top 4
そして、彼らは揃って上位入賞を果たしてのマネーフィニッシュとなったのだ!
・八十岡 翔太(Kajiharu80) ベスト4入賞/チーム賞金18,000$~ ・鈴木 貴大(GG Jirou) 8位入賞/チーム賞金7,500$ ・有留 知広(Asahara Rengou) 22位入賞/チーム賞金1,080$
また、いちデッキビルダーとしてだけでなく、ここにきて八十岡はいちプレイヤーとしての才能も大きく花開かせていることを強調したい。
GP浜松、GPクアラルンプール、PTチャールストン…と立て続けの三連続でプレミアイベントの決勝ラウンドに駆け上がっており、間違いなく彼は今季終盤戦の注目すべき人物となったのである。
Sunday, June 18: 3:19 p.m. - 準決勝: Kajiharu80(日本) vs. D-25(日本)
by Keita Mori
Kajiharu80
Player A: 鍛冶 友浩(青黒緑コントロール) Player B: 八十岡 翔太(青白黒ヤソコン) Player C: 斉藤 友晴(赤黒白ボロス/ラクドス)
D-25
Player A: 中島 主税(赤黒緑土地破壊) Player B: 有田 隆一(青白赤コントロール) Player C: 三田村 和弥(緑黒白ロクソドンヒエラルキー)
見事に予選2位通過を決めたKajiharu80(鍛冶 友浩・斉藤 友晴・八十岡 翔太)は、チームメイトが三人揃って構築戦のエキスパートという注目のチームだ。
昨年のエクステンデッドシーズンに見事なチューンの「セプター・チャント」デッキをデザインしてグランプリ北九州に優勝しているのが鍛冶だし、斉藤は《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》を活かした二つのスタンダードデッキ――Snow StompyとSea Stompy――の製作者として名高い。第三の男である八十岡 翔太もコントロールデッキの製作には定評がある人物で、彼のデッキは「ヤソコン」という名で親しまれている。その「ヤソコン」の活躍ぶりについては既に何度かお伝えしてきた通りである。
鍛冶 友浩には世界選手権におけるベスト4入賞という素晴らしい経歴があり、斉藤 友晴とのコンビ(+津村 健志)で結成したOne Spinではプロツアー・アトランタでのベスト4入賞も果たした。新顔の八十岡も、今季にはいって次々にプレミアイベントで結果を残しはじめているという注目株。
蛇足するなら、Kajiharu80の作り上げたデッキは間違いなく強い。Kajiharu80自身がベスト4入賞を果たしているだけでなく、彼らの作り上げたデッキの完全コピー(225枚のうち224枚!)で出場しているGG Jirouが見事に8位入賞で賞金$7,500を獲得している。
勝負事にはアヤがあり、残酷なほど気まぐれに運命の女神は態度を変える。
予選初日、金曜日の最終戦でLimit Break(石田 格・大澤 拓也・小倉 陵)と対戦したD-25(有田 隆一・中島 主税・三田村 和弥)はこのマッチを落としてしまい、4勝3敗という実にタイトなラインで二日目を迎えることになった。
彼らはジャッジを呼び、試合結果を報告して宿への帰途に着いた。
…が、しかし。
ジャッジが処理したResult Entry Slip(対戦結果記録用紙)には事実と正反対の結果が記されていたのだ。予選第7回戦は…D-25の勝ち!?
両チームが誤った試合結果に気がついたのは、二日目の朝に順位表を確認したときのことだった。
当然、あるべき結果を反映してもらうべく、両者はジャッジに経緯を説明し、修正を願い出た。
…が、
ヘッドジャッジ 「確認のサインがなされた結果報告用紙の内容を今ここで覆すことはできない。プレイヤーには結果報告に関して確認の義務があって、その内容に間違いがないということを証明するためのサインなのだ」
マジック:ザ・ギャザリングというゲームもまごうことなき勝負事である。
勝負の世界に「たら・れば」はないわけだが、無常にもLimit Breakはここから失速してしまい、上位争いから姿を消してしまうのだった。
そんな中、Limit Break以上に後味の悪さをかみ締めながらもD-25はここから奮戦し、執念のベスト4進出を果たしているのである。
思わぬアクシデントによって転がってきたチャンス。これを実際にいかすことが出来る者たちがどれだけいるというのだろうか?
