2nd Draft Report

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LSV→80

日本で行われる久しぶりのプロツアーであるこの京都。

初日の7回戦を終了し、二日目の前半戦、ブースタードラフト3回戦が開始される。

今後の3ラウンドの運命は、まさしくこのピックで決定づけられるだろう。

さて、そんな重要なドラフトピックだが、1番卓にふたりの日本人プレイヤーが着席している。

一人目が、初日終了時にポールポジションを獲得した山本 明聖(和歌山)。グランプリ岡山でのトップ8入賞により、今大会への参加権を獲得した山本。初参加のプロツアーでありながらの快挙である。

そして、もうひとりの日本人プレイヤーが、「鬼神」八十岡 翔太(東京)である。
さて、この二人の日本人がそろったトップ卓を取材しようと近づいていくと...

八十岡 「またいるんですけどー」

と八十岡。そう、八十岡の上家には、昨日唯一八十岡に土をつけた最新型ジャガーノートLSVことLuis Scott-Vargasが並んでいるのだ。

というわけで、この記事ではこのLSVと八十岡の並びを中心としたドラフトの流れを見ていこうと思う。

■1st Pack / Shards of Alara

山本が《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》をピックという強力なカードをピックする一方で、ちょうど向かい側にいるLSV80の二人は、そろって《圧倒する雷/Resounding Thunder》をピックする。

しかし、初手が同じ色のカードでも、色の組み合わせが3種類あるアラーラの世界のこと、十分な棲み分けができる、ということをこの二人の技巧派プレイヤーはきっちり見せてくれた。

八十岡は《トーパの苦行者/Topan Ascetic》と《天望の騎士/Knight of the Skyward Eye》の二択で悩みつつも《天望の騎士》をピックする。

八十岡 「一応《天望の騎士》の方がカードパワー高いし、マジックでは2マナよりも3マナの方が常に強いからね」

まさか《取り消し/Cancel》と《対抗呪文/Counterspell》を比べての発言ではないだろうが、とにかく、八十岡はこの後、2枚目の《天望の騎士》や《鼓声狩人/Drumhunter》をはじめとしてナヤのパーツを集めていく。

一方で、初手パックで八十岡に白緑系のカードを流しているLSVは、2手目で《裏切り者の王、セドリス/Sedris, the Traitor King》をピックし、続いて《グリクシスの魔除け/Grixis Charm》をピックと、グリクシス系のカードを集めていく。

...のだが、ここに来てどうもカードの回りがおかしい。

というのも、ナヤとグリクシス系のカードがまったく流れてこない一方で、8手目で八十岡には《波掠めのエイヴン/Waveskimmer Aven》が、LSVには《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》が流れてきているのだ。

この状況を不思議に思いつつ、二人はこのカードを一応ピックしておく。

なお、この後半のピックで、八十岡は《帰化/Naturalize》や《祓い士の薬包/Dispeller’s Capsule》といったアーティファクト破壊を優先的に確保していたことを追記しておこう。

八十岡 「もしも最強のエスパーだ卓にいると手も足もでないから、ある程度遅い順目で手に入るなら対策カードは押さえておきたいね。特にインスタントの《帰化》は1枚は欲しい」

■2nd Pack / Shards of Alara

さて、ピック終了後のインタビューでも二人揃えて、この8手目の違和感が一番気になった所だと口を揃えて語っていたのだが、その二人の感じ取った違和感に間違いはなかった。

そう、この時点で、卓にはナヤ系が3人にグリクシス系が4人という異常事態であり、エスパー・バントはまったくいない状態だったのだ。

同じくファーストピックで《圧倒する雷》をピックし、仲良く危機察知した息ピッタリのLSV80のふたり。この2パック目のファーストピックも、揃って《ヴィティアのとげ刺し/Vithian Stinger》スタートというシンクロ率の高さを見せつける。

八十岡 「開封パックが弱すぎるでしょ...赤はタッチの予定だったから、できれば3ターン目にだしてなんぼのティム(《ヴィティアのとげ刺し》)よりも火力が欲しかった...」

2手目も《ジャンドの戦闘魔道士/Jund Battlemage》と「2手分とばされたよ」とぶーたれる八十岡。実際に収穫は《野生のナカティル/Wild Nacatl》程度か。後半には1stパックと同じように対策カードとして《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》をピックする。

八十岡 「コンフラックスの青黒のコモンが強いから、グリクシス系もブン回るとやばい」

一方で、1stパックの終盤の違和感に忠実に動いたのがLSV。

すでにまともなグリクシス系のデックが組めないであろうことに気がついたLSVは、この2パック目で2枚のタップイン3色土地に《バントのオベリスク/Obelisk of Bant》《バントの全景/Bant Panorama》と、色マナサポートをかき集め、多色デックの準備を始めていたのである。

■3rd Pack / Conflux

3パック揃って、同じファーストピックか!

と期待高まったコンフラックスだが、ここでは八十岡が《サシーリウムの射手/Sacellum Archers》、LSVが《流刑への道/Path to Exile》と、ついに別々の道をたどることとなる。

白緑メインのナヤ系としては是が非でも欲しい《巨大化/Giant Growth》だけがデックにたりなかった八十岡は、《アラーラの力/Might of Alara》を2手目でピックすると、ほぼデックは完成。一周してきた自身の開封パックの神話レア《大祖始/Progenitus》をレア取りするくらいの余裕っぷりだ。

八十岡 「《巨大化》系が1枚しか目の前を通らなかった...デッキは63点くらいです」

一方のLSVは、5色で強力なカードをなんとかかき集める。特に、5色デックでないと使いにくい《アミーシャの模範/Paragon of the Amesha》《肉組み/Fleshformer》をピックできたのは大きい。

LSV 「とはいってもデッキは相当弱いよ。一体どうやってればよかったのかわからないくらいだね...」

さて、ここまで並んだ二人が厳しい厳しいといっているのだから、反対側は順調なはず。というわけで、最後にLSV80の向かいに座る山本に感想を聞いてみよう。

山本 「いやぁ、相当厳しかったです...デッキが弱すぎますよ...グリクシスのカードがまったく回ってなかったので、バントやればよかったですね...初手が《残酷な根本原理》でさえなければ...」

どうやら、卓全体でドラフトがうまくいかなかった様子。こうデックパワーが低いデックばかり並ぶとなるとゲームスピードは遅いものになるので、テンポで押す八十岡のデックや、逆に5色揃えば最強のLSVのデックは環境にマッチしているかもしれない。

なんにしろ、このドラフトテーブルを制したプレイヤーが、トップ8入賞する可能性は高い。ぜひとも注目していきたい。

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