準々決勝: 大礒 正嗣 vs. 三原 槙仁

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大礒 正嗣

10周年記念大会となった2005年日本選手権。その準々決勝戦における注目の試合をお伝えしよう。プロツアーで5度のベスト8入賞を果たしている「世界水準」大礒 正嗣(広島)と、3年連続の決勝ラウンド進出となった三原 槙仁(大分)による対決だ。

対戦風景をお届けする前に、二人のプレイヤーのバックボーンやデッキについて簡単にご紹介しておこう。

■青単色ウルザトロン:大礒 正嗣

各国の選手権大会で次々と成果をあげている、言うなれば環境の大本命が青単色ウルザトロンだ。豊富なサーチ呪文と打ち消し魔法をフューチャーしたコントロールベースのデッキで、ひとたびウルザ地形が揃ってからは《メムナーク/Memnarch》や《精神隷属器/Mindslaver》による圧倒的な暴力で試合を制圧する。

そして、デッキが環境の大本命であるなら、大礒 正嗣というプレイヤーも今年の日本選手権における優勝候補の筆頭、やはり大本命である。

彼の、わずか3年あまりのプロツアーキャリアで5度の決勝ラウンド進出というパフォーマンスは圧巻の一言。今では太平洋を越えて本場アメリカのグランプリ戦線をあらしまわるというメジャーリーガーぶりでも知られている。ちなみに、つい一週間前のグランプリ・ソルトレイクシティにも大礒は遠征しており、当たり前のようにベスト16入賞を果たしての凱旋帰国だった。

そんなわけで、デッキタイプという意味でも、使い手という意味でも、この日本選手権における大本命は大礒 正嗣というわけなのである。

■レーザートロン:三原 槙仁

一方、ここで大礒と対峙する三原 槙仁というのも実力面で日本有数の強豪である。三原は2003年と2004年に続いての、つまり3年度連続の日本選手権決勝進出で、ある意味でおなじみの顔の一人であり、有力な対抗馬である。

そんな三原がここでプレイする「レーザートロン」というデッキは、いわゆる《歯と爪/Tooth and Nail》ウルザトロンの変種である。緑タッチ青、サイドからは《平地/Plains》と《赤の防御円/Circle of Protection: Red》というストラテジーも搭載したバージョンだ。今大会における赤いデッキの隆盛を読みきった、こちらも実に見事なマスターピースと言えよう。

Game 1

さあさあ、はじまりはじまり。

先手の大礒が《ウルザの鉱山/Urza's Mine》から《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を設置、対して三原も《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》から《独楽》という互角の立ち上がり。…に、最初の一瞬は見えた。

だが、しかし。

三原の土地が2枚でとまってしまい、3ターン目の《森の占術/Sylvan Scrying》を先手大礒が《卑下/Condescend》。続くターンの《団結のタリスマン/Talisman of Unity》も、大礒は《独楽》から調達した《無効/Annul》で打ち消す。つまり、潤沢なマナがセールスポイントのはずの《歯と爪/Tooth and Nail》デッキがマナトラブルを起こしてしまうことになったのだ。

対して大礒は絶好調。ケロっとした顔で《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を召喚し、さらに《トリスケリオン/Triskelion》をプレイグラウンドに追加。ウルザ地形をそろえるまでもなく、あっさりと先勝してしまうのだった。

大礒 正嗣 1-0 三原 槙仁

Game 2

しかし、九州男児も意地を見せる。

ウルザ地形をそろえ、《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》経由の《歯と爪/Tooth and Nail》を双呪。《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》と《隔離するタイタン/Sundering Titan》が襲い掛かった。

大礒 正嗣 1-1 三原 槙仁

Game 3

必殺の、もとい、おなじみの《歯と爪/Tooth and Nail》にやられてしまった大礒だったが、この3本目で神通力を回復する。

まあ、神通力なのか日ごろの行いが良いのかはわからないが、ともかく、三原の土地が5枚のカラーレス=ランドでぴたりとストップしてしまった。三原としては手札のサーチ呪文から気持ちよく展開していきたかったのだろうが、いかんせんBlue ManaGreen Manaも出ないのだ。《塔》、《魔力炉》、《魔力炉》、《塔》、《母聖樹》という具合である。

そんな中、大礒はサーチ呪文を連発しながら6ターン目に《精神隷属器/Mindslaver》、7ターン目に《メムナーク/Memnarch》。そして、《メムナーク》で三原の《ウルザの塔/Urza's Tower》を奪い取っての聖なる三位一体を完成。

やりすぎ。

大礒 正嗣 2-1 三原 槙仁

Game 4

どうもマナベースの動きが芳しくない三原を相手に、大礒は2ターン目の《団結のタリスマン/Talisman of Unity》を《マナ漏出/Mana Leak》でカウンターという英断。そしてこれがピタリとはまる。色マナよ、さらば。

三原の第4ゲームにおけるマナベースの構築風景をワンセンテンスで表現するとこうなる。塔塔塔魔鉱鉱。ウルザ三昧。

そんな中、別にウルザ地形が揃うでもないが、大礒は《メロク》を召喚。

以下、

何もできない三原を尻目に、エンドステップに《知識の渇望/Thirst for Knowledge》。
何もできない三原を尻目に、エンドステップに《知識の渇望/Thirst for Knowledge》二回目。

そんなわけで、手札にサーチスペルを腐らせている三原はみるみるライフを削られていき、大礒はおまけに《精神隷属器/Mindslaver》までを出してくるという有様。

そろそろ志岐ならぬ死期が見えてきた三原だったが、終盤になって《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》をようやく引き当てる。ウルザ地形は腐るほど並べてあるだけに、ありあまるマナの使い道をじっくり考え込んだ。

さて。残りライフは現在10点。ここで三原はペインランドを使用して《刈り取りと種まき/Reap and Sow》から《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》を場に出し、《師範の占い独楽》起動。さらに《翁神社》のGreen Manaから《刈り取りと種まき》の2発目で《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》を場に出すという動きを選択した。その上で、《精神隷属器/Mindslaver》をプレイして、レジェンドルールで対消滅させる。ダイナミックな動きだ。

しかし、返すターンの大礒の動きもまた凄い。温存してあった《母聖樹》をプレイ。対消滅。ここで対カウンター兵器を潰し、反撃の芽を摘んだ。

三原:きついー。そっち、ハンド何枚、っていうかカウンター何枚すかー?

大礒:手札は5枚。でもカウンター手札だけじゃないよ。

三原:母聖樹がもうないんだよなー。きちー。

むかえる三原(ライフ5)の最終ターン。まずは《精神隷属器/Mindslaver》をプレイしてみる三原。しかし、大礒の《独楽》に仕込まれたライブラリトップは《無効/Annul》。

ええい、最後の勝負。

三原 槙仁

と、ここで双呪の《歯と爪/Tooth and Nail》を撃ち込む三原。《ヤヴィマヤの沿岸》のダメージで残り4ライフ。大礒側のクロックは《メロク》とトークン2体で…4点。

大礒はこれを通す。というか、《無効》をプレイしたせいでアンタップしているBlue Manaが1つしかないので、《巻き直し/Rewind》は使えない。

三原:…あ、《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》と《トリスケリオン/Triskelion》って思ったけど、《トリスケリオン/Triskelion》をサイドアウトしとったぁぁぁ!

三原 槙仁、かくて《歯と爪/Tooth and Nail》の解決中に投了である。

大礒 正嗣 3-1 三原 槙仁

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