D-25の面々のもつ精神力の強さ、勝負強さがホンモノであることだけは間違いない。
前日のプレイテストによってハッキリしていたことがあるという、それは
有田 「オレめっちゃ不利やで。たぶんメインやと1-9くらいの相性やんか」
という、B席の試合における明らかなKajiharu80の優位。
もちろん、4度目となるプロツアーサンデーで有田が奮戦してくれるだろうが、そうは言っても相手がコントロールの名手たる八十岡である。
おそらく、中島と三田村は「自分たちのマッチは必勝」という断固たる思いで臨んでいるはずである。
■鍛冶 友浩(青黒緑コントロール) vs. 中島 主税(赤黒緑土地破壊)
Game 1
互いが2ターン目に印鑑をならべあうという立ち上がりの中、鍛冶のそれが《打撃+爆走/Hit/Run》によって叩き割られる。先手の中島が思い切りよく3ターン目に《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》を召喚するも、この最初の脅威を鍛冶 友浩は《虚空粘/Voidslime》で打ち消し、返す刀で《横揺れの増長/Rolling Spoil》を唱えて中島のマナベースに一撃を加えた。中島も2枚目の《打撃+爆走/Hit/Run》で鍛冶が出してきた2枚目の印鑑へと攻撃を仕掛けるが、ここで鍛冶は印鑑を《地底街の手中/Clutch of the Undercity》によってバウンスするというプレイを選択したのだった。多少の痛みをともなおうとも、このマッチアップはマナを巡る攻防なのである。
互いがマナベースを牽制しあうという、静かな、それでいて組み手のような立ち上がりが演出されたわけだが、鍛冶が自ターン中にバウンス呪文をプレイすることを余儀なくされたことによって、中島が待ち望んでいた好機が訪れることになる。
…タップアウトを狙い済まして呼び出されるのは《ヘルドーザー/Helldozer》。地獄のブルドーザーとはうまく言ったもので、多色世界ラヴニカをあざわらうかのような活躍を見せる凶悪なクリーチャーだ。
対する鍛冶もここで《モロイ/Moroii》を召喚するのだが、そこへ中島は《ヘルドーザー》の2匹目を呼び出すという強打ぶりで魅せる。
特殊地形を破壊して、そのうえでアンタップして殴りかかってくる2体の6/5クリーチャーを前にしては、さすがに名手鍛冶でもいかんともしがたいところ。なんとか《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》や《木彫りの女人像/Carven Caryatid》で少しばかりの時間を稼いだものの、大勢はもはや覆せなかった。
鍛冶 友浩 0-1 中島 主税
Game 2
鍛冶が《遥か見/Farseek》を唱え、中島が《ゴルガリの印鑑/Golgari Signet》を置く。鍛冶が《横揺れの増長/Rolling Spoil》を唱えれば、中島も《大惨事/Wreak Havoc》を使う。やはり、自陣のマナを伸ばしながら、相手のそれを牽制するという流れでゲームははじまった。
そんな中、中島の《悪夢の虚空/Nightmare Void》や《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》を《虚空粘/Voidslime》の連発によって鍛冶がいなし、逆に航空戦力《モロイ/Moroii》を呼び出してダメージレースで先行しはじめた。
対コントロール戦における《悪夢の虚空/Nightmare Void》の強さは折り紙つきだ。しかし、その最大の長所でもある「発掘」の使用によってドローと展開力がスローダウンしてしまうということも事実で、場合によっては弱点ともなる。静かに土地をならべあうマッチならば良いのだろうが、すでに上空に4点クロックを設置されてしまった中島にとっては、この呪文の再利用はなかなかリスキーな選択あった。
「発掘」した《悪夢の虚空》で《よじれた正義/Twisted Justice》を捨てさせるも、手札に残った《化膿/Putrefy》で印鑑を破壊されてしまう中島。そのうえで、ライブラリーのトップから2体目の《モロイ/Moroii》を引き当てるという力強さを鍛冶が見せつけ、試合は三本目に突入することになった。
鍛冶 友浩 1-1 中島 主税
Game 3
