「二敗まで落ちんと勝負にならへん」
笑いながらぼつりと本音を漏らす藤田。初日のフィールドこそ彼と木下の使用する赤単にとって優しい環境だったが、勝ち上がってきたのは、苦手とするデッキを赤単が駆逐してくれた赤単キラーの群れ。正直、今後の展開を考えると頭が痛いところだろう。
だが、今回は違う。
深紅のシートが敷かれた卓上で行われる漢の赤単対決。
今、戦いの火蓋が切って落とされる。
Game 1
「よし」
マリガンを選択した藤田に対して、木下がぼそりと呟く。藤田がシャッフルする間を利用し丁寧に展開を想定する。
「厳しいなぁこの手札」
《山/Mountain》x2、《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》、《焦熱の火猫/Blistering Firecat》x2、《呪われた巻物/Cursed Scroll》
順調に展開できるカードを引けば...という手札を仕方なしにキープ。
しかし、木下の《リシャーダの港/Rishadan Port》がストップをかける。
定番となる《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》を利用したデッキ圧縮から《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を召還する木下。藤田が《呪われた巻物/Cursed Scroll》を出しゆっくりとした構えを取るのと対象的に《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》と順調な展開。
一方の藤田が未だ使い道の無い二本目の巻物と《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》 を出す間に、二体目の《ゴブリンの群衆追い》を召還し、《炎の印章/Seal of Fire》で《渋面の溶岩使い》を除去する。
必要なのは軽マナの火力。重い手札と巻物では無く。全く噛み合わない手札に苦心する藤田。ここで遅すぎる《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を召還するが、《ゴブリンの群衆追い》二体に殴られては堪らない。次のカードを見て即投了。
Fujita 0 - Kinoshita 1
Game 2
藤田の《渋面の溶岩使い》は《溶岩の投げ矢/
Lava Dart》であっさりと退場。序盤のクリーチャーは避雷針に過ぎない。藤田は次に《火薬樽/
Powder Keg》で防衛網を。
木下は《モグの狂信者》を召還しながら、《不毛の大地/Wasteland》で《リシャーダの港》を破壊する。
《呪われた巻物/Cursed Scroll》を引き当てた藤田。木下のアップキープで動きを止める。
土地を縛るべきか、巻物に賭けるべきか。
藤田に残されたマナはきっちり 3 マナ。手札は 2 枚。結局は巻物を選択した藤田だが、この迷いが木下の腹をくくらせた。《モグの狂信者》を対象に巻物が起動されるが、
「レスポンス無いです。」
...選ばれるカード。それは藤田の指定した《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》では無かった。
本来なら《呪われた巻物/Cursed Scroll》の量だけで勝負が決まりそうだが、思うような展開に持ち込めない藤田。
手札には重いカードがたまり、巻物は機能せず、そのすきに土地を引きすぎではあるものの軽い生物を引き当てた木下がじりじりとライフを削っていく。それをどうにかこうにか対処する藤田。
勿論、3 枚の《リシャーダの港/Rishadan Port》をフル活用し、木下がその展開を阻んでいるからでもあるが。
しばしの時が経過した後に行われる《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》の共食い。
地獄を抜ければ。ついに巻物が本領を発揮する。無限の火力を前に木下が投了。
Fujita 1 - Kinoshita 1
Game 3
先行は再び木下に戻る。
木下、《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》から《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》。
藤田、《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》から《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》。
これがすぐに相打つ。
《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》《モグの下働き/Mogg Flunkies》は共に藤田の《火山の鎚/Volcanic Hammer》によって絶命。
互いに食らったダメージはフェッチランドだけという消耗戦。それを抜けだしようやく攻撃を成功したのは木下の《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》二代目。だが、既に手札のゴブリンは尽きており、彼ったら単なる 1/1 。しかし、それでも 1/1 だ。まだ見ぬ驚異に備えねばならない藤田は《炎の印章/Seal of Fire》をこれに使うことが出来ず、《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》が文字通りラッキーにダメージを重ねていく。
《火薬樽/Powder Keg》を追加する藤田。もっと手っ取り早い手段なり生物なりを引きたいところだが、昨日あれだけ応えてくれたデッキは無反応。それを尻目に木下には《モグの下働き/Mogg Flunkies》が援軍に。
なんとか、《焦熱の火猫/Blistering Firecat》を変異で召還する藤田だが、これは《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》によって秒死。さすがにこれは《炎の印章/Seal of Fire》で退場するも...
木下:《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》
藤田:...Go
木下:《モグの狂信者/Mogg Fanatic》
藤田:......Go
ゴブリンの群れが藤田を。
Fujita 1 - Kinoshita 2
木下「勝ったけど、一敗ラインのデッキは勝てないのばっかだから恐怖ですよ」
藤田「全ゲームで《炎の稲妻/Firebolt》も《溶岩の投げ矢/Lava Dart》も、一本も引けんかった...」