激闘をくぐり抜け最後に残った二人は、藤田 修と東 大陽。その二人のデッキは?
サイカトグ? いいえ。
マルカデス? いいえ。
青緑マッドネス? いいえ。
オース? いいえ。
ゴブリン・バーン? いいえ。
戦前のメタゲームで言われていたどんなデッキでも無い二つのデッキ。
藤田が使うのは赤緑のステロイド、緑や赤の低マナクリーチャーに火力を組み合わせた懐かしい匂いのするデッキ。
東が使うのはエンチャントレス。そうエンチャントレスだ。《アルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress》、《女魔術師の存在/Enchantress's Presence》をドローエンジンとし、各種のエンチャントを燃料に《気流の言葉/Words of Wind》という勝利の方程式に叩き込む驚愕のデッキである。
さて、次代のエクステンド環境を担うのは、広島の地に名を刻み込むのは、いったいどちらのデュエリストであろうか。
では、ゲームを始めよう。
Game 1
ダイスロールに勝利したのは東。互いに手札をキープする。
早期に決着をつける必要がある藤田はまず《ジャッカルの仔/Jackal Pup》から。東が《肥沃な大地/Fertile Ground》でマナベースを整える隙に、これに《怨恨/Rancor》を装着し東のライフを 16 に減らすと同時に《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を召還。
相手は関係ない。ただ自分の場を整えるのみ。東は《女魔術師の存在/Enchantress's Presence》を出し、wild growth を付ける。
藤田の勢いは止まらない。二体で殴り、ライフを 11 に減らすと、《リバー・ボア/River Boa》、更には《ジャッカルの仔/Jackal Pup》を召還する。これで、次のライフの格闘ダメージは 9、狂信者か、火力が更にあれば次のターンには東を殺せる。次のターンさえあれば。
いきなりの死刑宣告を受けた東だが、自分のペースを失ったりはしない。
たんたんとエンチャントを並べ必要な手段を探す探す探す。
みっけ。
《気流の言葉/Words of Wind》、《生ける願い/Living Wish》から《セラの聖域/Serra's Sanctum》を手に入れると、膨大なマナを産み出す。エンチャントレスが見守る中、そのマナは《気流の言葉/Words of Wind》を通し凄まじい嵐となり、一気に藤田の全パーマネントを手札へと戻してしまう!
あっけにとられた顔のまま、逐一説明を受け全てを納得すると、藤田は静かに次のゲームに向けて動き始めた。
Fujita 0 - Azuma 1
Game 2
藤田が《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を、東は《踏査/Exploration》を。全く方向性の違う一マナパーマネントが展開される。藤田のそれは破壊の礎。東のそれは創造の礎。
藤田が《リバー・ボア/River Boa》を召還し、堅実だが地味に戦陣を拡げる間に東は《女魔術師の存在/Enchantress's Presence》から二枚目の《踏査/Exploration》をセットし場と手札を拡充する。
三ターン目、引きに恵まれない藤田がただ《炎の稲妻/Firebolt》を使用し、東のライフを 14 にしたに過ぎないのに対して、東は《肥沃な大地/Fertile Ground》を二枚、更には二枚目の《女魔術師の存在/Enchantress's Presence》を。
既に東の場には7マナ精算能力が用意されている。
再びゴブリンと蛇が攻撃を行い、東のライフは 11。
東のエンチャントはエンチャントを呼ぶ。二枚の《退去の印章/Seal of Removal》、《アルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress》が追加される。もういつでも死ねる。
だが、ターンは藤田に戻る。二体の攻撃。それぞれに対して東は《退去の印章/Seal of Removal》を使用。藤田のサイドボードにある《血の誓い/Blood Oath》を見ているからか、丁寧にライフを残す。藤田は《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を本体へと飛ばす。これで東のライフは 10。
たんたんたんと机を叩き考えをまとめる東。
たーん。強く机を叩く。
解析終了!
《生ける願い/Living Wish》から《マスティコア/Masticore》を入手し、藤田が召還したばかりの《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》を射殺する。それに続き、4 マナを残したままの藤田を見ながら、再びキャストする。
《気流の言葉/Words of Wind》を。
ライフと手札を確認する。解答欄にミスは無い。気流が発動する。東は自身のエンチャントを戻しながら藤田に土地の撤退を強要する。いいんですか? 手札のそれを使わなくていいんですか? もうチャンスは二度と訪れませんよ、と。
藤田はついに観念し、唯一の望みを最後の一枚に賭ける。戻る土地から順番にマナを出す。1、2、3、4。マナは揃った。マナプールをきっちり 0 に戻した東がここでアタック宣言を行う。ほらどうぞ、と。
《血の誓い/Blood Oath》
藤田は最後の思考をまとめる。何だ、何が正解なのだ。それとも、正解は本当にあるのか。だが、選択はなさねばならぬ。
「土地」
力強く宣言する。
東は、手札を公開する。五枚の手札の中には、土地が一枚、二枚。6 点。ライフは 10 から 4 へと減る。僅か 4、だがあまりにも多く強固な 4。
処理完了。ターンはここで一度藤田へと戻る。東のライフは 4 だ。藤田のデッキには 1 マナ 2 点の火力が含まれている。たとえ、毎ターン土地が返されようとも、セットランドからの火力は止められない。二枚連続で火力を引けば!
それでも 2 ターンは必要なのだが。
藤田のドローは《ジャッカルの仔/Jackal Pup》。苦悩の表情でそれを召還しターンを終える。なにしろマナが無いから動きようが無い。
東のターン。東は既に仕事を終えた《女魔術師の存在/Enchantress's Presence》を順番に《気流の言葉/Words of Wind》によって手札へと戻していく。もう必要なパーツは揃った、今までありがとうと。
設問1 以下の解答を 5 文字で述べよ。
《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》+《セラの聖域/Serra's Sanctum》+数枚の《肥沃な大地/Fertile Ground》+《アルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress》+《気流の言葉/Words of Wind》
解答 無限マナ。
設問2 以下の解答を 5 文字で述べよ。
無限マナ+《アルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress》+《退去の印章/Seal of Removal》+《踏査/Exploration》
解答 無限ドロー。
東はたんたんと作業を進める。我々一同が出来ることはただその巧みの技を見守るのみ。
残り三枚を除いて、全ての手札を手にいれる。では、あらためて。
《生ける願い/Living Wish》
《ラクァタス大使/Ambassador Laquatus》が登場する。さぁ後は、事後処理だ。
では、残ったマナ全てを大使に。みるみるみるみるとめくれていく藤田のライブラリー。最後の一枚までもが墓地と化す。
さぁどうぞ。
いや、ライブラリ無いっす。
Final Result: Fujita 0 - Azuma 2
Motokiyo Azuma
Eternal Wind