いきなり私事で恐縮だが、私は鍛冶 友浩というプレイヤーのファンである。言葉にするのは難しいが、小気味良いプレイスタイル、良い意味で日本人らしい奥ゆかしさ、そして、しょっちゅうマナトラブルに陥りながらも(実際、驚異的なマリガン率を誇るのである)要所要所で結果を残していく力強さといった…様々な彼の個性に惹かれるのだ。あまり英語が得意でないのに英語圏に友人やファンが多いのも、彼の人柄を物語るエピソードであろう。正直なところ、英語版イベント観戦記事スタッフのほとんどが鍛冶のファンである。
しかしながら、今現在の私の気持ちはどこか中島 主税に肩入れしてしまうようなところがある。
なぜなら、若くしてチャンスを掴んでグレイヴィ・トレインに乗車し、2005シーズンという1年間を通じてたちまち世界的なスタープレイヤーの一人となってしまった鍛冶とは対照的に、10年間コツコツと頑張ってきたのが中島だからだ。彼はいまでもプロツアー予選をサーキットしており、プロツアー神戸の出場権を求めて海外遠征し、クアラルンプールでようやっと切符をつかんできたばかりだ。
何度も何度も悔しい涙をのんできた。 そんな十年選手がとうとう掴んだ晴れ舞台なのだ。
そして、運命の女神も中島に味方した。
鍛冶は痛恨のダブルマリガンを余儀なくされ、そこへ中島は土地破壊呪文を連打し、マナ基盤をズタズタにしていった。
なんとか鍛冶も2体の《ヘルドーザー/Helldozer》を《化膿/Putrefy》によって破壊することに成功したが、神がかり的な勢いで中島は後続を引き当てていく。《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》、そして《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》。
ほどなくして中島は全開で《悪魔火/Demonfire》をプレイし、栄光のプロツアーサンデーで勝利をつかみとった。
鍛冶 友浩 1-2 中島 主税
「ごめん、まけた」
鍛冶 友浩がつぶやく。
しかし、即座に斉藤 友晴から返事がかえってきた。
「大丈夫。きっと、なんとかするから」
■斉藤 友晴(赤黒白ボロス/ラクドス)vs. 三田村 和弥(緑黒白ロクソドンヒエラルキー)
Game 3
こちらのテーブルに目を移すと、試合は第3ゲームの中盤だった。
斉藤の《闇の腹心/Dark Confidant》と三田村の《木彫りの女人像/Carven Caryatid》とが互いにの除去呪文によって葬り去られ、斉藤が《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》によってダメージレースをスタートさせていたという盤面である。
ここで三田村が《酷評/Castigate》を唱えると、斉藤の手札の呪文は《悪魔火/Demonfire》、《ラクドスのギルド魔道士/Rakdos Guildmage》、《稲妻のらせん/Lightning Helix》といった内容。現役東大院生三田村はその怜悧な頭脳をフル回転させ、熟考の末に《悪魔火》をゲーム外へと葬った。
これを受けた斉藤は《ラクドスのギルド魔道士》を召喚し、速攻もち2/1トークンを生み出してビートダウンを開始。ここまでの攻防によってライフトータルは9対17で斉藤がリードしている。
三田村はタップアウトで《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》をプレイし、斉藤 友晴はそこへ向けて《稲妻のらせん/Lightning Helix》を打ち込む。三田村の吸血鬼はコウモリ・トークンを生贄にささげて再生することを選択するが、これによって三田村陣営でブロック可能なのが1/1コウモリ・トークン1体だけとなってしまうのだった。
これは文字通りにガードをこじあけるプレイで、斉藤は《ラクドスのギルド魔道士》からトークンを作り出して全軍突撃。たまらず三田村は1/1コウモリで2/1のトークンをブロックせざるをえない。これによって吸血鬼の「コウモリ軍団倍増能力」のモトとなるべきトークンが1体もいなくなってしまい、なおかつ三田村の残りライフは5点にまで減らされてしまった。
ここで三田村は《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》を呼び出してライフを9点にまで回復して見せたが…勢いで勝る斉藤 友晴は火力の連打で最後を飾った。
エンドステップに《黒焦げ/Char》を4点、返すターンにアンタップしての《悪魔火/Demonfire》を5点。
斉藤 友晴 2-1 三田村 和弥
ちょうどその頃、ゲームの流れをコントロールしきった八十岡 翔太が《絶望の天使/Angel of Despair》によって有田 隆一にトドメをさすところだった。
一戦目にも消耗戦の果てに《債務者の弔鐘/Debtors' Knell》を通して敵の墓地から《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》を奪うというフィニッシュを飾っており、ある意味で順当に、相性どおりに、ヤソコンがトリコロールを破ってみせたのだ。
かくて、中島の執念に鍛冶が屈してしまったものの、僚友たちが力強い勝利をあげて見事にカバー。素晴らしいチームワークによってKajiharu80が決勝戦へと勝ち進むことになった。
チームスコア:Kajiharu80 2-1 D-25
Sunday, June 18: 7:18 p.m. - 決勝: Kajiharu80(日本) vs. Raaala Pumba(ブラジル)
by Keita Mori
Kajiharu80
Player A: 鍛冶 友浩(青黒緑コントロール) Player B: 八十岡 翔太(青白黒ヤソコン) Player C: 斉藤 友晴(赤黒白ボロス/ラクドス)
Raaala Pumba
Player A: Celso Zampere(青黒緑コントロール) Player B: Willy Edel(赤緑白Zoo) Player C: Paulo Rosa(黒白オルゾフビート)
この決勝ラウンドがはじまる直前まで、プロプレイヤーラウンジのテレビではFIFAワールドカップの日本対クロアチア戦が放映されていた。
そして、この試合で引き分けてしまった日本代表チームは次のブラジル代表との一戦に必勝を期さなければならないということになった。ロナウジーニョをはじめとした素晴らしいタレントがひしめくブラジル代表はまごうことなき世界最強候補と考えられており、これは非常に厳しいチャレンジと言わざるをえないだろう。
そんな中、マジック:ザ・ギャザリングの世界最強を決める舞台でもブラジルを代表する選手たちと日本を代表する選手たちが戦うことになった。おあつらえむきにと言うべきか、3つのマッチアップのうち2つが日本チームにとって非常に厳しいときている。
果たして、日本はブラジルに勝てるのだろうか?
■鍛冶 友浩(青黒緑コントロール) vs. Celso Zampere(青黒緑コントロール)
赤緑白のZooとマッチアップすることになった青白黒「ヤソコン」の八十岡 翔太と、白黒オルゾフビートと対決する赤黒白ビートの斉藤 友晴。とにかくこの二人の対戦がデッキ相性的に…ほんとうに厳しい。
八十岡 「KJには根性で勝ってもらって、オレか友晴のどっちかがブンまわるしかないっていう感じですね」
鍛冶 友浩の、絶対に負けられない戦いがはじまる。
Game 1
鍛冶がマンマークをまかされたブラジル人選手、Celsoは青黒緑コントロールデッキだ。つまり、いくらかカードのチョイスは違えど、これは基本的にはミラーマッチともいうべき対決なのである。たとえば、八十岡に《差し戻し/Remand》を渡しているぶん鍛冶 友浩のカウンター呪文は少なめだが、逆にCelsoは《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》3枚を味方のオルゾフに譲っている。似たり寄ったりなのだ。
ミラーマッチ、それはすなわち純粋なプレイヤーの実力勝負となるわけである。
そして、鍛冶 友浩は気迫を前面に押し出しての素晴らしい「ビッグ・プレイ」を決めた。鍛冶は観衆を魅了し、対戦相手を大いに動揺させたのである。
「ビッグ・プレイ」とは、鍛冶が《複写作成/Mimeofacture》を対戦相手の《木彫りの女人像/Carven Caryatid》へ向けてプレイしたときのことである。
この公式取材ページをご覧の皆さんならご承知のとおり、プロツアーの決勝ラウンドでは対戦相手のデッキリストが公開情報となっている。そうなると、《複写作成/Mimeofacture》というのは単なるコピー系呪文としての機能だけでなく、相手の手札情報を丸裸にすることもできるのだということを、鍛冶はここで教えてくれたのである!
鍛冶は対戦相手のライブラリーの中味を完全に解剖して、対戦相手の手札の中味を精確に把握した。
すなわち、Celso Zampereの手札にカウンター呪文がないことを確信し、マナ加速からの《シミックの空呑み/Simic Sky Swallower》、いわゆる「ターボ・スワロワー」を決めたのだ!
「一本目、とったよ」
鍛冶 友浩 1-0 Celso Zampere
■八十岡 翔太(青白黒ヤソコン) vs. Willy Edel(赤緑白Zoo)
鍛冶が快勝した一方で、斉藤と八十岡はともに苦しい戦いを強いられた。
八十岡がここでマッチアップしているのはスタンダードでいうところの「Zoo」デッキのブロック構築版である。《番狼/Watchwolf》や《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》といったマルチカラーの優良アタッカーが満載されており、優秀な火力がそれをサポートするという一貫したストラテジーをもったアグレッシヴなデッキだ。
もっとも、《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》や《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》からマナカーブがはじまらないだけマシといえばマシだが、こちとら《神の怒り/Wrath of God》やらもないわけである。
Game 1
緒戦はなんとも一方的なもので、Willyは2ターン目に《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》、3ターン目に2体の《極楽鳥/Birds of Paradise》、4ターン目に《番狼/Watchwolf》、5ターン目に《喧騒の貧霊/Rumbling Slum》といったクリーチャーを展開し、アタックを繰り返していった。
八十岡も《宮廷の軽騎兵/Court Hussar》、《アウグスティン四世大判事/Grand Arbiter Augustin IV》と召喚して対抗しようとはしたものの、《アウグスティン》は《稲妻のらせん/Lightning Helix》によって即座に退場となってしまう。
結局、《照らす光/Bathe in Light》によってプロテクションを得た、つまりブロック不能となった大群が《セレズニアのギルド魔道士》の強化能力のサポートを受けることになり、八十岡は投了に追い込まれた。
八十岡 翔太 0-1 Willy Edel
Game 2
二戦目を迎えた八十岡は先手3ターン目に《宮廷の軽騎兵/Court Hussar》を、4ターン目には《強迫的な研究/Compulsive Research》を、とプレイして手札を充実させた。
先程ほどのブンまわりではなさそうなWillyが《太陽打ちの槌/Sunforger》をまとわせた《極楽鳥/Birds of Paradise》でアタックを宣言してくると、そこへ《屈辱/Mortify》をプレイする八十岡。ならば、とWillyは《太陽打ちの槌》を「はずす」起動型能力を使用しての《照らす光/Bathe in Light》をプレイするが、これを八十岡はキッチリと《呪文嵌め/Spell Snare》で対処してみせた。
逆に八十岡の1/3《宮廷の軽騎兵》がクロックとして機能するという展開の中、Willyも次なる《極楽鳥》を呼び出して《槌》を装着。八十岡はこの《極楽鳥》へと《信仰の足枷/Faith's Fetters》をプレイしようとするが、またしてもWillyは《槌》をはずす起動型能力から《照らす光》をプレイ。これまた八十岡がそれを《呪文嵌め》で退けるという、デジャヴュ。
しかしながらWillyは《炎樹族のシャーマン/Burning-Tree Shaman》を《差し戻し/Remand》させつつ《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》を通すというプレイを敢行。八十岡は《絶望の天使/Angel of Despair》を引き当ててこの象を即座に破壊した。
対するWillyは《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》を呼び出して《槌》を装備。このZooデッキにおける《槌》はインスタント呪文を延々とチューターしてくるという脅威のアドバンテージマシーンなのであった。
次なる一手を模索したい八十岡は《強迫的な研究》と《宮廷の軽騎兵》を同じターンに連打して手札を拡充。《天使》で攻撃を加えてからターンを渡すが、ここでWillyは《槌》をはずしての《稲妻のらせん/Lightning Helix》をプレイ。八十岡はこれをX=2の《棄却/Overrule》で退けてライフレースを18対9とリードした。
しかし八十岡はタップアウトという隙を見せざるをえなくなっており、ここで《太陽打ちの槌》を纏わせた《セレズニアのギルド魔道士》がアタックを宣言すると…八十岡は1/3の《軽い騎兵》2体でブロック宣言。Willyは《ギルド魔道士》自身のパンプアップ能力を起動して一方的に敵陣の2体を葬った。その上でWillyはギルドランドをアンタップでプレイして(2点ダメージ)の《稲妻のらせん》を八十岡本体へと撃ちこみ、ライフレースを15対10というところまで押し戻した。
八十岡は《天使》で殴り返してから《天使》の2体目を呼び出し、敵陣の《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》を破壊。対するWillyも《天使》を《悪魔火/Demonfire》で焼き殺してアタックを通し、上空にチャンプブロッカーとして《極楽鳥》を用意した。
八十岡は《天使》でアタックを宣言し、もちろんWillyがこれをブロックすると…戦闘ダメージをスタックさせてから《試行+錯誤/Trial/Error》を使用して《天使》をバウンス。《絶望の天使》の凶悪なるCIP能力である「パーマネント破壊」を再利用し、敵陣のアタッカーである《セレズニアのギルド魔道士》を破壊したのだ。
ここでWillyは後続として《番狼/Watchwolf》を展開することに成功し、これにまた《太陽打ちの槌》がつく。これを外すだけでライブラリーから《稲妻のらせん/Lightning Helix》やらをプレイできるのだから恐るべきアドバンテージである。
結局、八十岡は《天使》をアグレッシヴに使ってダメージレースを挑むものの…返しのアタックからの《太陽打ちの槌》による《黒焦げ/Char》によって押し切られてしまうことになった。
凶悪なる装備品を早い段階で破壊できていれば違ったゲーム展開もありえたのかもしれないが……何にしても前評判通りに八十岡はこの試合に敗北してしまった。
八十岡 翔太 0-2 Willy Edel
しかし、A席で鍛冶 友浩が《シミックの空呑み/Simic Sky Swallower》と2体の《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》を展開し、空中戦を見事に成功させた。
鍛冶 友浩 2-0 Celso Zampere
そして、すべてが斉藤 友晴にゆだねられることになった。
■斉藤 友晴(赤黒白ボロス/ラクドス) vs. Paulo Rosa(黒白オルゾフビート)
16回戦にわたる厳しい戦いのすべてが、これからはじまるデュエルに託される。
獲得賞金が75,000ドルとなるか36,000となるか? 日本勢初となるチームプロツアー王者に輝けるか否か?
いざ、プロツアー決勝戦、最終ゲームである。
Game 3
ブラジル代表の雄敵、Paulo Rosaは開幕ターンに《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》を呼び出し、続く2ターン目にも《オルゾフの印鑑/Orzhov Signet》展開という立ち上がりを迎えた。
一方の日本代表、斉藤のファーストアクションは、気合をこめての《隆盛+下落/Rise/Fall》。これで果たして2枚の有効カードを叩き落すことができるかどうかで、試合運びは大きく違ってくるところだ。
いにしえの、Fallen Empireの《Hymn to Tourach》から脈々と受け継がれる緊張感につつまれながら…入念にシャッフルされた4枚のカードから斉藤は2枚をめくった。
それは、《屈辱/Mortify》と《糾弾/Condemn》だった。
これは見事に2枚のスペルをめくりだしたというだけでなく、斉藤 友晴にとっては悪くないサインだったといえよう。なぜなら、斉藤 友晴は「相性最悪」とこのマッチアップを割り切って完全なバーンデッキにサイドチェンジしているのに、対戦相手はそれを読みきれずにクリーチャー対策をサイドアウトしていないのだ。
斉藤 友晴は続く脅威となった《オルゾフの御曹子、テイサ/Teysa, Orzhov Scion》へと《稲妻のらせん/Lightning Helix》を叩き込み、これを皮切りにしてボロスバーンさながらの力強いゲーム運びをスタートする。
あなたに《黒焦げ/Char》。 あなたに《稲妻のらせん/Lightning Helix》。 《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》突撃。
一連の猛攻に対して、Paulo Rosaは《オルゾフの司教/Orzhov Pontiff》を呼び出して《ヒヨケムシ》の除去に成功する。しかしながら、反転攻勢、カウンターアタックにはいたらない。
…ならば、と斉藤は2体目の《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》で連続突撃。もっとも、これは《オルゾフの司教》と《病に倒れたルサルカ》による「自殺コンボ」によってダメージをあたえることなく終わってしまい、さらに《信仰の足枷/Faith's Fetters》を斉藤の印鑑へとプレイしてライフ4点を獲得するPaulo。なんとか止血を試みる。
斉藤は場に《炎の印章/Seal of Fire》を設置して《血の魔女リゾルダ/Lyzolda, the Blood Witch》を召喚。この《リゾルダ》へ向けてPauloは《暗黒破/Darkblast》を撃ったが、《リゾルダ》はその身を火力にかえ、さらなる1枚のカードをもたらした。これにて標的の残りライフは11。
斉藤 友晴は前を向いて攻め続け、燃え盛る赤と白の炎には日の丸が重なって見えた。
あなたに《稲妻のらせん/Lightning Helix》。残り8。 あなたに《黒焦げ/Char》。残り4。
…そして、
あなたに《悪魔火/Demonfire》!
斉藤 友晴 2-1 Paulo Rosa
素晴らしいチームワークを見せたトリオだった。
準決勝では鍛冶 友浩が敗れてしまったところを八十岡 翔太と斉藤 友晴が助け、今度は鍛冶が決勝で最初の勝ち星をあげて仲間たちを鼓舞したのだ。
また、各個の技量だけでなく、誰もが納得するような素晴らしいデッキを見せての勝利であった。彼らがデザインしたデッキは二つのチームによってプレイされ、それは優勝を8位入賞という素晴らしい戦果をあげているのだから。
さあ、王者は讃うべきかな
Congratulations to Kajiharu80 , Pro Tour Charleston Champion !
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The Pro Tour Charleston Champions!
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